つぐみが三度鳴いた。きっきっきっ、と聞こえた。ずっと昔に始まったインデントの終わりを告げるみたいに響いた。
 全てが終わったのだ。全てが夢のように消え去り、誰もが誰もを忘れたように現実に戻って行く時が来たのだ。おもちゃ箱がそっと閉じられて、執行猶予がついに無くなり、皆がまともに戻る時が来た。雄の三毛猫は適正な確率で生まれ、宇宙の外には何もない世界に戻ってきた。
 僕のバイト先がある世界に。全ての人がありとあらゆる考えを持ち、それがあの糊によって統合されていく世界に。笹崎のことをみんなが忘れる世界に。