たどめは息ができなくなった。透明の硬いゼリーのようなものに体と口を圧迫され、息ができない。
たどめは恐怖に襲われた。このまま死んでしまうのではないか。暴れれば暴れるほどに、肺が酸素を欠乏し、胸が苦しくなる。目の前にノイズが出て、目の前が真っ暗になろうとしたその時、
タコが苦しみ始めた。そう、幻求は先ほどの観客の「感動」、つまりたどめの勃起によって起きた「感情の動き」によって、ダメージを食らったのだ。
たどめは苦しみから解放され、空氣を吸った。まるで何時間も空氣を吸ってなかったような氣分であった。そのとき、たどめは自分がとんでもない高さにいることに気付いた。
タコは半透明なので、まるで自分が空中に浮かんでいるかのように錯覚した。
ーーーやばい
たどめはパニックになりそうになったとき、あることに気付いた。
目がすぐそばにある
幻求は、大概の個体が半透明な個所と、不透明な個所を持ってゐる。これはまたとないチャンスだ、目玉を攻撃することで、大ダメージを与えることができる。
たどめは幻求の目玉に近づき、パンチをお見舞いした。幻求は咆哮をあげ体を大きく揺らした。
ーーーやばい
たどめはそのぬるぬるした体で滑り、落とされそうになった。これは墮たらひとたまりもない肉塊と化すだろう。ぼくの可愛い体もめちゃくちゃになってしまうかもしれない・・・
そんな思いとは裏腹に、幻求は大きく体を振った。たどめは飛ばされたが、すんでのところでタコの足にしがみついた。
ほっとしたのもつかの間、たどめはタコの足にしがみつきながら、滑って堕ちていった。
ーーーーー命の危険だというのに……
堕ちれば墮るほど、下半身はいよいよ硬くなっていった。タコの足で滑りながら、たどめの股間が絶え間なく刺激されていた。+、死の恐怖で下半身が元氣になってしまったのだ。
たどめは焦った。おたまの中が熱くて可笑しくなってしまう。たどめの頭の中で白い火花がいくつも散っていった。
その時、肛門が熱くなったことを感じた。
奇跡
たどめはタコの足の尖った部分に肛門が引っ掛かり、墮ることを免れたのだ。
しかしたどめは反射的に焦った。肛門に急に物体が入ったら、逃げようとするのは生命的本能……たどめは必死に足を上ろうと足をつかみ、少しづつ肛門の物体から脱出していった。その時、たどめは不覺であった。
脱出するときにしがみついてた足に、股間が強くすられていたのだ。たどめは、物凄く切なくない気持ちになった。これは、もうだめだ。たどめの思考はすでに射精へと向かっていった。
肛門からタコの足が抜けた時たどめは、射精した。
ドク……ドク……
たどめは射精の心地よさに身を任せしばらくぼうっとしていた。
射精が落ち着き、周圍に気を戻すと。観客の笑い声が聞こえた。
「お、おい、あいつ射精してやがるぜ!!」
たどめは完全に目を覚ました。慌てるが、射精は止まらない。
ーーーーやだっ!やだっ!
たどめの目が潤む。観客は爆笑の渦だ。
たどめは、悔しくなった。みんなのために、みんなを救おうとして頑張ってるのに、なんで笑われなきゃいけないんだ……
怒りと、悔しさと、虚しさで、たどめは、大泣きした。
射精しながら、大泣きした。
その時
パン、っという音でタコが弾け、
たどめは地上へ落下していった
≪つづくかな≫