「どしうたの?」
「出た!」
「何が?」
「オバケが!」
「……」
「ホントだって!」
「ユイなら聞こえただろ、オバケの声が!」
「ここには私とルドルフしか居ないよ?」
「嘘だ!」
「ほんとだよ、こんな小さな遺跡なら全部聞こえるもん」
「でも…」
「あれ、何持ってるの?」
「鍵だってオバケが……」
「鍵? これが? でも綺麗! キラキラしてる!」
「そうだ、箱を開けたらいつの間にかオバケに囲まれてて……」
「まだ言ってる、意外とルドルフ怖がりなんだ~」
「ちがう!」
「そろそろ帰ろ? 門限までに帰らないと怒られるよ」