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   「かわりもの」   作者:若樹ひろし

   【作品感想】
 えー三度目の感想になるのかな?この辺りまで来てようやく話の全体像が見えて来た感じでしょうか。とりあえずよくわかっていなかった変身能力の実態や正体、真の敵がなんたるかを説明する回などを挟みだいぶ展開が掴めて来た気がします。


   【人物】
 豊サイドとは別に進行していた諸星のイベントによって味方っぽくなったみそかと同類の変身能力者、桐谷。
 今の所は信じてもよさそうな雰囲気はありますよね。一応カルト教団みたいな連中とのいざこざを経て組織とも縁を切った(切られた?)ようですし、ここから裏切りに発展するような事態にはならなそう。
 新たに明かされた華族という明確な敵の存在。その家の次女である源静香という元恋人の出番はあるのでしょうか。出てきそうな気配はありませんけど、まだお互いに想いが繋がっているのならヒロイン枠ワンチャンありそう?それともお風呂入ってる時にうっかり入室されちゃって豊に渾身のビンタを繰り出すラッキースケベられ要員にでもなるのだろうか。
 アキコが戦線離脱しちゃって、今までずっとみそかを差し置いてヒロインやってた女子が一人消えてしまったのが残念で仕方ない…。再登場の機会を待ちましょう。


   【文章】
 桐谷が組織と諸星との間で揺れ動く描写などは気持ちの変動が分かり易く、見ていて内心の動揺がはっきりしていたのが良かったなと思います。
 それと対照的に気に掛かるのが、メインヒロイン(?)のみそかの存在ですね。
 彼女は記憶喪失というスタートから始まってずっと豊に引っ付いてきている中で一応懐いているようではあるのですが、その辺りの描写がいまいち足りないというか、ぶっちゃけ扱いがぞんざいな気がしてなりません。
 序盤からアキコの方にばかりスポットが当たっていて、みそかの事情を掘り下げることがあまりに少ないように思えます。出番があるとしても変身能力を利用した場くらい。ここら辺は前の感想でも似たようなことを書かせて頂きましたが。
 記憶が無いせいか感情表現に乏しく言葉少なでクールな印象を受けるみそかですが、だからといってそのキャラのまま通していると空気になりかねません。実際に豊に引っ付いているのか好意を抱いているのかわかりませんが、なんらかの形でそれらを描写してくれないことには読者側としても彼女の内心が知れません。
 メインとして出す以上は、ある程度の出番というか見せ場を設けてあげないと最序盤から意味ありげに登場してここまで付き添ってきた彼女の存在意義が欠けてきてしまうように思います。端的に言えばもっとデレさせたり活躍のシーンをあげて!という鹽竈の心の声なのかもしれない…。


   【ざっくり感想】
 これまで伏せられていた割りにはさくっと正体が判明した華族と源家の存在がなんだか拍子抜けのような。あと判明した以上は、ある程度の分かり易い説明がもうちょい欲しかったかなとも。これから深く掘り下げてくる予定なのだとしたら申し訳ないの一言に尽きますが!
 現状は豊の周りには仲の深い友人と変身能力者二名、戦力は固まってきつつありますね。相手が相手なのでさらなる戦力が欲しいところではありますけど、そもそも華族を相手にどこまで抵抗するつもりなのかが重要かも。完全に潰すとかってんならもう三人四人程度の人間が動いたところでどうにかなるとも思えませんし。
 状況自体は好転気味の中で、やはり最大の疑問はみそかの記憶喪失。何故こんな事態に陥ったのか、それが物語の鍵になるかも!?という感じでその辺りの事実や真相に期待しつつ次回を待つとします!!

       

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