Neetel Inside ニートノベル
表紙

ミシュガルド冒険譚・カレー味
二人の神

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 「はわわわ~~、出ちゃうであります~~~」
 謎のシルエットの生物が、顔面を歪ませて力んでいた。正直、本当に何の生物なのか分からない。ていうか顔面がほぼ本体となっている一頭身キャラである。一体誰が描いたんだ……何となくニコちゃん大王を彷彿とさせる。
 でもまあ、そんなことにお構いなしに、清浄の神・ウンチダスはウンチをその身からひりだそうとしていた。
 「はわわ~~、あともう少しであります~~」
 数万年に渡るウンチとの決闘。その長き戦いについに決着がつこうとしたとき、背後に突如として影が現れた。
 「へへ、させるかよ」
 ウンチダスは驚愕した。
 「お前は……ベンピデス……!」
 清浄の神・ウンチダスと汚物と混沌の邪神・ベンピデスは、ウンチを巡って数万年に渡る戦いを繰り広げていた。
 ウンチは汚いものだ。だが、汚い不要物質を排出することで体内環境を保ち、人間のみならず全ての生物は生きているのだ。その生物の根本法則が、ベンピデスによって乱されようとしていた。
 「一体、なぜここまで……?! 見つけられないと思っていたのに…! それに結界を破ってだと……!?」
 「そうカリカリすんなって。俺とお前、思い返せばもうずいぶん長くなるな……そろそろ仲良くしたっていいんじゃねえかな?」
 ウンチダスは驚愕と恐怖に身を震わせた。おかげで出かかったウンチは遥か彼方の闇の奥へ引っ込んでいった。
 ベンピデス――股間らしき場所に巨大な隆起。一歩ずつ近づいてくる。
 ウンチダスは逃げようとしたが、金縛りにあったみたいに体が動かなくなっていた。
 「いつの間に緊縛魔法を……しまった…!!」
 「間抜けな奴だな。お前が気張り始めたときには、すでに動けないようにこっちが結界を張っていたんだよ。テレポートで逃げられたら、また探すのが面倒だからな。まあ、そう緊張するなって。そんなんじゃ、出るものも出なくなるぜ」
 ベンピデスがウンチダスの背後に密着した。もうどうすることもできなかった。
 ベンピデスの勝ち誇った笑み。
 響き渡るウンチダスの絶叫。
 ウンチダスの意識が朦朧としていくにつれ、やがて世界は混沌に包まれていった……

       

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