Neetel Inside ベータマガジン
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ミシュガルド落書き置き場
ハミルトンのみる☆みる魔法研究日記

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 みる☆みる研究FILE001 ―腐森―

 本日はアルフヘイムの禁断魔法爆心地、通称「腐森」の地質調査をアルフヘイムの人と合同で行いました。地域によっては「死灰の地」とも呼ばれているそうですね。
 禁断魔法…それらしきものの存在は数々の文献でも確認されましたがまさかあれほどの魔法とは…。だからあまり追い詰めすぎるなと進言したのに。これでクノッヘンのお坊ちゃま、いや皇帝陛下も少しは懲りてくれればいいのですが。
 禁断魔法自体も非常に興味深いのですが使用者のニフィル・ルル・ニフィー氏は禁断魔法のことも当時のこともあまり話してくれません。検証しようにもあの規模の魔法を発動すればまた多くの命が奪われる可能性が高いですしそもそもニフィル氏が使いたがらないので悔しいですが禁断魔法の研究は我慢です。
 考古学者のハルドゥ・アンローム氏が禁断魔法の魔導書の解読に成功したとのことですが彼は今どこにいるのでしょうか?是非ともお話を伺ってみたいのですが現在行方不明だそうですね。ミシュガルド大陸の秘境でそれらしき人物を見たという情報もありますが…。

 さて、地質調査の結果ですが簡潔に述べると彼の地では精霊の活動を示す「精霊力」が全く検出されないのが特徴でした。
 精霊を否定し精霊に見放されたと言われるダヴ大陸(甲皇国)ですら少量とはいえ精霊力は検出されるのですが、腐森では完全にゼロ。これは腐森地域の精霊は完全に死滅していることを意味しています。
 かつては「精霊国家」と呼ばれ、精霊の加護を世界一受けていたアルフヘイム大陸で精霊が死滅するなど尋常じゃありません。
 しかし「アルフヘイムの夫婦神が国土の破壊を防いだ」なんて噂もあるのでむしろ精霊の加護を受けたアルフヘイムだからこそ、国土の三分の一程度の被害で済んだのかもしれませんね。
 もしこの予測が正しいのならばミル達の住むダヴ大陸のような精霊の加護に乏しい地で、大戦時と同じ威力の禁断魔法を放てば大陸そのものが綺麗さっぱり無くなってしまうことも考えられますね…気をつけなければ。
 アルフヘイムの学術院によればこの「腐森」はあらゆる手を尽くしたがどうにもならず、この先100年はずっと不毛の地のままだそうで、ミシュガルド大陸のアルフヘイム調査団の方々が最後の希望らしいです。頑張ってください。
 …でもミシュガルド大陸にも存在すると言われる精霊樹に関してはミルの研究対象の一つなので一本くらいは譲って欲しいものですね。ミルの方が魔法素人の丙家よりは有効活用出来るはずですし。

 アルフヘイム側から派遣された研究員はラミー・ゴールドトリム氏。アルフヘイムの魔法研究施設の職員をしているエルフの方です。
 流石は精霊国家アルフヘイムで魔法を研究しているだけあってその知識はとても豊富で、甲皇国内では不可能なほどレベルの高い情報交換ができて非常に有意義な時間を過ごせました。
 彼女も禁断魔法を研究して周囲1~2キロを焼け野原にする強力な魔法を使えるそうです。戦闘用の魔法は出来れば使いたくない部類の魔法ですが、どんな術式を使っているのか、どうやってそこまでの力を引き出すか、など気になる部分も多いですね。また機会があれば詳しく教えて頂きたいです。
 やはり魔法の研究にはアルフヘイムとの和平は絶対条件ですね。
 アルフヘイムとの和平が実現すればミルの魔法研究が進むだけでなく、罪の無い国民の方々も血を流さずに済みますし、甲皇国・アルフヘイム両国共に更なる発展を期待出来るというのに…。
 嗚呼、ピースフェアリー様。どうかあの蛮族共に平和の素晴らしさを説いてやってください。

 …それにしても「トネリコ峰」のアルフヘイム中央図書館まで消えてしまったのは残念でなりませんね。あそこには魔法先進国アルフヘイムの貴重な書物が山ほどあったというのに!
 それもこれも全ては丙家とあのホロヴィズのクソガキのせいです、腹立たしい!思えばあの悪ガキは昔からどうすれば亜人を滅ぼせるか、そんなことばかり話していましたね。
 クノッヘン陛下ですら幼い頃はもう少しかわいげがあったのですが…。

 とはいえ何十冊かは無事にミルの手元にあるのでそこだけは不幸中の幸い、ですね。
 実は戦時中、丙家監視部隊の方々を通じてアルフヘイムと取引をして何度か中央図書館の魔導書を譲り受け…おっと、これはオフレコですよ。

 まぁ過ぎたことですし、気にしない気にしない♪

       

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