「約束の地へ」 作者:藤沢
【作品内容】
もうこれドラマ化してくれません?ってくらいに面白いです。色々とレベルが高い作品なので、是非ともオススメしたい作品ですね、マジで!競馬知識皆無な鹽竈がそう思うくらいですから、おそらく競馬に少しでも触れている人ならかなり楽しめるんじゃないでしょうかこれ。
ちょっと遅れてしまったので、最新話の十七話まで読みました!
【人物】
ここ最近は主に新人アリスにスポットが当てられていました。何か安斎騎手とも関連を思わせるシーンがありましたが、どうやら二人はかつての顔見知りであり、アリスは彼に少なからず想うことがあったようです。
最初は恋愛要素の話かと思いきや、案外そうではなかったのですね。いやこれからそうなるのかもしれませんが。
鹽竈のような無知の為に用意された競馬用語解説要因としての登場だと認識していたアリスですが、ここにきてただのマスコットキャラに留まらない事情が明かされました。その内面、非常に人間臭いキャラクターであることが分かり、可愛い可愛いと感じるだけだった小さいアリスへ途端に親近感が湧いてきましたね!
こういう葛藤を抱えながらも現実から目を逸らさない強さ、からの盲目的なまでの安斎騎手への過信。そしてそれを打ち破る経験豊富なベテラン朝川との対比で新人と古株の年季の違いがよくわかるワンシーンとなっていました。ここからアリスはより成長していきそうです。それはそうと羞恥に染まりながら口上を捲し立てるアリスちゃん可愛い。
【文章】
凄い、とにかくすごい。
人物の心情もとても丁寧に描写されているし、だからこそ朝川の言葉の重み深みやアリスの揺れる感情もよく読み取れる。『駿馬』のメンバーも深い競馬愛を感じさせる良キャラ揃い、皆がいい味を出している。
そして何よりは競馬に関するとてつもなく深い造詣。特には十六話の実況アナウンスなんかは、本当にテレビで見ている時の競馬の実況そのものであったし、そのリアルタイムの白熱っぷりが文字でもって表現されてしまっているのが読んでいて伝わりました。まさに手に汗握る、といった具合の場面をアナウンサーの台詞が如実に表しています。
【ざっくり感想】
一話一話の引きも上手くて次が早く読みたくなる。なんでこの作品こんなにコメント少ないのもっと皆見てほしい絶対面白いから一緒に競馬行こ?
次辺りでいよいよ朝川の回想編が始まりますね。例の、朝川の今に繋がる重要人物らしき『あの人』との邂逅?逢瀬?とにかく何かが語られそう!
主人公だけでなく、それぞれの人物にもきちんとスポットが当てられているので色んな人に興味が向いてしまうのが困りものですねっ。はてさて朝川の昔話とはいかなものなのか。次回を期待して待て!しかして希望せよ!!