Neetel Inside 文芸新都
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食堂に着いた2人
真は少し考えて愛に尋ねた
「ちょっと待ってくれ」
「はい」
立ち止まる愛

「よく考えたらさ、天使ってお腹減るの?てか飯代は?」
「あ」
忘れていたようだ


「食い逃げじゃん!あぶねー、気づいてよかった」
「お腹は減りません、でも」
「でも?」
「全く食べれない訳ではありません」
「ん?」
どういうことだ?

「天界では、不自然にならない程度に
人間と同じ食事をするように言われてますが」
「うん」
「みんな、私が何者か分かったら
同じを質問して、ご飯くれないんです」
「へー」
そこそこひでぇのな

「だから」
じーっと学食の端のお惣菜パンを見つめる愛
「これ、食べてみたいわけ?」

愛は無意識だったのか(大変分かりやすかったが)
平然を装う
「いっ、いえっ、あの!バレたら大変なので!」
「大声出した方が余計にバレると思うぞ?」

急にしょげる愛

なるほどね、愛は嘘つけないのか

「ま、色々珍しい話聞けたし、今回はおごりで」
「えっ、いいんですか?」
口角が上がっている愛
「ん、いいぜ、好きなの選んでこいよ」
「やった!ありがとうございます!わーい!」
「黙って選べよ、恥ずかしいから」
パンで喜ぶってガキか

真剣にパン一つで悩んでいる愛を尻目に
食べ飽きた学食をトレイに乗せてゆく真

「決まったか?」
「はい!」
「‥‥ツナマヨパン?」
悩んでた割には、意外と普通すぎるだろ



ツナマヨパン、1個120円ナリ
「‥‥いいの?これで」

「私、ツナの味だけが想像出来なくて
油があってお肉みたいとも聞きますし、和風の魚風味とも聞きますし
そこにマヨネーズでしょ?
マヨネーズって卵とお酢と油で出来てるんですよね?
酸っぱいのかなぁ、やっぱり卵なのかな?」

ツナマヨパン一つをそこまで考えたことなかったから
何とも言えんが
「期待通りの味じゃねぇかもだけど、ホントにそれでいいの?」
「はい!」

んじゃ、買うか

俺はカツ丼大盛り380円
計500円だった




       

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