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ニノべ・文芸小説感想
八月十一日更新ニノべ感想

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 ・八月十一日のニノべ更新・七作品

 はい、第三回目やっていきまーす。鹽竈です。
 コメント欄がざわついてきまして不肖この身の不徳致すところでございます。とりあえずコメント返信を設けましたので、詳細はその辺りでやりますねー。
 はてさて、文芸の側でも感想を始めてくださった方がいるようでとてもとても心強いです。しかも以前感想企画をやられたお方のようです。最強ですね!
 ともあれ鹽竈もこの作品感想をいつまでやるかは不明です。第十回くらいまでは考えていますが、その辺りで終わりにする可能性が大。
 さーやっていきますよー八月十一日更新は以下の通りで!

 ・『三姉妹の夏休み』
 ・『どろまど!』
 ・『ムサシと不思議なオナホ』
 ・『デェーとティー』
 ・『放課後のジョーカー・ゲーム』
 ・『ソナタ』
 ・『日替わり小説』

 うん、ちょっと今回間違いなく時間掛かります。
 やっぱり皆さん夏休みとか夏季休暇とかで執筆時間が増えていたりするんですかね…?感想書く側として多いのは喜ばしいことなのですが…。
 まあ、例によって今回も注意書きさせて頂きますが、これはあくまで鹽竈という一個人の読んで感じたことを駄文として書き連ねる場でございます。もしこの感想にて不愉快になったりした作者様等がおられましたらばすぐさまコメント等でお知らせくださいませ。どうにかします!
 第三回は今月中にやり終えられたら御の字ですねぇ。

     


   「三姉妹の夏休み」   作者:DAI

   【作品内容】
 第三回感想の一発目、時期的にドンピシャな真夏のお話。一人暮らしの中野桐緒のもとに突如としてやってきたのは、幼く姦しい三人の姉妹だった。ということで。
 短編なのでわりかしさっくり読めました。幼女が好きで妄想力が巧みな方は手早く頭に入り良いかもしれません。ラノベ脳の鹽竈はそういう部類でした。短いなりにも感じたことが多々あったので、少し長めの感想になりますかもです。


   【人物】
 そこまで主要な人物多くなかったんでそれぞれに想ったことをば。
 中野桐緒。テンプレートの化身のような男。受け身なやれやれ系にして難聴系。お前は一刻も早く病院に行って鼓膜見てもらえ!と叫び出したくなるほど典型的な主人公。
 十八歳で一人暮らしは大変。好き勝手できますけどね。どうやらメイド属性に傾いている模様で、しかしヘタレ。料理はそこそこ出来る。
 短編故に、この男が大学の知り合いや三姉妹に好意的な感情を向けられるような人間だったのかが謎でよくわからなかった。いや嫉妬じゃありませんよ?ありませんから。
 良くも悪くも何かが起きるまでは自分から動こうとしない受動的なラノベ界の鑑たる桐緒に懐く三姉妹。長女凛々香は一番幼女っぽい。この性格に意味不明な言動と急上昇急降下が激しい不安定な情緒が加わるとマジで元気なリアル幼女に近付きますよっ。
 意地っ張りだけど怖がりで泣き虫な次女の京香は艦これの暁みてーだなと思いながら読んでおりました。立派なレディーとか目指してるのかな?幼女に抱き着かれてんだから性欲云々とかではなく普通に寂しがって親の温もり欲してることくらい理解してやれ鈍感テンプレ男よ。
 便所虫 < ミジンコ < なまこ << 馬の骨 <<< 夫?みたいな感じの不思議なヒエラルキーを持っているらしき三女の香恋。えちょっと待ってカタツムリが一番上って言ってたけど、じゃあカタツムリが夫の上に来るわけ?どういうことなんだ……。
 六歳でこんな賢しいのは少し違和感だけど、まあ日本にはケツ丸出しで踊り狂う五歳児もいるわけで別にさほど気にはなりませんね!
 世話焼きな暴力系ヒロイン(巫女)というこれまた昔ながらの属性を引っ提げて現れたのは同年代で家が神社の東条睦月。しかし大学で知り合ったということはまだ半年も経っていないですよね?男が一人暮らししている部屋に単身で乗り込んでくるのは常識的にどう?貞操観念が緩んでおりますよ!?
 主人公を中心に広がるキャラクターの関係性が深そうに見えてその実すごく浅いのが気になりました。約四か月程度の付き合いがある睦月ならそこそこ好感度アップのイベントが二つ三つ起きていても不思議ではないですが、三姉妹は現れてから約一ヵ月くらいしか時間経過はしていないんですよね…?
 片想いだった香澄もそこまで桐緒に信頼を寄せる理由がはっきりしていなかったのでどうにも納得しづらかったですねー…可愛い三人娘を誰かに預けるのであれば、やはり相応の理由ないし信頼に足る何かが欲しかったところです。


