Neetel Inside ニートノベル
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 獣神帝ニコラウスには信頼に足る3人の部下がいた。獣神将と呼ばれ、ニコラウスに忠誠を尽くす。天空浮遊城アルドバランでは直前までホロヴィズとの同盟について、獣神将が諫言していた。
「ククッ、まさかホロヴィズがあの条件を飲むとは。あなたは不服そうですね、エルナティ。」
 エルナティと呼ばれた黒い髪と翼の少女が、不満を漏らす
「また外来種と同盟を結ぶなんて。あんな奴らは駆除すべきよ」
 ロスマルトが反射的に罵倒する。
「うるさいぞ、バカガラス。お前はバカなんだから、考えることはニコラウスとペペムムに任せとけ」
「あんただってバカでしょ」
「雌カラスめ、お前から先に殺してやろうか」
 ニコラウスは喧嘩する二人を放っておき、式典会場を設営している細身の少女に意見を求めた。青い髪から飛び出したネズミを連想させる大きな耳、神経質そうな眼鏡。この少女が獣神将のブレーン、ペペムムである。
「私も反対。この話を持ってきたのは、あの下品なげっ歯類だし信用が置けないわ。ドブジンルイは絶対に何か企んでるわよ」
 てきぱきと使い魔に指図する合間に、ペペムムは推察する。
「まんまとおびき出されているとも知らずに、罠にハマるのは向こうですよ。猟師は獲物を殺す瞬間、舞い上がって油断するものです」

       

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