Neetel Inside ベータマガジン
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   「沈黙☆被虐ちゃん」   作者:宮城毒素

   【作品内容】
 はい、宮城毒素先生安定の病みっ娘シリーズですね!この人の作品で精神正常な女の子一人も見た事ないんですけど!?
 今回は短編集ということらしく、それぞれ主役は違うようです。共通しているのはどこかしら病んでる女の子が必ず登場するというくらいですか。基本はその女子が主人公ですし。
 精神的に歪んでいる子が好きなんでしょうか宮城毒素先生……まあ、手のかかる子ほど可愛いみたいなこと言いますしね。そういう感じかも?


   【人物】
 この人の作品において、もう今更人物云々に関して感想を投じる必要性があるのかどうかわからなくなってきました…。ええと、とりあえずおかしな女の子がいっぱい出ます!
 第一話の自演ちゃんは、まあ小学校中学校では時折見ますよね的な注目集めたい痛い子の上位互換というかメガ進化系というか…。ここまで頭回るんならもうちょい利口に生きなさいよとツッコミたいところです。結構キレ者でした。
 第二話は妄想過多な少女。ここまで妄想が膨らむともう病気…いや全員病的なんですけど。しかもこの子に関してはなんかマジモンの疫病神のようなものを背負っている様子。付き纏われる桜庭くんには同情しかできねぇ…。
 被虐ちゃんがメイン張ってる三話は正直一番心に来ました。辛い、これツライ。文句ないほどのハッピーエンドを好む鹽竈的にはゴリゴリ精神が抉られました。もうやめて!宮城先生!少女に何か恨みでもあるんですか!?最後の(はっぴぃ完)っていうの見て頭上に『!?』ってマークが不良漫画みたいに浮かび上がりました。
 最後の話はちょっと意味深で今一つわかりませんでした…相変わらず理解力が足りなくて嫌になる。死にたがりの女の子、というわけでもなさそう?これまでの女の子の中では比較的マイルドな安定した子のようでしたが、やっぱり感性がどこかしらズレてそう。最後電車に轢かれて死ぬんじゃないかと思ってヒヤッとしましたがどうやらそういうこともなかったみたい。良かった良かった。


   【文章】
 これに関してはもうほぼ完成されているんじゃないかなと思います。短編にしても纏め方は綺麗だし、短い話をきちんと短く仕上げるっていうのは物書きとしては高難度なんじゃないですかねって感じますが、それを平然とやってのける宮城毒素先生に痺れて憧れます。
 ただやはりラノベ的な読みやすさ、というものからは少し遠いのかな?と。頭空っぽにして読める軽めな小説と比べると、どうしてもやや硬めの印象を受けます。それはこの陰鬱とした内容の多い作品そのものの影響もあるのかもしれませんが。
 なんでしょう、これは個人的な感じ方なので他の人がどう感じているのかはわかりません。猫耳美少女が出て来る萌え萌えなラノベを買ったと思ったら内容が『吾輩は猫である』だったかのような落差。まさしくニノべから文芸を読んでいるような気分。自分で言ってて意味わかんなくなってきましたすみません!
 文章自体はとても良いと思っております。誤字も脱字も全然ないし、日本語として妙な部分も読んでみた上では無かったです。純粋にレベルが高いですこのお方。凄い。


   【ざっくり感想】
 宮城毒素先生の作品はなんだか一貫して幸福な終わりが許されていないイメージがあります。実際、病んだ少年少女達にとっては幸せな終わりなのかもしれません。ですがそれを客観的に見る我ら読者側からすると心が痛い!
 まあ、完全無欠のハッピーエンドを異様なまでに毛嫌いする人だっています。この辺りに関しては個人の感性によって気に入るかどうかというのが分かれるのではないかと。鹽竈は読んでてなんだか動悸が激しくなりました。
 更新する速度もあって数も多い宮城毒素先生の底が知れません。よくそんなネタが出て来るなぁと。次に感想を書くことがあっても、また違う作品である可能性が高そうですね!
 思えばこの方も第一回から合わせて頂いております、ありがたい限り。お次も更新楽しみにしておりますので!

       

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