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◯断末魔コンテスト |元壱路

 SFアンソロジーとして編まれたグロエリ作品は、実は意外に「家族」をテーマにした作品が多いように思われる。本作は、その極地といえる作品で大いに笑わさせられた。

とにかくも、世界観が最高。

「断末魔コンテスト」という架空のコンテスト。

しかし、このふざけた設定で、親との死別をめぐる感情や人間関係あれやこれやが、かえってリアルに浮き彫りになっているような、そんな作品。

とにかく、筆力高い。特段凝った表現が使われているわけではないが、リズム感だろうか。読ませる。特に作中なんども行われる断末魔の描写。作者はこのコンテストが存在する世界からの転生者でひょっとしたら経験者ではないかと思わせるぐらいの迫力がある。

最後は「家族」ものとしても美しい結末。

短い感想だけど「最もインパクトを受けた」作品。

以上

       

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