Neetel Inside 文芸新都
表紙

生と詩と性と死の聖都市。
三番街、宿屋の一階居住室。

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夢を見ていた
夢を見ていたの わたし
ずっと愛されていると
そう思っていた
ありふれた言葉でも
愛してもらえるって
ずっと思っていた

冷たい夜が来て
暖かい毛布にくるまって
冷たい朝が来て
温かいスープを飲んで
そうして行ける
そんな夢を見ていたの わたし

夢を見ていた
夢を見ていたの わたし
ずっと愛していられると
そう思っていた
ありふれた言葉でも
愛していけると
ずっと思っていた

うんざりするような夜が来て
優しい腕におさまって
うんざりするような朝が来て
優しい声で目が覚めて
そうやって生きる
そんな夢を見ていたの わたし

みんな大人になっていって
誰も夢なんか見なくなって
みんな大人になってしまって
誰も夢なんて見なくなってしまった
わたしだけ ひとり

夢を見ていた
夢を見ていたの わたし
ずっと変わらずにいると
そう思っていた
ありふれた言葉でも
変わらずにいてくれると
ずっと思っていた

夢を見ていた
夢を見ていたの わたし

まだ

夢を見ていたい
夢を見ていたいの わたし


 

       

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