Neetel Inside ニートノベル
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デェーとティー
セックスチャンスは突然に

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 猛暑でミンミンと蝉が死に続ける団地の駐輪場。長すぎてダレてきた夏休みもとうとう最終週になった。中学時代の癖で生真面目にやっておいた宿題の事なんかを思い出しながら玄関を開けると
ドアを開けた間から見えた居間の真ん中で父ちゃんと母ちゃんがイチャコラやっていた。

「お、おうダイスケ早かったじゃねぇか」母ちゃんに服の上から抱きついていた親父が腕を離して母ちゃんがソファの上にとん、と座ると俺はふたりと視線を合わせずに塾帰りのバッグをテーブルの上に置いた。

 母ちゃんが病院を退院して早一週間。再び家族4人で暮らすようになってからこの夫婦は俺ら子供達が居なくなる隙を見計らってはどったんばったん大騒ぎをおっぱじめてる。やれやれ。俺は冷蔵庫を開けてキンキンに冷えた麦茶の瓶を取り出した。

 若かった頃を思い出して久々に抱き合って燃え上がっているのは分かるが俺ももう高校生である。16も年下の弟妹など欲しくはないのである。最初は控えめにしていたのだが開き直ったのか、最近は当たり前のように部屋のゴミ箱に避妊具の殻なんかが棄てられていた。

「もー、ダイちゃんびっくりさせないでよー」母ちゃんが乱れた髪を手櫛で直しながら俺に向かって笑い声を出した。「早く帰ってくるのが分かればラインの一本でも入れればいいのにー」

「悪い。俺ラインやってないんだ」麦茶をコップに注ぎながら俺は母ちゃんに素っ気無く答えた。母ちゃんが身体の病気で入院したのは俺が中学3年の受験日だった。

 試験中に母が倒れたと連絡を受けた俺はその日試験を受けていた第一志望のガリ勉高校に行くべきではないという神の啓示を受け、今のイケテナイ自分から変わるべきだと考え、偏差値の低い今通っている底辺高校に進学したのだけれどなんかこう、いまひとつ垢抜けず、変われない自分に苛立ちのようなモノを感じていた。

「おい、ダイスケ。明日行くぞ。用意しとけ」父親としての威厳を保つようにシャツの襟元をたぐった親父が俺の背中に声を掛けた。

「行くってどこ行くんだよ?」俺が訊ねると母ちゃんが俺を見て微笑んで親父が煙草に火を着けた。

「母ちゃんも戻ってきたしオメーらが子供の頃みたいに家族でキャンプでも行こうと思ってな」

「はぁ?もう子供じゃねーし!現役DKだし!てか月子はどうすんだよ?今、中3で週明けから学校だろ?」

「…ただの一泊二日の旅行よー。いいじゃないの。お勉強ばっかでたまには気晴らしにね?」

 憤る俺に母ちゃんがなだめる様に目を細めた。けど、さすがに高校生になって家族でキャンプ行くのは恥ずかしすぎる。メシを食いにいくのはタダで腹をいっぱいに出来るという大義名分があるけど、キャンプはねぇ…

 俺がごにょごにょ口ごもっていると月子が帰ってきてふたりがキャンプを提案すると月子は黙ってそれを承諾した。そんでキャンプが始まった。


「おーし、着いたぞ。ここにテントを張る。ダイスケ、手伝ってくれ」「おう」

 郊外にある山奥に用意されたキャンプ用の空き地に車を停めた親父が俺にテントを固定する杭を地面に打つように指示を出した。俺はハンマーを片手に車内でずっと大人しくスマホを眺めてた妹の月子の表情をチラ見した。最近月子はどこか元気がない。

「痛ぇ!」俺がプラスチック製のハンマーで指を殴打すると親父が俺に耳打ちをした。

「それでな、ダイスケ。俺は今夜母ちゃんとデートしてくる。今日一日、お前と月子、このテントで一緒に寝ろ」

「は、はぁ!?何行ってんだよ!俺はもう高校生なんだよ!こないだまで犯そうとしてた妹とこんな即席の密室で過ごしたらどうなるかわかんねーだろ!」

「強がるなダイスケ。お前は月子に対してそういった感情は最初から持っていないはずだろ?」

 俺と親父は手を止めてかばんからハンゴーを取り出した娘の姿を眺めていた。前髪が口元に垂れてワンピースの腋に流れる汗を真夏の太陽がセクスィーに照らしている。

「ダイスケ、俺はお前を信じている。お前ももう高校生だ。善悪の区別は出来るだろ?男と男の約束だ」

 真顔で俺を見つめる親父の視線を受けて俺はそれとなく頷いた。やれやれ、この親父、こんな山奥まで連れてきた子供ふたりを遠ざけやがって。そこまでして母ちゃんを抱きたいのか。

