「ソナタ」 作者:三浦
【作品内容】
さて第一回感想からずっと更新を合わせてくださっている(?)三浦先生のソナタ、今回は五十話から六十三話までの感想です!無事に大学病院編までを読み終えたということで一息つけそうですね。
【人物】
大学病院サイドの人間は一応敵対関係という状況でしたが、そのどれもが気の違った変人だったりプライドばかり高くて実力の追い付かない凡人だったり。しかしそれでも妙に嫌いになれない連中だったのが面白いですね。個人的にはギャグ要因でブラック・アイズこと黒子野郎の孔雀や唯一の良識人であるロリ人妻珊瑚が好きです。
今回もあまり出番の無かった透は、どうやら殺人クシャミを習得して一歩前進?紫と行った声量強化の修行の成果ですかね。肺活量ぱねぇ…。某漫画の声帯砲を思い出しました。
結局木朽は敵か味方かわからないままでしたね。男女の境が見当たらない中性的なキャラクター性と同じく、立ち位置のあやふやなヤツです。かなり強キャラ臭しますが…でもこの世界の殺し屋ってあんまりロクなのいないからなぁ。
石竹霙の親友エリカを死に追いやった原因であり犯人である木朽と霙の邂逅はあるのでしょうか、霙自身は犯人にさほど興味が無いようだったけれど、いざ目の前にしたら仇討ちで幽霊エネルギーぶっぱしてもおかしくなさそう。病的に親友ラブだったし。
あと主要なのは結局名前のみで未登場だった木村とラセットですか。おそらく次はラセットあたりから波乱が広がって次章に続く感じになるのかな?女の身体に生まれ変わって第二の人生とか羨ましいヤツです。でも焼肉のタレ好物にしてる段階でセカンドライフも老い先短そう。
透の前進によって歓喜を隠せない光は今後どうしていくのか。なんか最終的に強くなった透と光が盛大な兄妹喧嘩するような気がしてきてなりません。
【文章】
相変わらずユーモア溢れるというか、読んでて笑える文章をお作りになられる。敵なのに憎めないキャラ作りや、その関係の輪をわかりやすく表す会話や行動も読み手にとって読みやすくとても良いと思いました!
地の文においてキャラの主観が移り変わる場面等が、時折少し分かりづらいなと思う部分がいくつか。間を空けてあるとすぐわかるんですが、例えば一つの状況内で対立する敵味方それぞれの胸中が同時に語られる場面とかだと、たまにどっちの女が喋ってんだこれ!?となる時があったので、その辺りもう少しわかりやすくしてくれると嬉しいな。なんて鹽竈的には思ったり。
【ざっくり感想】
いくつかの遺恨を残して終了した病院編。そしてお次はブラックモアズ編。
たしかあの生き返った暗殺者の名前がラセット・ブラックモア。『ズ』ってことは、今度はラセットをリーダーとしてかつての仲間とかが集まった組織が主立って動くということでしょうか。
次もどうやら世界の闇というか世間の裏の側で蠢く連中との騒ぎになりそうです。となると、これまで出て来た殺し屋達にも出番があるということ?おいチャンスだぞ千歳頑張れ!ナイフ投げろ!!
浅紫や木朽、紫爺さんとかもスポット当たるんですかね?いよいよ学生の手に負えるような話じゃなくなってきたような気もしますが、まあ特殊な遺伝子持ちなら殺し屋相手でもどうにかなるみたいですし、大丈夫か。
病院編で登場した大学サイドの人間達は今後出るんでしょうか。クローンとか黒子とかロリババアとか、色々と単発で終わらせるにはもったいない要素や属性持ちが多数いたような気がしますが、っていうか個人的には新橋勢力に加わって欲しいなとか思ってますが!
エリカの魂を取り込んだ小雪やラセットを追って単独行動に出た霙のこれからも気になるところですし。
どんどん事態が広く展開されていくソナタ、なんだかんだでもう六十話以上読んでいることになりますね!わりと読んでみるとあっという間。感想書いたりしてるからそう感じるだけかもですけど、面白いですよ!量に気圧されないで未読の方も是非読んでほしい作品ですっ。