Neetel Inside ニートノベル
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「もしもし、私メリーさん。今駅前の広場にいるの」
「じゃあ今暇? もしかして会える?」
「え? え?」
女の子から電話が来たので速攻でアポを入れた。俺の電話からオフパコまで持ち込むスピードは音速を超える。
「駅前だね、ちょっと待ってて。3秒で着くから」
「ちょっと待ってよ、あんたが来るんじゃなくてあたしが行くのよこれから!」
最後の方はなんて言ってるかよく聞こえなかったが、きっと来るのが嬉しいとかそんな感じだろう。俺はポジティブに考えると早速オフパコの正装に着替え始めた。由緒正しいチェックシャツを羽織ったTシャツにジーパン、肩掛けの黒いカバンとバリバリのサイフで武装。ついでに食べログをチェックして近場で高評価の飯屋を探す。一番人気は……イタリアンか。

駅前についたが、それらしき人影はない。おかしいな、流石にこんなクソ田舎にフランス人形みたいな女の子がいたら即座に分かると思ったんだが。
と思ったら着信。手に握りしめていたスマホを確認もせずに音速で出る。
「もしもしメリーちゃん?」
「もしも……ちょっと先に言わないで! 私が」
「今どこ? 会えないの? 会えるの? ご飯食べた? ちょっといいイタリアン知ってるんだけど行かない?」
「今あなたの後ろよ! ちゃんと話聞きなさいよ全く」
俺は振り返るなりメリーさんの身体を抱き上げ、音速でサイゼリアへ直行した。
「ちょっと! 離しなさい! いや離さなくてもいいから私をちゃんと見て!」
背中を叩きながらメリーさんが何か言っている。きっと俺と会えたことが嬉しくて感動を伝えているのだろう。

サイゼリアで腹拵えの後(メリーさんの日替わりデザートとドリンクバーは奢った。オフパコの礼儀として当然だ)早速部屋に誘ったところ、二つ返事でOKが返ってきた。チョロい。ちなみに食事中必死に場を盛り上げようと話題を展開した結果、話題は既にデッキ切れになっている。話すことがないなら後は身体と身体のお突き合いをするだけだ。俺はメリーさんの手を掴んで音速で自宅を目指した。

オフパコ終了。音速でイった俺は軽く後始末をする。
「ようやく私を見……ってちょっと!」
俺はメリーさんを部屋から放り出した。何かわめいているが、ヤリ捨てされた女の怨嗟の声など聞く価値がない。俺はバカッターの巡回に復帰した。次は誰に会えるかな〜。
「見てよ! 私を見てくれないとあんた殺せないでしょ! 見てよー! コラー!」

       

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