 俺が事の詳細をかいつまんで月子に説明するとイヤだとか、きもいとか、氏ねだとか言われたけど、結局は夫婦水入らずの時間を作ってあげたいと折れて俺と同じテントで一夜を過ごす事を受け入れた。

――その後食料調達を兼ねて清流に釣りに行ったり、釣れなくてハンゴーで米を炊いたり、カレーを作ってこぼしたりをして過ごすとあっという間に夜が来て俺と月子はふたりでテントの中に入った。

 テントの中はホント狭くて2畳くらいのスペースにふたりの所持品が入ったかばんやその他のキャンプ道具が置かれているから、十分に足を伸ばすスペースが無い。先にテントに入った月子がガッツリと荷物でバリケードを作っていると思っていたが月子は入り口と反対側を向きながら横になってスマホでハム速を眺めていた。

 女子のオイニーが濃縮された密閉空間。何も思うことは無い。妹とふたりでテントに入るだけだ。気持ちとは裏腹に心臓はドッドッドッドッド、大型バイクのエンジンや○ンパンマンのキ○グのように速いテンポで脈を打ち始めていた。

「ねぇ」月子が視線を上げずに入り口の俺に言った。「蚊が入ってくるから入るなら早く閉めて」「お、おう」俺はテントの入り口のジッパーを上げると大げさに「あっあ~今日は一日疲れたなぁ~」と伸びをしながら手前側に横になった。

 視線を横に向けると月子の透けたブラ紐が目に入って慌てて目線をテントの上に付けられたランプに移す。無言の空間が微妙な年頃である兄妹の隙間を流れていく。

「な、なぁ!今日は楽しかったか!?」「…何が?」「ほ、ほら、久しぶりのキャンプだったろ?母ちゃんが入院して家族4人でこんなトコくんの久しぶりだし!」「…うん」

 歯切れの悪い会話のリズムを破るように月子が寝返りを打ちながら俺に言った。「一応言っとくけどさ」「な、なんだよ」「ナニかしたら私、絶対あんたの事許さないから」

 月子の真っ直ぐな瞳を見て俺は胸の鼓動が更に早くなる。俺の下心が地面を伝って妹に勘付かれていないか心配だ。「充電なくなっちゃった」携帯を放り投げるとしばらくして月子の方から細い寝息が聞こえてきた。寝付くの早っ!

 …入学して4ヶ月。夢見た高校生活には一切JKとの交流はありませんでした。垢抜けようとはっちゃけるも、結局は陰キャポジションに収まってしまう始末。神様もういいでしょう?僕は、妹を経て男になります。

 決意を固めてゆっくりと身体を起こすと俺は静まった辺りをテントの布越しに見渡して仰向けになった月子のおっぱいの上に手をかざした。呼吸のタイミングにあわせて手の平が触れないように上下させていると昼間に聞いた親父の声が耳の奥で響いた。

「男と男の約束だ」

 俺は振るえる手の平を一度持ち上げるとその手で額の汗を拭って大きく息を吐き出した。ふぅ、馬鹿馬鹿しい。幼少の頃からずっと一番近くで見てきた妹に性的な興奮を覚える訳は無いのだ。

 いくら女とヤりたいからと言って初体験の相手が妹なんて事はありえない。例えるならリボンをつけた自分と性交をするようなもの。俺はギンギンに勃起したまま四つんばいでテントから出ると人気のない場所で“気晴らし”をして、頭を覚ますためにズボンに両拳を突っ込みながら夜道を歩き始めた。

 ふと道路脇を眺めると見覚えのあるナンバーの車がハザードを出して止まっている。俺はその車内で野獣の様に抱き合う夫婦の姿を見て嫌気が差して妹の眠るテントに戻った。


       

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Neetsha