   【文章】
 最初から最後まで主人公による一人称視点ですが、やや主人公の心情を地の声として出し過ぎかと。
 向けられた言葉に対する考え方やツッコミ、応答がそのまま桐緒の心の声で表現されている場面が数多く見られました。キャラクターの台詞自体もそこそこの量を占めている中、その上で桐緒の思考が連動された文が続いてしまうとその他の読者にとって必要な描写のいくつかが欠けてしまいます。部屋の内装、キャラの服装、出掛けた先の風景等々がそれに当たりますかね。
 あとはざく切りのような文章や単調な書き方が若干気に掛かりました。
 『○○へ行った。△△が□□だった。◇◇だと思った。』という風な日記帳のように思える文がいくつか散見されまして、一人称視点にしてもこれは端折り過ぎというかちょっと雑じゃないかなぁと思ったりしました。
 全体的に見て感じたことを纏めると、書くのが面倒だったりダルかったりしてもきちんと文字として表現すべきところはしないといけないな、という感じでしょうか。作者さんの脳内情景や人物、場面は文字以外では他者に決して共有されません。挿絵やイラストがあればまた別でしょうが、ここが漫画と小説の大きな違いの一つだと鹽竈は考えます。


   【ざっくり感想】
 香澄が桐緒を信用しているのがわかりました。三姉妹も巫女も桐緒のことが大好きなのがわかります。しかし、わかるだけです。何故わかるかと訊かれれば、それはこのキャラ達がそういう感情を抱くことが分かり切っているからです。三度目になりますが、テンプレだからです。
 ストーリーの開始時点で何人ものヒロインに好かれているハーレムな主人公は基本好かれません。それは主人公の性格がいまひとつ理解に及ばないからというのもありますし、そのヒロインが恋愛感情を抱くに至るまでの経緯が語られていないからでもあります。
 ようするにキャラクター性の確立と、女が男(逆も然り)に惚れる・惹かれるに足る展開が不十分だということです。
 短編にてこれをこなすことは難しいですね。一人一人にスポットを当てて個別にストーリーを作ってしまえれば楽なんでしょうが、それをすると短編では収まり切らなくなりますし。
 少しでも何らかの伏線を張ることで好意を抱く理由を判明させるか、そうでなければキャラ自体を減らして一人辺りの密度を高めるか。鹽竈の頭で考えられる打開策はこの程度しかありません。
 結局、桐緒は三姉妹を引き取ったんですかね?その辺ボカしてあったので不明ですが、なんだかんだハッピーエンドだったので良かったです!それで、『三姉妹の冬休み』はいつ投稿されるんでしょうか?三姉妹の中では香恋が可愛いなーって思ったんで、三女がメインになると嬉しいですねーあはは。
 なんていう冗談を半分本気で言ってしまうくらいには面白かったです。惜しむらくは後半シリアスだったので姉妹に萌える機会が少なかったことですね。睦月に関しては暴力か殺気を放ってる印象しか残っていない…巫女や浴衣とか和装が好きな自分としても見せ場少なくて残念でした。

     


   「どろまど!」   作者:宮城毒素

   【作品内容】
 宮城毒素先生の作品。前回は『目覚める町と眠らない爆弾』を、そして今回は二回目の感想となる『どろまど!』ということで。申し訳ないことにお盆辺りから多忙極まりない私事により、【物語詳細】を省かせて頂きたい…非常に申し訳ない!
 でも一番新しいとこまで読みましたよ!


   【人物】
 このお話の中心人物はどうやら犬飼君であるらしきことが発覚。オリジナルの撲殺タイムは年端のいかない少女のようですが、これ狭間灯火ちゃんとは別人ですよね?
 でもまあ考えてみればマスターとの面識もあって病んでる琴子ちゃんの元カレでもあるわけで、わりかし登場人物の中では接点の多い方なんですよね犬飼君。最近になって隠された真実やら事情やらが明かされてきて、あーこりゃ主人公ですわーと納得しました。
 中学三年生と高校一年生の間で視点の入れ替わる犬飼少年は歳のわりにやたら達観してるなぁと思ったり。なんか簡単に人殺しとかやっちゃうみたいだけどもしかして君も頭のネジ一本くらい飛んじゃってる人?殺人が犯罪だってことをきちんと理解してる人少な過ぎない?
 特に目立った新キャラの登場も今のところは無く、そして最初期に登場した刃物少女とかの出番が一切なくてどうなるんだろうこれ、って考えながら読んでました。
 頭おかしかったりネジ飛んでたり病んでたりしてますけど、キャラとしてのブレは無いのが良いですね。これで主義主張とか発言内容とかがブレブレだったらもはやホラーでしかないですけど、どのキャラクターも皆それぞれ異常なりに真っ直ぐ異常を貫き通しているという点で、作者さんがきちんと人間性を書き分けられている証拠なのかなと感じました。


