Neetel Inside 文芸新都
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黒兎物語
72 腹上死の味

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ここはかつて遺跡であった・・・そのため朽ち果てた祭壇を利用し、仰向けに寝かされたガザミは両腕をサーベルで刺され固定されている。
そのガザミをひたすらメッタ刺しにし続ける兎人族の男がいた。刺すといっても刃物で腹部等を刺すのではなく、自身のちんぽで膣から子宮目掛けて刺すということである。
クチュクチュといやらしい音を立て、そして
彼のちんぽと彼女の膣の結合部分同士がパンパンと音を立てている。愛のある者同士が行う行為の筈であるが、そこに愛は全く感じられなかった、オーベルハウザーはガザミを刺し殺す勢いで乱暴に彼女を犯し続けていた。
「んッ!くッ!ォラッ!ォラァッ!うッ!ぅッ!うッ!」
オーベルハウザーは必死に血が滲むほど唇を噛み締め身体中から汗を滲ませ、腰を振り続けている。対して、ガザミはただひたすらオーベルの突きを受け止めていた。虚勢を張った手前、声をあげるわけにもいかず必死に押し殺し、苦しさで声が漏れそうにならないように必死に唇を噛み締めていた。 男というのはバカな生き物で、快楽のあまり喘いでいる声と圧迫される苦しみで悶え苦しんでいる声の区別もつかず、後者も前者だと勝手に解釈して勝手にヒートアップして自分だけ果てる。オーベルハウザーもそのクチだろう。たとえ後者だとしてもこの男に前者だと勘違いされたくはなかった。すればこの男はきっと征服欲に駆られ、ますます激しい侮辱の言葉を浴びせながら、自分を犯してくるだろう。ただでさえ、こんな男にレイプされて屈辱を感じているというのに耐えられなかった。だが、もうどの道 自分が穢れた女になってしまったことを彼女自身分かっていた。
ガザミも経験した人数は奴が初めてではない、
ムザファール以外にも何人かの男と寝たこともある。だが全て合意の上でのことだ。戦死する前に筆下ろしを頼んできた傭兵仲間や、酒を飲んだ勢いでやろうかとなった軍人、強面で女にモテずに真剣にコンプレックスを抱えて謝りながら男にさせて欲しいと頼んできたムザファールのような男もいる。 だがなんだかんだ言っても それぞれに愛があった。

(・・・まぁ 強いて言うならムザファールが一番気持ちよかったかなぁ~・・・ )
ガザミは天井を見つめ、ムザファールの顔を思いうかべ、しみじみと思う・・・
カエルと牛の混ざり合ったあの強面の顔・・・拳のムザファールと言えば誰もが後ずさりする程の男だと言うのに鎧を外した途端に湯気が出そうな程に顔を赤らめて、何度も手で顔をさすって目を背けつつも、指の隙間から身体をマジマジと見つめてくるあの初々しい顔・・・結局ムザファールは恥しくて攻めることが出来ず、フェラチオされている間もただ仰向けになって喘ぎ声をあげながらブルブルと震えていたあの顔・・・最後は名前を呼び合い、手をつなぎ、正常位で抱き合いながら何とかお互いにイクことが出来て、お互い汗だくになりながら目と目を見つめ合ったあの時間、抱きしめて欲しいと胸に顔をうずめてきた彼の背中をさすってやったあの時間・・・今となってはあれが最高だったなあと思う。正直言って、今まで抱かれてきた男の中で史上最大最強のブ男だったし、マラがでかいだけで下手糞で不器用すぎるセックスだったけど正直言って、あれ程の温もりを感じたことはなかった。後は、カエル人特有の射精量の多さで全身ザーメンまみれになった挙げ句、ベッドを一つお釈迦にして宿屋の主人にバレる前に金だけ置いて夜逃げする羽目になったりと最悪だったけど 2人で近くの滝つぼでバカなこと言い合って水浴びした思い出は忘れられない。
(・・・ムザファール)
果たして今のこんな穢れた身体でもう一度ムザファールに抱かれたいと言ってもいいのだろうか・・・そうは思わない。
この穢れた男の残したものを掃除させるためにムザファールを利用するみたいなものだし、そんな侮辱的な真似はしたくない。ムザファールへの激しい侮辱だ。無二の親友で幼なじみの彼をそれこそ穢すことになる。こんな男に大事な大事なムザファールまで穢されたくない。そう考えると自分が犯されていることよりも、そのことの方が辛い。もうムザファールに抱かれたくても許されないことが何よりも。

「うごッ・・・ォッ ォッ オッ」
そうこうしているうちにオーベルハウザーがまた射精に達っしたようだ。腹に押し寄せるこの不愉快な感触・・・もう何度目だろうか。いずれにせよこの男は滝の様な汗を流しながら射精しては犯しを繰り返している。 ただ、この男・・・ムザファール程ではないが大量の精液を残していくのでガザミの腹も膨れ始めていた。兎人族の精液はムザファールのものと違って粘度が高く、なかなか出て行かない。
「・・・クックックッ まるで未来のおまえの姿を見ているようだよ」
子宮に溜まった精液を外へと押し出すために、オーベルハウザーはガザミの腹を殴った。
「ぐおッ!!」
衝撃でコポッコポッと音を立てて、こぼれたホワイトシチューのように精液が溢れ出す。
「クククク・・・どうかね? 10回も中出しされた気分は?」
「・・・へぇッ・・・ヘヘ・・・じゅ・・・10回・・・程度か・・・しょぼ・・・・・・ディオゴの35回には・・・到底及ぼねぇな・・・粗チンのヘナチン野郎が・・・」
もし手が自由なら鋏の隙間の指で中指立ててファックユーしてやりたい気分だったが、今のガザミは虚勢を張るので精一杯だった。
ちなみ、ディオゴが35回中出ししたかどうかは定かではない。
あくまでもオーベルハウザーを悔しがらせるために言ったハッタリの可能性もあるので、ディオゴが35回中出ししたかどうかは定かではない。
相手がツィツィだったかどうかは分からないがディオゴが35回中出ししたかどうかは定かではない。

