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   『第十二話~第二十九話   『仙薬』編・幻獣救出戦線』

   アルムエルド
 種族・混合二種ダブルミックス(妖精種・魔性種)

 喧嘩好きで外界を出歩く極めて稀有な妖精。今回もその一帯を根城にしていると噂されている強大な人外との喧嘩の為にやって来た。
 勝敗にはなるべくこだわるが、死に直面するまでの深い仕合は望んでおらず、戦術も相手によって奇策絡め手を考えて練り上げていく頭の冴えもある。
 『仙薬』の一件にて巻き込まれた中で出会った幼き白銀の少女を切っ掛けとして、彼の真名アルヴの本質による『反転』現象はアルムエルドの性質を魔性種へと変転させた。
 『反転』によって外見が褐色肌、赤茶色の頭髪など大きく変化した上に人外としての性能も魔性の力を得て強化された。


   白 (しろ)
 種族・幻獣種

 『仙薬』を生み出す為に利用されていた白銀の少女。真名ユニコーンにして、その一角に宿る万病を癒す霊薬の効力を悪用され続けていた。
 ユニコーンの起源を基に、その身体にはあらゆる毒性を打ち消し浄化する能力が備わっている。それによる解毒で、アルムエルドは白への恩義、そして保護と銘打った忠義に至った。
 戦闘能力はほぼ皆無だが、幻獣種本来の形態(小柄な白銀馬)へ変化することで多少ながらに能力は向上する。
 事件解決と同時、アルムエルドに連れられ妖精界で保護、養生に努める。


   音々 (ねね)
 種族・魔獣種

 ユニコーンを悪用した『仙薬』の一件に関わっていた人外。組織の一員として従事しているように演じながらも、白の身柄を救出すべくして機会を窺っていた。
 退魔師の襲来を好機と捉え白を助け出そうとしたところをジャドの毒に侵され瀕死に至るが、アルムエルドに救出された白によって解毒を施され一命を取り止める。
 以後、アルムエルドと同様に白への恩義を覚え彼女を過保護なまでに愛すようになる。
 尚、魔獣種と幻獣種は本来は本能的な部分で忌避し合う性質が強い種族同士であるはずだが、それ以上に音々の『可愛いもの好き』が勝ったが為に友好的な関係を築いている。


   瀬戸 (せと)
 種族・人間種

 『仙薬』の一件にまつわる首謀者。大天狗鉄平と手を組むことでユニコーンを捕縛し大金を稼ぐことに成功する。
 “念力”の能力者。物体を浮かせ自在に操ったり、圧力を加えて形を変えたり出来る。
 異能を宿す人間によく見られる、人外関連の騒動(その巻き込まれ)にも何度か遭遇したことがあり、異能の熟達もこの経験があってこそであった。
 その中で傭兵稼業をこなしている鉄平と知り合い、彼を雇うと共にユニコーンの話を耳にして悪しき野望を抱くに至る。
 誤算中の誤算であったアルムエルドの『反転』によって見るも無残な有様と化して死亡。『仙薬』ごと死体は闇に葬られた。


   鉄平 (てつひら)
 種族・妖怪種

 日本三大妖怪が一角、天狗の上位個体。
 高い武力を持ち得ながら、今の世で必要なのは富力であると考え莫大な富を求め金稼ぎの傭兵稼業をこなしていたところを瀬戸に雇われる。
 実際のところ実力は妖怪種においてもかなり上であり、その全力は大江山の大鬼に匹敵するほどだと考えられる(この推測における『大江山の大鬼』とは茨木童子のことであり、酒呑童子を相手にしては万に一つの勝ち目すら無い)。
 自らの天狗という本来の起源を抽出、具現化して放つ流星の一撃・『奥義アマキツネ』を会得しており、これを前にしては神童陽向日和と陽向晶納の二人掛かりでも逸らすのがやっとの威力であった。
 晶納との激戦の末に、大妖怪らしい死闘を演じられたことに満足し最期を迎える。


   ジャド
 種族・妖怪種

 『仙薬』の一件に噛んでいた人外。残虐な性格を有し、ユニコーンの角折りも自ら進んで行っていた外道。
 その真名は七歩蛇。怪奇物の祖とも言われる、浅井了意が記した怪異小説集『伽婢子』に登場する不気味な蛇を起源に持つ人外。
 記されている内容になぞらえ猛毒を扱う能力がある。それは爪や牙を初めとして、唾液や血液等のあらゆる体液に含まれる害毒であり、これを受けた者はたとえ毒に対する強い耐性を持っていたとしても被害を逃れる術はない。
 例外的に退魔師としての真名を以て相性的に打ち勝った日和を前に惨敗し首を刎ねられ絶命する。
 毒という一点において他を圧倒するだけの性質があったが、人外としての戦闘能力は『仙薬』メンバーの中でも最弱の位置にあった。

       

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