「Bro.com!」 作者:キツヌコ先生
【作品内容】
第一回作品感想ということで全てが初見の自分。的外れな内容だったら許してください。
『 昨年に母を病気で亡くした主人公・絹子は、公務員試験合格を祝う宴の中で、父親の再婚の事実を知る。
再婚相手の女性には子供がおり、その息子とは絹子と通う学校を同じくする友人・操鷺信太であった。
その真実を前にして、絹子は親友であると信じていた相手への深い裏切りの念を想起する。』
プロローグ段階ではこんなところでしょうか。
【物語詳細】
『プロローグ』
内容に関しては前述の作品内容の通り。一から順繰りに読みながら書いている為、今後のことを一切わからないまま現時点での内容と指摘事項を挙げていく形になります。
中身はちょっとドロッとした昼ドラみたいな気配を感じました。今後どうなるのか、この時点ではほとんどわかりません。気になるぅ。
ただ、出て来る人物の頻度に対して説明が追い付いていないような印象を受けました。父親や姉妹などの主人公の家族や再婚相手の女性、居酒屋の店長。立ち位置はわかるけど具体的な外見描写などがほとんどないせいで、いまいちイメージしづらい感じがします。髪型や風貌、表情の変化などをちょこっと付け加えてくれるだけでもだいぶ脳内で情景が浮かび上がるかも。
絹子にとっての操鷺信太の関係性が気になる辺りでプロローグは終了。
『第一話 同居開始!』
『 父親の再婚相手とその息子との同居生活が始まるにあたり、絹子は欝々とした心境を友人の梨川來音へ吐露する。絹子は信太との絶縁を決定的なものとした『あの時』のことについて未だに思うところがあった。
同居の日を迎え父親と姉妹達は操鷺親子を歓迎する空気の中、やはり絹子は信太への様々な感情を押さえ込むことができなかった。
引っ越しの荷物整理を分担して行っていたその時、信太の一言により、二人の間で起きた『あの時』の記憶が再び激情と共に蘇る。』
絹子がだいぶ男勝り。口調や言動、内面的にもヒロインというよりかはやはり主人公というポジションにしっくりきそうな女子。これって信太とのダブル主人公なんかな?まだわからん。
お互いそうだけど、不器用過ぎだろ…。信太も相手が読むかどうか曖昧なブログに書くくらいなら『嫌いじゃないよ』の一言くらい会って言ってやれよ、同級生だろ。
印象としては、信太も少女漫画のオトコノコ、って感じですかな。
『第二話 波乱万丈!』
『 互いに抱え込んでいたものを解消し、ようやく一つの家族としてのまとまりを見せ始めた同居生活。しかし新たな問題も起き始めていたことを、自身を強く睨む多田家三姉妹の次女・郷重の視線を前に信太は確信する。
さらに問題は学校生活でも発生し、苗字の変更や教師の態度、果ては信太の彼女である木田風喜の二人への懐疑にまで及び始めていた。』
意味不明な言動を口走ってしまうことは現実の生活でも時々ありますが、意味不明な体操を始める人間はおそらくそうはいない。即興でそれを思い付ける絹子は只者ではないと思いました。命名センスも然り。元演劇部故の即応性か…。
絹子が信太を好きになった経緯を知りたい。今のところそれらしいものが見当たらないし、普通に朝同級生男子を起こしに部屋へ入る絹子の胆力がやばい。お前もちょっと女子感出せや。
そう考えると、妹大好きな次女やのほほんとする長女らが普通に女の子やってて可愛く思えて来る。
そして初登場の彼女、風喜。コイツも面倒くさい女な気配がするぞぉ…今後の修羅場を期待してますハイ。
『第三話 思春期故?』
『 少年少女、一つ屋根の下での同居生活には避けられぬ必然とも言うべきラッキースケベイベントも順調に消化し、新たな騒ぎの種と因縁を着々と育てていきながら、ふと信太は自らの好みの女性像に気付く。そして絹子に罵倒される。
そんな折、絹子は美人であることで名高い信太の彼女である風喜から、突如としてショッピングモールへの同行を求め誘われる。時同じくして、友人二人から風喜と絹子との関係、その想いについて問い詰められていた。』
絹子そんなに胸あったんか……。ちなみに鹽竈は背低くて胸が小さい子が好きです誰も訊いてないですねすいません。
同級生女子の下着姿を目の当たりにしてすぐティッシュに手が伸びちゃう信太はとても学生らしい性欲の持ち主ですね。自己嫌悪に陥る必要は無いぞ!
