Neetel Inside 文芸新都
表紙

生と詩と性と死の聖都市。
三番街、童話作家の部屋。

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咽ぶ雨音、そっと凌ぐ
嗚呼、一寸した雨宿り
これにて終幕
然様なら
然様なら

シェヘラザードのお話に
アリスの長い夢に
これでおしまい
然様なら
然様なら

王子を刺した人魚姫
髪を切ったラプレンツェ
皆、元居た場所へおかえり
おやすみなさい
お幸せに

お祭り騒ぎの後の祭り
誰も悪くはないのだ
ただそこに花が咲いていた
それだけのこと
それだけの

「穏やかな気分だ
 とても、とても
 穏やかな気分だ
 幸福はない、が、不幸もない
 嗚呼、穏やかな、気分だ」

ずぶ濡れの帰り道
煌めいた日々にお別れを
美しかった日々に
然様なら
然様なら

獣の王子はひとりぼっち
悪魔の鏡は刺さったまま
変わらぬなりの幸せを
どうか皆々様
幸せな日々を

毒の林檎も黒い糸車も
もうここにはないから
どうか、どうか
穏やかな日々を
穏やかな幸せを



おしあわせに

       

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Neetsha