優一の強く握った拳は今崎の頬にクリーンヒットした。
優一のパンチに刀で防ごうとしたが僅かに反応が遅れ
今崎の顔面はパンチの衝撃に歪み、メキッメキッと骨が軋むような音がした。
優一は腕を振り切り、さっきの刀で防いだパンチとは比べ物にならないくらいの衝撃を受け今崎は黒板に向かって吹っ飛ばされた。
「勝負あり……かな?」 (黒服)
「うっ……」(優一)
優一は全身の気が抜けた様に膝を地面につき倒れみ
変身は解け元に戻ってしまった。
ガッ…!!
黒板の方から物音が聞こえた。
「まさか……」(優一)
「ハァ…ハァ…」(今崎)
コツン…コツン
今崎が優一に向かってくる。
(ヤバい……もうピクリとも動かないぞ……) (優一)
今崎の足音は次第に大きくなり近づいてきているのが耳だけでわかる。
そして足音が止まった…
優一の目には恐怖で涙が浮かんでいた。
どうする事も出来ないこの状況に優一は現実から逃げる様に目を瞑った…