Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

「例えば、叶って欲しい『願い』があるとしますよね?」
「うん、あ、分かった。コレで願い叶えるんだ」

「いえ、天使は個人を努力なしに
幸福にしてはいけないことになってます」

「天使って幸せにしてくれるんじゃないの?」
「天使は努力してる人にしか笑顔はふりまきません」

「頭こんがらがってきたけど、あんたらの神さまはそんな冷たいやつなのか」
「いえ、神は全能です。神は『運』さえも左右します」
「よく分からなくなってきた」

「例えば‥‥世界には貧しくてどうしようもない国がありますよね?
努力どうのこうのじゃなくて」
「あるな」
「でも、人の幸福は規定量があるんです。
貧しい国では微量のお金でも幸せなんです
逆に豊かな国でも欲張りになって不幸に感じる人が出来ます」
「え、そうなの?」

なんか話がおっきくなってきた

「全部の国を見てる間はありません。忙しすぎて無理です
そこで天使の登場。天使は努力してる人の側へ行って
世の中が狂わない程度、その人を幸福にします」
「え、でも、そんなのしたら」
「察しがいいですね。天使同士では争いになってしまう
そこでその小瓶の登場です」
「コレ?‥‥え、そんな大事なの、コレ?」

黙って頷く天使
「マジ?」

「天使が察してこの瓶の色の濃さで願い事の強さを決めます
色が濃い方が優先して願い事が叶います」
「へぇー、この小瓶がね」
「その小瓶、最近もらったばっかりの1番色の濃い瓶なんです」
「あ、だから必死だったわけか」

なるほどねー

「じゃ、約束したし、そんな大事なの割っちゃダメだから返すわ
俺、持ってても意味なさそうだし?」
「ありがとうございます」

天使に濃い瓶を返す


       

表紙
Tweet

Neetsha