Neetel Inside ベータマガジン
表紙

ミシュガルド聖典キャラクター第八登録所
ザキーネ・パヤーオ

見開き   最大化      


     

 ザキーネは、セキーネなどの名前と響きが似ているが、それもそのはず、彼は兎人族である。生まれもピーターシルヴァニアン王国だが、10歳という早い時期にロリコンを発症してしまった。具体的に起こした事件は、各自の想像にお任せします。
 少年であるために、きつい罰則は免れたものの、その後の彼の生活は悲惨だった。一家は周囲から後ろ指をさされ、彼自身も学校でいじめられて不登校になった。そんな彼の心を癒してくれたのは、ロリエロ小説だけだった。やがて文字だけで満足できなくなった彼は、絵の練習を独自に始める。
 色んな絵を収集して、模写して過ごす毎日に、彼のロリコンはエネルギーの向ける場所を得たかに思われた。そのまま神絵師になれば、彼の人生はもしかしたらマシになっていたかもしれない。しかし、精霊のいたずらだろうか、彼の両親は、息子を恥じるあまりに二人とも自殺してしまう。しかも、その折に運悪く、自分で描いたエロロリ絵でオナニーしていた。
 当然、世間はそんな彼を許さなかった。自分たちは不倫モフモフとかしてるのに、ここぞとばかりにザキーネを取り上げて、あしざまに罵ったのだ。
 ザキーネも両親の後を追うことを一瞬考えたが、このまま死んでいくのはあまりにも癪だった。それに、神絵師になるという夢が、まだ彼を現世にとどめ続けた。
 彼はピーターシルヴァニアン王国を後にして、亜国(アルフヘイム)中を絵師遍歴の旅に出ることにした。彼も模写や自宅での練習に限界を感じていた。ネットも無い時代のことである。様ざまな対象(モチーフ)を追い求めて、実際に旅に出るしかなかった。幸い、両親の残してくれた財産もあったし、それが尽きるまでに絵の道である程度は稼げるようになる自信もあった。
 だが、そんな彼を待っていたのは、またしても世間の冷たい目だった。すでに噂はピーターシルヴァニアン王朝だけでなく、亜国中に知れ渡っていた。当然、彼はどこに行っても冷たくあしらわれた。亜国の画界も、そんな彼の絵を全くちゃんと見ようとしなかった。確かにロリコン趣味溢れる絵だと言えばそれまでだが、それ以上に愛のこもった絵であることは一目瞭然だった。だが、画界の批判は大衆に迎合して、ザキーネの絵をこき下ろすものだった。
 それでも、彼はいつか理解者が現れると思って、旅を続けていた。
 ある日、旅館に泊まろうとして、宿泊を拒否された。まあ、彼はそれにもはや慣れつつあり、それが悲しくも虚しくもありながら、また野宿をした。だが、翌朝起きてみると、スケッチブックがなくなっていた。あれには彼の全てがこもっていた。それに、新作の構想も描かれていた。次の新作は、ロリータ趣味よりも主人公の女の子の冒険と成長(性長も)の物語りとして、ザキーネの精神的成長(ついでに性長も)を示す、傑作になる予定だった。これは彼が昔読んだ小説の影響もあった。小説は読んでおくものである。
 だが、そのスケッチブックは、河原の側で無残な姿で横たわっていた。中のページはふやけて(おそらくションベンによって)ボロボロになっており、辛うじて残っているページにも「腐れポンチ絵乙ww」「ロリコンはシコって一生寝てろ」「スケッベブック」などのラクガキで汚されていた。さらに折れた絵筆や鉛筆、散らかった絵の具が散乱していた。
 彼は、この時だけは静かに泣いた。両親が死んでも泣かなかった。いつか両親を見返すほどの神絵師になってやる、という気概と若さの方が勝った。しかし、この瞬間に、それらは全て崩れ去った。
 もはや亜国を出るしかない……彼はそう悟った。
 まず目標としたのは、SHWだった。亜人である自分が、まさか甲国に行っても受け入れられるわけがない……だが、彼の予想は完全に外れていた。そう、作品を見ても、描いた人間が亜人か人間かなど、誰も分からない。つまり、甲国でも十分に活躍の場はあったのだ。
 だが、彼の心はあのスケッチブック同様、完全に荒んでしまっていた。しばらく、その絵の才能を買われてSHWに入国するも、SHWの拝金主義的な風潮は、文化に全く向いていなかった。リアルで威厳のある肖像画ならともかく、彼の得意分野はポンチ絵……とても当時のSHWには受け入れられなかった。
 そんな金にもならないことやって、何が楽しいの?
