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   「かわりもの」   作者:若樹ひろし

   【作品内容】
 二回目の感想になられますね。前回は謎の変身能力を持つ少女との出会い、それから山ガールとの会話辺りまででした。奇妙で異質な力を所有する彼女の正体とは一体…?


   【人物】
 女子高生改めみそかという名を持った彼女の素性に関しては現状何もわからず。口数も少ないことからしてメインヒロインのわりにはちょっと影が薄い感じ。
 それとは真逆に山ガール改めアキコの方が目立ってきました。こっちは恋仲とかよりは家族愛?兄弟愛に飢えてる感じかもですが。
 豊や新登場の和己は何やら表立って出せない何かを抱えている模様?対する茜も怪し気な空気を醸しだしてきてます、三号っていうのはみそかのことかな。


   【文章】
 基本は主人公である豊の視点で物語が進められているようですが、時折その視点が変わることもあります。その視点変更が少しわかりづらい部分があるように思えました。
 豊に促されて銭湯へ向かった所でシーンが移り変わり、そこで銭湯に入ってからの視点がアキコのものであることにすぐ気付けませんでした。鹽竈個人の読解力に問題があることも否めないでしょうが、視点切り替えの際にはさりげなく今の語り手が変わっていることを一人称の変化(『俺』から『私』など)や語り口調からすぐ察せるようにしておくと分かり易いかもしれません。
 あとは、コメントにもあった通り文面が淡々とし過ぎているように感じます。これは本当に良くも悪くも、という具合でありますね。
 それなりに歳を食っている豊や感情に乏しいみそかなどはその淡白さも頷けるのですが、最初に絡んできたシンイチやユウスケ、銭湯でナンパしてきた大学生などはすぐにキレる沸点の低そうなキャラであるのに対して台詞等の抑揚があまりなく、読んでいる分には脳裏に淡々と冷静にブチ切れる不良の姿が思い浮かんでしまいます。これはこれで実際にいたら結構怖いですが。
 単純に、もう少し激情を示す為のビックリマークを一つ二つ加えるだけでこの問題は解消されるような気もありますので、台詞を考える時には実際相手がどれだけ声を荒げて怒っているのかを想像しながら書くとやりやすいかと思われますです。


   【ざっくり感想】
 三号と呼称されているらしきみそかは宇宙人か何かなのかなぁ。茜はその方面の組織なり研究なりに関与してそうな雰囲気が出てる。和己は知ってるのか知らないのかいまいちわかりませんけど。
 豊も人には言えない事情を抱えている人間のよう。その辺りの話もその内に語られるのだとは思いますけど、なんだか怪しい。後ろめたいことでも抱えてるんですかね、口座凍結とか金を埋めて管理してたとか、うさん臭さも半端じゃないです。
 お兄ちゃんっ子のアキコもいいですけど、できればメインであるみそかももう少し前面に押し出してきてほしいですね。今のとこ豊に命令されて変身能力使ってるくらいしか出番らしい出番が無いので…。

       

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