4 令和元年のベースボール | 江藤竜

甲子園を目指していた野球少女、有村みくとその妹のぞみの物語。
昭和の大エース、沢村栄治の選手生命を奪った「手榴弾」。そのレプリカを姉の部屋で発見したのぞみは、姉の自死を予感する。高校野球の現実に絶望した姉は、草野球において、沢村のノーヒットノーラン記録を正確になぞったのちに死ぬのだろうと。その計画を阻止すべく、のぞみは知恵を戦略を全力張り巡らせていく…。

一言でいって、ど直球の大好物である。
スポ根、姉妹愛、天才野球少女、ゲームの駆け引きなど、私の好きな要素がてんこ盛りである。緊迫感のある描写は純粋にエンタメとして楽しめた。

「令和時代」になお存続する旧態依然とした昭和の現実とその決別が爽やかに描かれている。やはり理不尽な現実に潰された沢村栄治に対する有村みくの思いは、素人の私には一見突拍子もないようにも思えたが、それだけに何だか熱いものが感じられた。

以上です。