Neetel Inside 文芸新都
表紙

じんせいってなんですか?
クラスメイトのあの子が死んだ。

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やぁ、ごめんね。急に。暑いからほら座って。アイスティーでよかったかな。あ、水でいいって? 別に遠慮しなくていいよ。僕が呼び出したんだからこれぐらいは奢るよ。ほら、早くしないと一番安いアイスティーにするよ。ほら……、あ。アイスティーでいいの? 分かった。……。今日は暑いね。蝉がすごくうるさくて、ミーンミーンってずっと鳴いてて、嫌になりそうだよ。あ、アイスティー、飲みながらでも聞いてよ。僕も話していくから。少しぐらい世間話でもしようじゃないか。二学期も始まって一週間経ったね。やっぱり、夏休みボケが治らないかな。僕はもう学校が格段と好きなわけじゃないから、つらいなって思うかな。冷房つけたまま寝るから、お陰で喉が痛くて、あ、これって夏風邪だっけ。夏風邪は馬鹿しかひかないらしいから、あ。僕って馬鹿ってこと? でも馬鹿は風邪をひかないから、結局はノットイコール? 中々、変な方程式だけどね。……そんな世間話なんて聞きたくねーだよね。そうだね、うん。いい加減、本題に移ろうか。あれが起きて、二日が経ったんだけど、僕はまだ現実味がいまいち湧いてないんだ。現実味って言えるほど、現実に起こるべきことじゃなかったんだけどね。あ、君、覚えてない? それもそうか。だって、教室さ、狂乱状態だったんだもん。泣いたり、言葉を失ったり、様々。僕は理解が追い付いていない方だったかな。で、二日前に何が起きたか、だよね。それは、その。――あの子、死んだんだ。僕の席の斜め前のあの子。遺書もあって、皆自殺だと思ってるんだって。ちなみに遺書がある時点で、変死扱いにはならないらしいよ。間違った情報かもしれないけど、とりあえずあの子は、一般的には、自ら死を望んだっていうことになってるんだ。んでさ。あの子、何で死んだんだと思う? 君には分かる? え、何で君に聞いてるかって? だって、えー、君、あの子のこと好きだったんでしょ? え、違う? 違うんだったら、ちゃんと否定してくれて構わないよ。違うんだったらね。ほら、そうでしょ? あはは、あーあ。やっぱり。僕の勘は正しかったんだ、何か嬉しいかも。……あ、そしたら今回のこと、凄くご愁傷様、だね。だからこそ君は、あの子の死の真相に辿り着くべきだと思うんだ! あ、いや、僕は君の傷を抉ろうとしてるわけじゃないんだ。ただの善意っていうか、興味心だよ。だって、あの子、死ぬ前日普通に学校に来て、友達と話してって、死ぬ素振りなんて一切なかったはずなんだ。なのに、その次の日になると、自室で首つり死体、アンド、遺書だよ? おかしくない? 事件の匂いがしない? あ、僕だけ?
…………ここだけの話さ。
僕、この自殺、他殺だと思ってて、調べようと思ってるんだ。
君もさ、協力してくれない?

       

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