「 自分を左殺しと思い込んでいるプロ野球選手」 作者:藤沢
【作品内容】
あれ競馬は?…あぁー息抜きに違うの書いたのかな?野球好きなのかなー。
……と思ったら想像以上にガチな作品でした。ちょっとタイトルで誤解してごめんなさい!
当初空登録だった今作ですが、やっぱり中身もすぐさま実装されたので感想の対象に致しますね!今回は二軍から上がった出遅れプロ野球選手のお話、現状三話までの感想になります!
【人物】
これまであまり芳しくない成績で二軍に燻っていた山崎太郎。ある日一軍の代打であった園田選手が死球による怪我によって続けることが不可能になり、代理人員として一軍へ上がることに。
冒頭の話だけで既にプロ野球の世界で生き残ることの難しさがよくわかり、山崎の苦悩も凄く伝わってきます。
まだ三話ということもあり、主な人物は主人公と監督くらい?しかいなさそうですね。引退されてしまった園田さんも味のある人でしたが、今後の出番はあるんでしょうか…いつか山崎に助言でもしに来てくれたり?
野球という球技である以上、どうやっても山崎一人だけにスポットを絞って話を進めて行くのは難しいかなと思いますけど、この作者さんならそれも可能な気がしてくるのが怖いところ。個人的にはアイロンズの他レギュラーメンバーの出番も見たいものですが!ギガントスの選手達とか。
【文章】
この人をして、文章に関してはもはや言わずもがな。相変わらず短い文章の中にキャラクターの心情や読み合いを織り交ぜるのがとても上手で、鹽竈としても是非に見習いたいです。いっつも心情描写とか長引いちゃう人間なので……。
藤沢先生は競馬に野球に多趣味な方なのですね。ここまで書けるということは経験者か、それに並ぶレベルのファンでなければありえないのではないでしょうか!?配球とか打つ間際の読みとか凄い深くて感激しました。
素人が目を向けがちな表層上の部分だけでなく、その真髄とも言うべき投球と打球の読み合いや精神面でのぶつかり合いなどがとても熱い!まったくこの人は素人にも玄人にも需要のある書き方をしてくださる。鹽竈?もちろん素人ですよ野球とか甲子園くらいしか見ません、でもこれは普通に読めます面白い!
【ざっくり感想】
しかしまぁ、山崎のこれは本当の本当に思い込みによるものだけなのですかね?実は隠された能力とか左殺しの血統とかがあったとかそういう……のは無いですよね、ハイハイ中二脳ですよ鹽竈は。
でもそうなると思い込みのみで左殺しになれたというのは、やはり園田さんの言う通り一種の才能でもあるのでしょう。ホストの人も皆自分が一番カッコいいって思いこむナルシスト思考で仕事してるって聞きますし、やはりプロの仕事においては自分が最高のパフォーマンスを発揮するにはそういったものも必要なのかっ。
はてさて左の打率はいいけれど右がさっぱりな山崎はこれからそれをどう改善していくのか。もういっそ右でも殺せる思い込みでどうにか…って思いましたけどそう簡単な話でもないですよね。
約束の地へも楽しみにしてますけど、こっちも普通に更新が待ち遠しいです。やばいなこの先生の話、わりと毎回ドツボにハマるわファンになりそう。