   【文章】
 違和感なく安定した文章力に感服するばかりです。なんというか、小洒落たというか小気味良いというか、そんな感じの文章です。
 ただ、意図的になのかどうかわかりませんがキャラの心理がいまひとつ掴めないですね。基準が違う、感じ方が違う、見方が違う、認識が違う、色々言い方はあると思うんですが、常人と狂人の間で齟齬や差異が生じるような感覚?うーん表現が難しい。
 例えを挙げるなら、『たったひとりで撲殺タイム』からの抜粋で、

「撲殺タイムは……本物がひとりいればいい。撲殺タイムは記号じゃない。思い込みの激しいあんたみたいな奴らを俺は―――」
 無条件に殺すことにしているのだ、と。

 …えっえっ、なんで!?
 ってなりました、自分は。お前当時まだ中学三年生の子供だろ!そんな簡単に人殺しちゃ駄目だろ!道徳の授業寝てたのかよ!ってなりました。自分は。
 確かに状況は自分が殺されかけていたわけですし、多少過剰な正統防衛もある程度は許されましょう。誰だって殺されるのは嫌ですし死ぬ気で抵抗しますとも。
 でもコイツは何か違う。初めからそうと決めていた覚悟が見えます。その覚悟がわかりませんでした。そんな容易に人を殺そうと決められる思考が共感できなかった、ということですね。
 だからですかね、出るキャラごとに『コイツ頭おかしい…』とまず最初に思ってしまうのは。
 読者が作品内のキャラクターの発言や行動で感動したり感銘を受けたりするのは、単純にその台詞やアクションに共感できるものがあるからですよね。命懸けで闘うのは大切な恋人の為だったり譲れない信念の為にだったり、それを理解できるから見てる側は応援できるし続きを楽しみにできる。
 この物語のちょっとイカれた人達も、ただ意味もなくそんな狂気を振り撒いているわけではないはずです。その根底にある『何か』を、もう少し描写でほしいかなと思いました。


   【ざっくり感想】
 犬飼君視点によってついに撲殺タイム周りのあれこれが判明してきました。物語の核心に近付いてきた感じでしょうか?キャラや文章に散々イチャモン付けてからこんなこと言うのもあれなんですが、続きを期待させる書き方がとても上手いお人です、宮城毒素先生は。
 あとは中学時代と高校時代を行き来するのは少しややこしくなるのでどっちか一纏めにしちゃった方が読みやすいなって鹽竈は思いました。この辺は『目覚める町と眠らない爆弾』においても同様の感想を書きましたが。
 どうやらこの先は犬飼君による撲殺タイムの贋作や模倣の掃討が始まるようですが、その他の人々はどう動いて行くのか。犬飼君との合流はあるのか。現時点で各エピソードの主役達がほとんど交わっていないので展開も読めません。もしかして一度も会わずに終わったりするんでしょうかね。それはそれで面白そうです!

     


   「ムサシと不思議なオナホ」   作者:ムサシ

   【作品内容】
 いやー…つらい。辛かった。何がと訊かれれば全部。とにかく色々ときつい作品でした。
 適当に流し読みしてくだらねーと笑うだけならとても楽だったのですが、いざ感想を書く気構えで読み出すとこれほど難しいとは。
 うん、よし。とりあえず感想だ。


