Neetel Inside 文芸新都
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「頑張ってることを後押しねぇ‥‥」
「俺が更に意欲が増すような‥‥」
黙って見守る愛

「手っ取り早いのは
さっきの沢尻先生からなんか教えてもらうかだな」
「沢尻先生?」
まぁ、最近真面目に頑張ってるわな

何かを思い出したかのように透は喋る
「さっきのテスト、どうだった?」
「予習してたから何とか」
「いーなー!あんな重箱の隅つついた様な問題、ひでーよ
お前、1人でサクサク解いてたみたいだけど皆唸ってたんだからな」
「そーなの?」
ちょっとマニアックな問題かなと思ってたけど
深く考えなけりゃ簡単なのに

「とにかくさ、沢尻先生の事なら上手くいくんじゃね?」
「例えば?」
「俺に聞くなよ、大学生なんだから、自分で考えなさいな」
ごちそうさまでした、と席を立った透

「んじゃ、俺、先生にコビ売ってくるわ」
「お前、そーゆーとこ相変わらずだな」
「ははっ、ちゃんとわかってるよ、じゃ!」
透はそそくさと行ってしまった

「沢尻先生か」
「さっき仰ってた『大事な講義』の先生ですか?」
「そーそー、心理にまで組み込んだ作品の読解が面白いからさ
だんだんマジになってきて」
「なるほど‥‥では、そこら辺で何とかしてみます」
「何とかって?」
「勉強が終わったら毎日、直帰されてるんですか?」
「いや、ここの図書館、結構いい本があって
そういえば、この前頼んどいた本が来てるから取りにいかなきゃ」
「分かりました。では午後の授業後、いつも通り、行ってきてください」
「え、それで、なんか起こるわけ?」
「行けば分かります」
悪意のない可愛い顔してキッパリと告げる愛
「分かった」

       

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