「ソナタ」 作者:三浦
【作品内容】
事なかれ主義の透と、ストレス発散に喧嘩を選ぶお転婆な光、双子の新橋兄妹。この二人にはある秘密があった。
気弱な兄に代わりことあるごとに荒事へ立ち向かい(あるいは自ら突っ込み)、その悪評を一身に浴び続ける苦労人の透。それは小学生の頃から始まり、そして高校に上がった今になっても変わらず続いていた。
…めちゃくちゃ長い今作品、同時に家にも帰れぬ激務となった私情も折り重なりまして、少々当初の期限より伸びる形になりそうでしたが、ひとまずキリよく十五話まで読みました。今後の話数も考えて、この作品は【物語詳細】の項目を外してやっていこうと思います。そうじゃないと鹽竈が死んでしまいます。
【人物】
一癖も二癖もある登場人物がどんどん出て来て息つく間も無い感じですね、サブからモブまでしっかりクセを与えてある部分がとても良いと思いました。マジヤベーの人とか台詞だけでわかっちゃうから読んでる側もぶっちゃけ楽です。
新橋兄妹の掛け合いも面白い。殴られるのわかってるのに煽るような口を叩いてしまう兄の口振りも笑いを誘う。
殺し屋とか霊能力者とか、どういう世界なんだと言わざるを得ない。千歳なんかは最初強そうな敵キャラで登場する癖に一戦交えてからはポンコツ化する典型的なキャラだと思いました。嫌いじゃない。
こんな風にキャラが増えてドタバタしてくる話は好きなので、このままの流れで行ってくれるのであれば鹽竈的には嬉しいですね。
【文章】
特に大きな問題は無いかと思われます。でも文頭は一字空けた方がいいかな、読み手にとってはそれがいいかと感じました。
第三者視点の中にそれぞれキャラの観点から感情や状況が伝えられてくるのはいいんですが、時折読みづらくなってしまっている所も見受けられました。キャラの言葉はいっそカッコで括った方がいいかもしれません。
言い回しが独特で楽しい。デブった光の身体描写とかにいちいち悪意が混ぜられた説明になっているのとかクスッとしました。ボンレスハム。
あとは…例えがよくわからない場面が多かったかな。無理せず無難な例えでいいと思うのですが、変に捻ったモノの例えをするとピンと来なくなって読むペースが著しく低下してしまう恐れが生じます。
それから一つの文章に同じ人名が数度出たりすると不自然な文になってしまうので、その辺りも気を付けた方がいいかと。お腹が腹痛みたいに意味被りのある文もいくつか見受けられたので、やはり一度投稿する前に自身で再度見直して、あるいは口に出して読んでみると違和感や不自然と感じ取りやすいかもしれませんね。
【ざっくり感想】
まだ全体の半分…の半分も読めていませんが、この段階でも正直面白いと思っています。キャラの掛け合いが個人的には一番好きですね。鉛戦で四季が放った「脱糞して何かが変わったとでもいうの!?」は噴き出してしまいました。こんなん笑うわ。
でも、世界観がいま一つよくわからなかったです。殺し屋はともかくとして、学校内でナイフぶっ飛ばしてるのに生徒が平然としてるのがちょっと違和感。強キャラの身体スペックが人並み外れて化物じみているのも怖い。ギャグと捉えればそれまでだけど、グラウンドや体育館で決闘やってる時の描写は普通に日常系を越えていました。
その時に出て来る人物の個性をしっかり出した上で次に繋げるタイミングはとても上手で、とんとん拍子に小気味良く次の話へ進めるのは良かったです。その前に出た人を蔑ろにしないでちゃんと出してくれるのもグッドかなーって。
まだ序盤ですが、もし余裕があれば今後の更新で読み進めた部分を上げたりするかもしれません。結構面白くて、多分このまま暇を見つけて読了目指すと思います。でも今回は十五話時点で許してね、思った以上に忙しくってね。