「・・・安心しろ 10回分出したら5回分は掻き出して・・・そっからまた5回分犯してを繰り返す・・・そうすりゃあ・・・35回なんてあっという間だ。」
「・・・その割に・・・て・・・てめぇ・・・随分しんどそうな面ァ・・・してるなァ・・・オイ・・・ 流石の兎人族も・・・やっぱりジジィになると・・・精子が減るのか・・・いい勉強ン・・・なった・・・ぜ」
怒りのあまり、オーベルハウザーはガザミの頬を殴打する。
「強がるのも大概にしろ女ァ!!どの道、おまえが俺の子を孕むことには変わりないんだ!!
こんなに中に出されたんならもう既に手遅れだ!どうせ堕胎ろすんだろォが そうなりゃあ お前は実の子供を殺した女として心に十字架を背負って生きることになる!! かと言って生めば お前は 自分をレイプした男の面影を残したガキの顔を一生拝み続けて生きるんだ!!どちらにしても、おまえは!! おしまいだ!!」
得意気にオーベルハウザーは大笑いした。
「・・・誰が・・・てめぇの子供なんか・・・!」
「生まねぇってか? もしくは堕胎ろしたところで、心も痛まねぇってか? おまえがそうでも世間はどう見るかな? どんな理由があろうとも、お腹の子供を殺した女を嫌悪する輩なんざ幾らでも居る!! おまえはそいつらに後ろ指を差されてでも生きる覚悟があるか?」
ガザミは迷った。やつの言う通りだ。
世の中、人や所が変われば被害者がまるで加害者のように扱われることだってある。自分の決断を過ちと言う奴等だっているのだ。
だが、そんな中・・・ガザミは自然とオーベルハウザーに言い放った。

「・・・どんな生き方を選ぼうと後ろ指を差してくる奴は居る・・・だが、これは俺の人生だ・・・・・・誰にも邪魔されねぇ・・・俺しか選べねぇ人生なんだ・・・他人の目ェ気にしてビビッて流される人生なんて何の意味も無ぇだろ・・・叩かれまくって打ちのめされても・・・自分で選んだ人生を送りてェんだよ・・・」
泣きながらガザミは絞り出すかのように言った。
辛い人生でも もう茨の道で生きるしか残されていない現実に押しつぶされながらも 必ず立ち向かってやる決意の表れの涙であった。
「・・・よく言った ガザミ」
聞き覚えのある声に驚く間もなく、ガザミの目に飛び込んできたのはオーベルハウザーの股間が串刺しになる光景だった。
「かッ・・・こほッ」
オーベルハウザーは目を見開らき、ブルブルと震え、飛び出た舌を噛み締め、突如として襲い掛かった痛みを堪えている。潰れた金玉がまるで卵黄を潰した半熟王子のように血を弾けさせながら崩れ落ち、ボタリと音を立てて2つの血だまりを作る。わなわなと震えながら、オーベルハウザーは後ろを振り返る。
「畜生にも劣る所業だな・・・オーベルハウザー・・・・・・」
そこにはあのゲオルクがいた。その顔は鬼神のように憤怒に歪んでいる。
「貴様にこの度の申し開きをしようと思っていたのだが もはやその価値も無い・・・意馬心猿に駆られて女を犯すような下衆に開く口は持ち合わせておらん・・・・・己の理性を抑制出来ぬ男に タマを持つ資格など無かろう。」
そう言い放つと、ゲオルクは非情にオーベルハウザーの股間から剣を引き抜く・・・
「うぎゃぁあぁあーッ!!」
股間を抑え前のめりにつまづいた先に、
いつの間にか右腕を引き干切ったガザミの姿があった。右腕の傷口は甲殻類特有の甲羅がひび割れ鋭利な刃物と化していた。
ガザミは犯されている間、右腕をサーベルから引き抜こうと必死にもがいていた。
当然、右腕は無事には済まないし 引き抜くためだけにこんな思いをするのも割には合わない。
ならせめて こいつの首に鋭利な刃物になるだろう傷口を突き刺して一矢報いたかった。
「ぁっ」
オーベルハウザーの首はガザミの腕で串刺しとなった。血と泡を吹き痙攣するオーベルハウザー・・・
「・・・オーベル先生ぇ・・・アンタにとっちゃ本望だろォ? 女の腹の上でッ!! 死ねて・・・よォ~~~~~オオォオ!!」
両足でオーベルの背中を挟むと、ガザミは傷口を押し込んでいく。
「ぐォおォォオォ~ぉッ!!」
「ちったぁ・・・理解しろや・・・刺される痛みってのをよォオォ~~ッ!!」
激怒で目を見開らきながらガザミはオーベルに憎しみの刺突をねじ込んでいく。痛みで白目を向き、スロットマシーンのように目を動かしながらオーベルは昇天したのだった。
「腹上死の味はどうだった・・・?
・・・キモチよすぎてぶっ飛んじまったようだが・・・」
オーベルハウザーの死体を蹴り飛ばし、ガザミは吐き捨てた。

       

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