逆に絹子が彼に対してサバサバし過ぎてる感が否めない。お前ほんとに信太好きなの?って疑わしくなっちゃう。もう弟として確立してしまったのか。
信太の友人二人は、それぞれチャラ男と真面目系ってキャラかな。バランス取れてる。今のとこ比護がやかましい。このまま賑やかし役で行くのかな。こういうキャラは、普段ふざけてるくせにたまに真面目くさった顔で良いこと言ったりするから油断ならん。
木田風喜は現時点で彼氏思いの可愛い女子だけど、正直嫌な予感しかしない。絶対病んでるでしょこの子。いやーこの先が怖い。
『第四話 修羅場也!』
『 所属しているバスケ部の集まりの為に朝早くから家を出る信太。弁当を忘れたことで仕方なしに絹子があとを追うも、そこで目撃したのは体育館裏で顔を隠した複数の男子生徒に囲われ今まさに暴行を受けかけていた信太の窮地だった。
かろうじてリンチの間際で教師を呼んだ絹子の機転によって危機を脱したものの、二人にはその顔も知れない男子達の正体に心当たりがあった。
状況を理解する間もなく次いで絹子の耳に入ったのは、なんと自分と信太が付き合っているという、根も葉もない噂話のこと。
同様に噂のことを知った信太も噂の出所を求め友人らと推理に推理を重ねるも、出たのはそれこそ何の根拠もない可能性の一つ。
そして、その可能性が正しかったのを、二人はすぐに思い知らされる』
小川がイケメンの片鱗見せてきたな、口調からして結構な御仁だと予想してはいましたが。
あと美香ちゃん可愛い。なんなの、絹子があまりに男勝りな性格してるせいで可愛い女の子が寄ってきてるんですかい?こんなん小川しか得しない状況じゃないか。
もう風喜に関してはヤるだけヤってから別れればいいよ、エロいんだから(ゲス顔)
しかしまあ、疑わしかったのはわかるが顔面痣だらけになるまでボコされた比護ェ…流石に同情しなくもないですかね…。
ってか信太が無能すぎないかなぁ。もうちょっとなんか考え絞れば良い案出せただろ!絹子に出番取られっぱなしじゃねぇか!
彼女が怖くて家にまで押し入られ、果てに一線超えるところだったとかどうなってんの。このままだと包丁で刺されるのも時間の問題な気がしてきましたね…。
『第五話 解答要求!』
『 好きでもない女とも別れられず、同居している女への想いも不明瞭なまま。自分自身への嫌悪を覚えてならない信太は、何気なく放った一言に酷く激昂した母からの張り手を受け茫然自失と化していた。
たまたま場に居合わせ、状況をなんとか収めてくれた絹子へ、信太は感謝と共に風喜と別れることを告げる。
その夜、絹子は転校してしまってから音信不通となっていた演劇部部長との久方ぶりの会話に興じていた。そして彼女との会話の中で、思いもよらぬ疑問が浮上した。
父親は、本当に再婚をしていたのか?
まるで考えもしなかった疑いを抱えたまま、絹子はいるはずのない人物の影を認め、ただ静かに驚愕する。
思い出すのは生前、笑って自らの死期を語った母の姿。
絹子は父に投げ掛ける。部長が言っていた、事の大元へ至る起源の問いを。』
なんか怖くなってきました。この話ホラーだったの?
よくわからなくなってきたけど、どうやら明美さんも内に闇を抱えている様子。やたら達観している絹子がもう姉ポジ確定させてきてる。
それと、絹子は一体誰を見たのか。なんかヤバそうな相手らしいけど、この時点ではさっぱりわかりません。
父親が操鷺家との再婚(?)をしたのは、どうやら生前母親が言った遺言が関連している模様。どういう事情があったのでしょうか。次回明かされるのか。
【人物】
会話においてその人間の性格や心情を察することは出来ますが、やはり外見の説明が欲しかったりする部分が多くありました。
第二話にて、学校へ行く準備をする絹子へ向けて何気なく言った信太の『なあ、髪の毛括るの止めたら?』という台詞で、ようやく絹子が髪になんらかの束ね方を施しているのがわかりました。そもそも髪が長いのか短いのか、それすらわからない状態だったので。
全部見てから人物紹介のイラストを見ましたが、やっぱり脳内でイメージしていた印象と差のあるキャラが何人か。文章のみの表現しか許されない小説では、そういった細かなところ一つ一つが重要になるんじゃないかな、と感じます。
昼ドラチックな内容らしく、自分勝手だったり不安定だったりするキャラが目立ちますね。今後どうなるのかそわそわしながら見てました。信太はいつ男らしさを発揮してくれるのか、ひとまず絹子超えを期待します。
【文章】
一人称視点で進む今作品は、人物の感情が読みやすくていい。相手も何を思ってるどんなヤツなのか、わかりやすい挙動や言動をしてくれてキャラクターの把握もし易い。
ただ、場面転換する時はなんらかの区切りを挟んでほしかったです。次の文ではもう違うところで何かしていたりするので、一瞬戸惑いました。それと同様に、交互に移り変わる絹子と信太の視点転換もです。
まあこの辺は単純に読解力の無いこちらに非があるだけなんですがね。ふふっ、死にたくなる。
【ざっくり感想】
最初に言うと、自分こと鹽竈は純愛系が大好きです。そして昼ドラは苦手です。女のヒステリーとか怖いもの。
そういう意味では、この昼ドラ空間を形成している原因に近い信太も正直苦手になります。言いたいことくらいはっきり言えよ、となるので。社会に出れば無理なことも多いですが、好き放題ぶちまけられるのも学生なればこその特権ではないでしょうか。
しかしこの作品、家庭事情も絡んでドロドロ展開に拍車が掛かっています。どこまでどれくらい沈み込んでいくのか、こうなると不安どころか期待すら覚えます。バッドエンドになるのかなぁ。
作中で未だ明かされていないことが多く、ここからようやく再婚紛いの真相が暴かれたり様々な人物の本性なり本心なりが出て来るのだろうと予感します。
最新話でいきなりホラーテイストになってきたので身震い。夏場に読む内容としては意図せず涼を得ることとなりました。次辺りがまた重そうなので覚悟して待ちます。