   【ざっくり感想】
 正直タイトルで嫌な予感はしました。そして予想通りでした。
 扱いに困る作品ですよね…作者さんが真面目に書いて、その結果として粗や雑が目立つ作品であればその点をこちらも真面目に指摘することが出来るのですが、これに関してはおそらく真面目にふざけて執筆されたものです。指摘されても困るのは作者さんサイドではないでしょうか。
 まあ、一応、真面目に感じたこと書きます…。
 視点が切り替わり過ぎですね、三人称かと思いきやムサシの視点、からのヤンス。地の文が声となってキャラそのものに変化してしまっているのでいつ誰に視点が変わったのかはすぐわかります。わかりますけど単純に切り替わり過ぎだと思います。
 キャラクターも安直だなーと。ヤンスって名前で語尾がヤンスは流石にヤバい。ムサシも小次郎もオナホを常備してるの頭おかしい(褒め言葉)。安直に頭おかしい。
 物理法則ガン無視のオナホ勝負も凄い。もう意味わからない。誰かに説明してほしいくらいでした。
 完全に狂気の沙汰ですが、合間合間に差し挟まれるあとがきの正気っぷりとの落差で思わず笑みが零れます。アンタまともなんじゃねえか!
 展開は短くそれでいてスピーディーなので、日々の疲れが溜まっている人はこれを読んでふふっと笑ったあとすぐ寝ると精神がやや安定するかもしれません。
 まだ半分以上残ってますが、間違いなくこの第三回感想の最難関だったと断言できる作品でした!!

     


   「デェーとティー」   作者:混じるバジル

   【作品内容】
 だいぶ遅れてしまい申し訳ないです。読んではいたんですがパソコンに触れられるほどの余裕がありませんでした…。
 まあとりあえず思ったこととしては、オナホの話読んだ次にこれを見てしまったことに対するなんとも言えない感覚でした。またこういう系かよ!ってなりました。感想書く時どこまで本気で書いたらいいのか迷うから困りものですよ!


   【人物】
 ダイスケ君は情緒不安定で性欲旺盛でちょっぴりトチ狂った高校一年生。高校デビューということで暗黒の中学時代を払拭するべく高校生活を謳歌しようとしますけど、まあこんな変態自分でも近づこうとは思わないですね。傍目から見てる分には面白そうですが。
 寄って来るのも類友ばっかり。妹は少しまともかなーと思いましたが、二話で早々にその幻想をぶち殺されました。
 常識の埒外にある作品を立て続けに見て来たことによって頭がふらふらしてきました。作者さんと自分との間で認識と発想の差が大きすぎて処理が間に合いません。僕は追い付けません、君のいる、世界のスピードに。
 

   【文章】
 ダイスケの視点がカオス過ぎてお前はこの世界をどう見てるんだと言いたくなります。隣にいるのに違う風景を見てるんじゃないかと錯覚するほどの錯誤感。一体自分はいつから混じるバジル先生の作品に共感できると錯覚していた…?
 ただ面白いことに一話完結で起承転結がわりとしっかりしてるのが余計に笑えて来ます。なんでこの手の話を書く人達は文章構成諸々の能力が高いのにあえてふざけるんでしょうか。手の込んだ手抜きみたいです。
 会話もテンポよく進むので読んでいく分には問題ないと感じました。開き直りにも近いダイスケの返しがいちいち面白い。


   【ざっくり感想】
 どうにもやっぱり、こういう作品はどう扱ったらいいのかよくわかりませんでした…。ちょっとボカした曖昧な感想となってしまったことをお詫びします…。だってあなた方、自分が指摘するまでもなく自身でわかっててやってますよね!そんな人達に上から目線でこれがどうとかあれが駄目だとか、言えるわけないですよ!
 普通にやる気になれば真面目な作品が出来そうなのに、その上でふざけられるのが凄い(小並感)。なんだかんだ行頭ちゃんと空いてるし描写だって最低限こなしてあるし…。
 ただ台詞と地の文は分けた方がいいとは思いました。一人称視点でダイスケがめっちゃくちゃ喋ってるのに実際に声に出る台詞まで混じるとごちゃごちゃしてきますので。
 個人的には電車の話が好きでした。席取りにそこまで熱意を持って挑めるダイスケは毎日が楽しそうですね。妹のキレッキレな返しやツッコミも相まってこの兄妹はなんだかんだ仲良いんだなぁとか感じたり。
 あとオナホの話でもそうでしたけど、このロクでもない人間が多く出る作品には総じてプリキュア視聴が義務付けられているんでしょうか……?