 平等主義のはずのSHWでも、そんなことを言われる日々が続いた。それでも、彼はロリコンを止めなかった。むしろ、だからこそロリコンにのめり込んで行った。思わず画界で「女は初潮前が一番うまい」などと発言し、クラーケン新聞に叩かれてしまう。彼としては自分の正直なことを言ったまでだが、それは世間一般からすれば大失言だった。さっそく、ザキーネ叩きが始まった。もちろん、ザキーネの亜国での評判も取り上げて、クソミソに叩いた。「性欲の権化の兎人族からも追放された!? ザキーネの恐るべき所業!(ほとんど創作記事)」
 SHW国民「兎人族の上に、しかも幼女に欲情するとか、もうただの変態じゃん……そんな犯罪者を入国させんなよ。犯罪者は甲国行けよww」
 そんな声を浴びていくうちに、ザキーネはSHWにも居づらくなってしまった。だが、逆にこの失言が彼を苦境から救い出すことになる。
 この報道を、面白おかしく読んでいるものが甲国にいた。そう、エロいのが大好きなクンニバル男爵である。貴族で物好きな彼は、早速ザキーネを招聘、思いのまま絵を描かせることを約束した。最初、ザキーネは夢かと思ったが、クンニバルは本気だった。
 甲国では、かなり前に首都マンシュタインでローパーの大軍が出現し、人々を襲うという事件があった。それ以降、なぜか性産業に目覚めた甲国は、様々な風俗業が発展した。それまで性というのは恥ずべきものとして隠されてきたのだが、この首都でのローパー襲撃事件をきっかけに、ある種の開き直りのような精神が芽生えた。それが性産業として花開いたのだった。だが、それでも限界はあった。
 まず、甲国は軍事国家で、極端に男らしさを強調する文化を持っていた。そのため、女性に対しても女性らしさを求め、その結果、あくまでノーマルな趣味に留まるものであった。また、戦争や災害、飢饉で減少する人口を補充するため、あくまでセックスは出産と結びつけられる傾向にあった。また、女性は戦士に対する報酬である、という考えも、完全に捨てきれていなかった。
 だが、このクンニバル男爵は、いち早くその矛盾に気づいていた。「性は性として楽しんでもいいのではないか……」もちろん、貴族ゆえに大っぴらには出来なかったが、それを金をかけた秘かな趣味として楽しんでいた。
 そこに、この新聞記事である。「女は初潮前が一番うまい……名言だな、これ」そう思った男爵は早速ザキーネを招聘したというわけである。
 ザキーネも最初は半信半疑だったが、やがて男爵の志が本物だと分かると、今まで以上に神絵を量産しまくった。
 これはあらたな刺激を求める甲国人に受けまくった。セックスにはじめてインモラルな快感というのが加わり、甲国はそれに湧きたった。
 だがザキーネの心は、売れれば売れる程、逆に不安が増していった。
 もし、自分が亜人だと分かったら……この人気を失うのではないか……
 ザキーネの問いに、男爵は答えた。甲国には、国家特定亜人という制度があることを。特に貢献著しい亜人に対しては、準1級市民権が与えられる。通常、亜人は二級市民までだが、まだ1級市民にはなれないとは言え、それなりの権利を認められるというのだ。それに、どうせ作者のことなんて、黙っていれば誰も分からないよ――
 ただ、それには兵役の義務につくことが求められた。市民たるもの、甲国軍に尽くすのは当然の義務というわけだ。
 甲国の中には黒羊軍団(通称ブラックシープ)と呼ばれる、亜人だけで構成された部隊があった。むろん、所々で人間の監視が入るものの、差別をそれほど気にしなくて済むという利点があった。そこで、彼は更なる性癖、ケモナーを取得した。今までは、ほとんど引きこもって絵を描いていただけだし、亜国では差別されるだけだった。ところが、皮肉にも差別主義の国ではうまく溶け込むことができてしまったのだ。ケモナーにロリ……ろくでもない性癖を二つも手に入れた彼は、そのうち仲間内の絵師と語らって、さらなる禁断の扉、リョナを開いてしまう。この頃になると、男爵との行き違いも大きくなってきた。男爵はあくまで性がテーマであり、リョナは暴力の表現であるとした。しかし、ザキーネにはその境界を乗り越えることこそ、表現の自由だとする信念が、皮肉にも男爵によって芽生えていた。
 だが、多少の行き違いはあったものの、やはり男爵はザキーネにとって恩人である。そんなに強いことは言えなかったし、彼は生来の芸術家でもあった。いつか作品で男爵をあっと言わせてやろうと思っていた。
 そんな中、ついに始まったアルフヘイムとの全面戦争である。
 ザキーネは男爵と共に、アルフヘイムに渡った。準1級市民としての義務を果たすために、そして秘かに湧き上がる復讐の念を遂げるために。
 もう今はか弱いロリコンではない。武器はロリだけではなかった。リョナも、ケモのある――きっと、ここでの経験を生かせば、すごい作品が出来るだろう……彼の頭の中に、あの捨て去られた新作の構想がよみがえった。
 僕の最高の作品、今こそ見せてやるぜ……

