3~ニート的交友関係~
ニートは得てして引きこもりになりがちである。
引きこもっていた者が、
そのままニートになる例も少なくないであろう。
そもそも、外出しようとも金がない。
金がないのに外出してもすることがない。
自然、交友関係は狭まっていく一方である。
突然だが、私は携帯の電源を入れてみた。
もちろん電池はとうに切れていて付かなかったが。
だが、私は諦めず充電を試みた。
何故いきなり携帯を付けてみようと思ったのか。
それは自分でも分からない。
一月前に返信したメールの返事が気になったのか。
或いは、誰か昔の友人から連絡があると思ったのか。
何はともあれ私は携帯の電源を入れることに成功した。
……受信メール400件。
特に驚くべきことではない。
私の携帯にはいつからか、
頻繁に迷惑メールが届くようになっている。
一月も放っておけばこうなることは予想出来た。
もちろん全てチェックするなんてことはしない。
グループフォルダ毎に勝手に分けられるので、
知り合いからのメールだけチェックすればいい。
しかし、今回はその必要もなかったようだ。
メールは全て未登録のアドレスの様である。
私は迷うことなく全てのメールを一括消去した。
もしかすると知り合いからの、
新アドを登録して欲しい旨のメールもあったかも知れない。
そんな考えも一瞬かすめたが私は躊躇わなかった。
今更会いたい奴も、会える奴もいない。
最も仮に顔を合わせたとしても、
その人物は二度と私と連絡を取ろうとはしないだろう。
メールを消去した時、
今や私はそういう人間なんだなと、
一人感慨に浸った。
そしておもむろにズボンを下ろし、
私は行為に没頭することにした。