Neetel Inside ベータマガジン
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★新都社11周年記念・作品感想企画★
少年・果耶ちゃんはやり直したい

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【雑誌】少年VIP
【作品タイトル】果耶ちゃんはやり直したい
【作者名】倒錯れず
【作品URL】http://neetsha.jp/inside/comic.php?id=18924





【新都社ならでは】
 唯一の親友との友情が壊れてしまった少女が、タイムリープして過去をやり直そうと奮闘する話。
 まず目につくのが「いかにもマウスで初めて漫画描いてみました」という感じの絵。
小説作家さんが漫画に挑戦するケース増えているのかな?
 さて、この絵だけを見てブラウザバックする読者も相当いるだろうが…。
 ちょっと待ってほしい。もったいないぞ!
 新都社においては「格闘の丼」という古典的名作がある。
 本作はそれを彷彿とさせ、はっきり言えば低画力だが、「格闘の丼」並みの名作になる可能性がある。
 描き続ければ絵は上手くなっていくと思うので、ぜひ読者は読み続け、作者は描き続けて欲しい。
 新都社はこういう低画力漫画でも面白ければ評価する読者が非常に多い。
 そしてコメント欄で褒められれば褒められるほど伸びるタイプの作者のように思う。
 実際、コメント効果のおかげだろうか、話数を重ねるごとに作者が絵を描くことを楽しんでいる様子が見てとれる。
 5話では果耶がコスプレする絵を見せてくれたが、1話に比べても僅かながら上手くなっていて十分これで萌えられる。
 読者と作者の好循環が出来上がっているようだ。
 

【文章は上手いがちょっと多すぎる】
 倒錯れず先生は小説も書いているらしい。通りで、文章が上手いはずだ。
 だからこそだろうが、漫画というより小説を読んでいる気分になる。
 私も覚えがあるが、小説作家が漫画を描こうと試みる時、漫画にする内容をいったん小説で書くことが多いようだ。ネーム代わりに。
 「本当にあった後藤健二の話」でいえば、その元となるテキスト量は本編の約3~4倍程度。つまり本編で見せたのは削りに削った文章量に過ぎない。それでも初期は毎回のように「文章が多い」と言われていた。
 本作でもそんな漫画の描き方をしているのか、余りに文章が多い。恐らく、元となる小説を削らずにそのまま出している。
 私ならこれは半分程度に縮める。
 小説を読みなれている人なら別に気にならないが、漫画しか読まない人にはちょっとだけキツイ量だ。
 それでも文章が上手いから読者はついてきているが、全然まだまだ削れるはずだし、削って読みやすくした方が読者は増えるだろう。
 漫画なのだから絵で見せるように頑張って欲しい。
 誰かに言われたことだが、1コマには3行以上の文章は入れないようにすると快適に読める。
 小説書きが漫画を描くようになる一番のメリットは「文章を要約するのが上手くなる」ことだと思う。
 頑張ってほしい。
 

【いつ鬱展開になるのか…?】
 ストーリーは興味深い。
 誰しも失敗することは多いし、「あの時に戻ってやり直せたら」というのは覚えがあるだろう。
 やり直しのチャンスが実際に与えられ、果耶の状況は読者には羨ましく感じる。
 にも関わらず、不吉な暗転、今後の鬱展開を想起させる文章が並ぶ。
 このあたりの見せ方は上手いと感じた。続きが気になる話の切り方をしている。
 ただ1~6話までずっと「これから悪いことが起こりますよ」と暗示するだけで、同じような切り方なのは頂けない。文章と同じく少々くどいというか飽きる。せいぜい3話ぐらいにしておいた方が良かっただろう。
 でも次回あたりで、1話で言っていたように「悪夢」のような未来以上に酷くなる展開が見られるのかもしれない。
 期待である。


【追記】
 14日に7話が更新された。
 更新ペースが速くて素晴らしい。
 ううむ、アリクイさん(メガネの委員長)は可愛く描けてるけど、ちょっと引っ張りすぎかな? まだ友情が壊れる核心には触れられていない。
 でもくどいというより丁寧な話運びとも取れる。どうなるどうなる?
 委員長が「遥ちゃん」と呼ぶところに何かヒントがあるのだろうか?

       

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