Neetel Inside ベータマガジン
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台湾オフレポ
おわび/いしまつ

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私、いしまつは、このたび台湾オフのホスト役を申し出たにも関わらず、

オフ二日目にしてノロウイルスに感染、

三日目の観光地案内をキャンセルするという失態を犯しました。

参加者の東京ニトロ氏、Kluck氏、およびホドラー氏には大変なご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。

皆さま、私の突然の申し出を寛容に受け入れてくれたばかりか、

「なんで現地に住んでるやつが一番に腹壊すんだよ」

「一日目から足が痛い足が痛いってうるさかったよね ニートで体力あり余ってるくせに」

「奉仕の精神が足りない ありがとうを食べろ」

といった温かい言葉をかけてくださり、

わたしはその深い優しさにただただ感激するばかりで

血まみれの赤いゲロと、胆汁交じりの緑の下痢を涙のかわりに垂れ流しておりました。


私以外の皆様は体調にまったく異常がなかったことが不幸中の幸いです。

日本のグローバルエリート、いわゆる社畜と呼ばれる方々の生命力には驚嘆を禁じえません。

いったい何時間の残業を繰り返せば、そこまでの境地に至れるのでしょうか……。

それにしても不可解なのは、いったい私がなににあたったのか、という点です。

すべてを吐き戻したあの夜も、便器の中に散らばった吐しゃ物を眺めながら、そればかりを思い返しておりました。

手前味噌ではございますが、旅行中に紹介した店はどれも一流どころばかりでございます。

一日目の夜にいった広東ダックの店、「龍都酒楼」。

当日ご説明いたしましたとおり、広東ダックとは、鴨の皮だけでなく、身も一緒に包んで食べる料理でございます。

一羽丸ごと運ばれてくるこんがりダックを見て、みなさん口々に

「これが人権だ。人権が戻ってきた」

などとおっしゃっていましたね。

私には意味がわかりかねましたが、

日本の流行語かなにかなのだろう。彦摩呂とか石塚英彦的なサムシングなのだろうと、

あえて深くは聞きませんでした。

カエルのから揚げも、エビマヨも、亀ゼリーも、皆さま血走った目で味わっておりました。

そして二日目。

お昼に行った排骨麺(豚スペアリブを乗せた麺料理)も、

皆さまうまいうまいと食べておられましたね。

魯肉飯(豚細切れ煮込みをのせたご飯)もあわせて、

ペロリと平らげておりました。

街歩きの途中で食べた豆花(台湾風の豆腐スイーツ)

も、自然な甘さでするするイケると好評でした。

そうそう。台北101からの眺めはどうでしたか?

Kluckさんがエレベーターに乗る直前になって

「実は僕、高いところ苦手なんです」

と言い出したときには大変驚かされました。

それを聞いたニトロさんが

「このエレベーター、きっとシンドラー製ですよ」

などと言い出したときには、なるほどこれがジャパニーズ・パワハラかと深く納得したものです。

私と並ぶ唯一の常識人であるホドラーさんは、そんなやりとりで終始苦笑いに徹しておられました。

そして夜に食べた炸醤麺(ジャージャー麺)、あれも絶品でございました。

「炸醤麺? 台湾まぜそばと何が違うの? 粉チーズとマヨネーズはどこだ」

などとおホザきになっておられた東京ニトロ氏も、一口食べるやいなや黙って麺をすすっておりました。

餃子も葱餅も、余さず胃袋におさめて、みな満足そうに腹をさすっていたと記憶しております。

……やはり、いま思い返してみても、どれも美味すぎる料理ばかり。

いったい何が原因であのようなことになったのか、皆目見当もつきません。

そういえば初日の夜、Kluck氏がカエルに怪しげな粉をかけていたような……。

いやいや、気のせいでございましょう。

なお、その後東京ニトロ氏におかれましては、

わたしが地獄の腹痛に耐えながら教えた台湾式居酒屋の名店を素通りし、

「いしまつさんの店ガン無視して食べる小籠包おいしい♥」

などとTwitterでつぶやいておりましたこと、

私が当日自腹で購入し、イラストを描いてもらおうと手渡したスケブについて

「ウイルス感染拡大を防ぐため、焼却処分いたしました。ご安心ください!」

とおっしゃられましたこと、

一生の思い出として、胸に抱いて生きていこうと固く誓っております所存です。

ニトロ氏は足立区ご出身とお伺いしております。

貴殿の代名詞でもある爆発物(ニトロ)を手土産に、ぜひ一度ご挨拶に伺えれば幸いです。

どうか首をよくお洗いになって、お待ちくださいませ。

重ねてのお詫びとなりますが、

このたびは皆さまに多大なるご迷惑をかけ、誠に申し訳ございませんでした。

これに懲りず、ぜひまた台湾にいらしていただければ幸いでございます。

何をいまさらとおっしゃられるかと思いますが、

次こそ完璧な案内をしてみせること、この場を借りてお約束いたします。


2015年10月5日 いしまつ

       

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