 分かりにくいかもしれないので、彼らの関係を整理しておこう。クンニバル男爵(後に登録予定)は少将として一軍を率いている。その下にいくつもの部隊があり、その部隊の一つを指揮するのがバルザック中佐(後に登録予定)。ザキーネはバルバロッサの下で、地理関係の知識を提供したり、奴隷の選別などを行ったりする役割を果たしている。地位としては中尉で、調査団長という肩書である。様々な魔法に関わる文物、自然物を、スケッチなどで残して報告書を送る、というのが、本来の仕事である。調査団の中には、人間だけでなく、他の亜人もいるかもしれない。(これもできれば後で登録予定)
 あと、兎人族としての脚力を利用しての、険阻な地形での行軍をこなすなど、意外と肉体派のオタクである。兎面の兎人族のキック力は人間の8倍。芸術家として暮らしていたため、キック力は劣るが、それでも人間の7倍ほどの脚力を持つ。某ハイム先生に尋ねたところ、「兎面の兎人は最低でも7倍の脚力はある。これはどんな怠惰な生活をしていても種族値としてそれくらいある」ということだそうだ。彼は兎人族の専門家であり、これはほぼ間違いない事実と見ていいだろう。さらにハイム先生によれば、「兎面の亜人は100メートル2秒台で走れる」そうなので、彼も3秒台くらいでは走れるということだ。え、こいつ、ダニィやディオゴより強いの……? ロリコンって怖い……
 また、亜人のクセに甲国の亜人と亜国の亜人を分けて考えており、亜国の亜人はロリ以外滅ぼすべきという偏った考えである。ちなみに上司のバルバロッサは芸術なんて興味なく、純粋なビジネスとして、集めた奴隷をちょろまかして勝手に売ったりして、金を稼いでいる。
 独自の絵画ブランド「プリンセス・チブリ」を作りたいと思っている。そのためのスタッフを、現在絶賛募集中! 我こそは、と思う猛者は、すぐに応募しよう!
 ちなみにサンリ・レッテルン君とは、年の差があるにも関わらず、マブダチである。最近はロリババアはありかなしか、という議論でオタトークに花を咲かせながら、美味いワカメ酒(意味深)を飲んでいる。
 バルザックについては、上司だが所詮はヤクザ上がりのギャンブル狂で、自分の芸術を理解できないクソ野郎だと内心思っている。

 セリフとか
「まず、ここに人参があります。これは男根のメタファーですね。そしてここに鉛筆があります。つまり男根のメタファーですね。さらに、絵の具があります。これはしごくと中身が出てきます。つまり、男根のメタファーですね。あそこを見てください。精霊樹がありますよね? そう、あれも男根のメタファーです。お分かりいただけただろうか、男根はこの世を支配しているということを……」
「だから、創作者は知っていなくてはならない。ロリマ○コがどれくらいの締め付けなのか……中に出すと、どうやって我慢汁が溢れてくるのか……観察して、知っていなくてはならない……」
「アルフヘイムの亜人は芸術を理解できないゴミ民族。すぐに消毒しよっか。大丈夫、君たちは僕の芸術作品の糧として、永遠に生き続けるから……」
「まずは簡単に十字でアタリを取ります。そして肉付けすると……ほら、幼女の完成! ね、簡単でしょ?」
「あのね、金のために芸術があるんじゃないんです。アートは、アートとして、そこにある。ただそれだけなんです」
「ああ、やばいやばい! 我慢汁という名のアイデアが止まらないよぉ~~~!!!」

 使用・改変……全て自由。戦争で死亡可。

       

表紙

ミシュガルド参加者 [website] 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha