Neetel Inside ベータマガジン
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   「魔法少女アリス The Killing」   作者:どんべえは関西派

   【作品内容】
 更新頻度と展開的にもうすぐ終わると思っていた今作品。完結を見届けましたので感想を書きたいと思います。
 内容に関しては前回の感想より先、第二戦の続きから最終話までを。量が中々のものなので、今回につきましても【物語詳細】は省かせて頂きます。ってかもうこれいらないかな。
 しかしこの短期間にこの量は凄い。書き溜めしてあったにしても。


   【人物】
 相変わらずというか、出て来る魔法少女は陰気で病んでる子達ばかり。それぞれが背負う天使の名に応じた負の方向性というか属性を持っているけれど、揃ってヤバい連中という点では共通しています。一番まともに見えたのは遥香ちゃんですかね。会ったこともない弟好き過ぎて想像妊娠する程度には病んでますけど…。
 スパラグモスはそれぞれ力を与えた魔法少女の死亡と同時に一緒に消えてるんですかね?契約段階での登場のみでそれ以降一度も出ていませんが何をしていたんでしょう。クライシスみたいに傍で助言とかしてあげれば敵の魔法少女もあれよりいい勝負できたかもしれないのに。
 クライシスとスパラグモスもそこそこ深い関係性だったのに一切の会話どころか邂逅すら無かったのは少し残念ですね。人外同士で因縁のある会話とかしてほしかった。
 マリアは死んだと見せかけた生存フラグだろと信じて疑わなかったですね。崖から川へ落ちたキャラは大抵生きてる的な感じで。まさか本当にあのまま死んでしまうとは。
 主人公にとっての重要なポジションにありながら、役割としては死亡によりアリスがショックを受けるだけだったので、立ち位置からして少しパンチが弱めだったかなと思いました。仲良く遊んでいた時の記憶とか過去話とかがあると死んだ時の喪失感なり衝撃なりを読者側もより共有できたかもしれません。
 物語中で肉親以外唯一アリスの心を僅かながらも揺り動かした達也君。ただの人間の癖に頑張ったな!片腕失くしたけど!
 ただ、天才少年という設定があまり活かされる展開なり話なりが無かったのが勿体なかったですかね。クライシスのコア関連からアリスと出会う都合上か、あるいは歳の頃をアリスに近付ける為にか。
 あとがきを見た上では当初教師の予定だったらしいですし、恋愛要素を絡ませるつもりもあまり無かったようで。そう考えると中学生の少年を狂気の魔法少女に接近させる為には必要な要素ではあったのかもしれませんね。
 アリスはあまり救われた終わり方ではなかったですが、本人も言っていた通り自身の行った悪逆の数々を思えば妥当な末路だったと言えるのでしょうか。クライシスも助けてあげるんならその辺りも思い出せないように細工してあげなよ…。


   【文章】
 毎度の如く大規模に街や人を破壊しながら激戦を繰り広げる凄惨っぷり。ドン引きするくらい人間が容易く死んでいきます。最近の魔法少女こんなんばっかだな!
 戦闘終了後に各魔法少女の経緯を挟むのは、キャラクターの理解を手短に済ませるいい方法だと思いました。おかげで何に絶望して契約を結ぶに至ったのかがわかりましたし。
 文章は前回の感想と同様ですかね…。誤字脱字を挙げましたが、前読んだ量の三倍四倍を読んだ上でこれが続き過ぎているとかなり読みづらいです。デコボコの道を四苦八苦蹴躓きながら進んでいるような気分に陥ります。
 結界内→結果以内  相対する→早退する  敵少女→敵商事
 このような変換間違いや接続詞の欠落が大分多いです。それと『顕現』、『すると』、『馬鹿みたい(馬鹿馬鹿しい)』といった同一の表現が多用されるのもよくよく見ます。
 同じ行為や現象でも、表現する方法は複数あると思います。同じ言葉や単語を連発したりするのは読み手側にとってもあまり優しくありません。いわば語彙力の問題なのですが、これに関しては個人の環境や読書量などによって大きく力量が左右されるものだと思います。どうやらまだ学生さんのようですし、様々な知識や知恵や言葉を学習できる真っ只中のはずなのでその辺りも頑張ってほしいですね!


   【ざっくり感想】
 この作品のメインでもある魔法少女ですが、結局このクライシスとスパラグモスとの闘争の中で何故魔法少女という存在が持ち出されたのかが不明なままです。最初はダークな魔法少女ものの流行りに乗っかっているだけなのかと思っていましたが、クライシスの意味深な発言からして何か意味がある様子でした。
 そしてこの魔法少女もの、まさかの三部構成だということが発覚。近日中に第二章が始まるらしいのです。いくつか残された謎も、今後のお話で明かされることでしょう。時系列や世界観も今作品から続けてのものになるらしいですよ!
 次の魔法少女はアリヤ。有屋か在家?霊長の守護者みたいな名前ですけどどうでしょ。とりあえず今作みたいなドロッとした少女達ではないようなので、清々しいくらいにフリッフリできゃわきゃわした女の子が活躍するお話を期待します!
 能力や世界観とかの設定はしっかりと練られていたので、おそらく三部と完結編とやらまでやれば結構な大作が出来上がるのではないかと思われます。今後も感想日が重なれば速読して早めに更新できるようにしたいですね。

       

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