     


   「放課後のジョーカー・ゲーム」   作者:崩砂糖

   【作品内容】
 作者さんが作品内で描写している通り、どこかで見たことがあるようなわりとありきたり感の強いデスゲームもの。参加者は十三人、共通項は同じ高等学校の生徒ということ。
 しかし崩砂糖先生…の作品。…放課後のジョーカー……なんとか巫女人…ひかりがおか……トーナメント…うっ頭が…!
 ありきたりであるということは必ずしもマイナスに働く要素ではありません。むしろどうとでも展開を持っていきやすくあらゆる方向へ向かせやすいということです。結構複雑な役職とルールが絡み合って、読み応えのある作品であるのは間違いなさそうですね。

   【物語詳細】

   『第1話 ゲーム開始』

『 夏休みの登校日のことだった。当たり前に享受してきた平穏は唐突に終わりを告げ、星ヶ瀬光輝は見知らぬ古びた校舎、その教室の一つで目を覚ます。
 知った顔、知らぬ顔と、自らを含め合わせて十三の生徒が集められ、彼らの疑問と動揺と混乱に応じたのはスピーカーから放たれた無機質な合成音声。それが、悪夢の内容を淡々と語り始める。
 ひとしきりの説明を受け、彼らはマスターと名乗る悪質な狂人への怒りを露わにしたが、自分達の身の上を理解出来ずにいる十三人へマスターは一つ忠告としての映像を見せる。
 それはあまりにも現実離れした映像―――密室に閉じ込められた一人の少女、その身が爆散し絶命する悲惨な一部始終を目の当たりにし、十三人のプレイヤーは否応なくゲームへの参加を受け入れるしかなかった。』

 腕時計型の爆弾ってそんなに火薬詰め込めるんですかね?全身吹き飛ぶくらいの威力ってことはかなり必要そうですけども。
 主人公らしき光輝はかなり王道派主人公の模様。まぁここまでである程度デスゲームのテンプレって感じで進んでいます。多分この中に高校生離れした思考の持ち主が何人か潜んでいるんでしょう。馬鹿ばっかりじゃ展開上面白くないですし。
 見せしめで殺されたカヨコ(カヤコ?)ちゃん可哀想。補欠で一人確保しといたってことですけど、本当に一人だけなんですかね?TRPGみたいに死んだ分だけ予備人員投入したりしないですよね?うん、キリなくなるからまずないでしょう。
 この段階では登場人物もほとんどよくわからないままですけど、次である程度明らかになるんでしょうか。火渡君は劇場版ジャイアンみたいな良い不良だといいですね。


   『第2話 放たれた贄たち』

『 ゲームは開始された。
 深夜零時をもって、抽選で選ばれた者から順繰りに教室からの退室を許され、プレイヤーは三々五々に散らばっていく。
 困惑を抱えたまま恐る恐る外へ出る者、恐怖に震えながら逃避する者、揺るがぬ精神で冷静に出方を思案する者。十三通りの動き方が展開され、棄てられた学校を舞台に勝利条件を満たす血みどろの闘いが行われようとしていた。』

 涼君死にそうな予感がしまくっててヤバい。デスゲームでの親友ポジションは長生きできないって誰かが言ってた!
 ゲームが始まり、動き出すのはどうやら三話辺りからっぽいです。光輝の役職上、かなり長期戦になるのは確定的に明らか。このゲームに乗り気でない光輝にとっては望ましい役ですが、おそらく他のプレイヤーは嬉々として殺し合うんだろうなー…。
 ちょっと光輝の知り合いにフラグが立ち過ぎてる気がしてなんか…怖い。知り合い全員死んで闇堕ちする展開あるのでは?


   【人物】
 主役の光輝を初めとして、友人の涼、後輩の万理、血気盛んな火渡、リアリストな守。やっぱりというか、デスゲームものにおいて友人知人の類にはそれほどおかしなキャラは出ませんね。代わりとばかりにそれ以外がはしゃぎ始めるのも定番というかお決まりというか。
 全員の恐怖や困惑が充満している中で冷静に動けている人間が浮いて感じてしまうのは、やはり常人とは違った考え方をしているからでしょうか。
 文章が上手いからか、漫画でもないのにキャラクターの異質さや異端さといったものが漏れ出ている者が出始めています。未だプレイヤーの素性や性格も半分以上よくわかっていないままですが、現段階でも万理の胸中に秘めた恋慕や涼の友人想いな性分なども読者側からでも伝わるところは多く、心理描写は十二分に書かれていると感じました。


   【文章】
 前述の通り人物の心理描写は抜群でした。精神的に強い圧迫を受け続ける緊迫したデスゲームものではこういった部分をいかに細かく書けるかによって読み手の緊張感も違ってくると思います。そういう点でも、未だ心の未成熟な部分が多い高校生達の揺るぎ方に自分は読んでいて早くもハラハラし始めています。
 空けるべきところを空け、切るべきところできちんと切ってある文章構成にも高いレベルを感じ取りました。
 個人的に感じた部分としては、一つの文章における句読点というか単純に『、』が多いかなと。あまり必要の感じないところで句読点を挟むと読んでいく上で妙な引っ掛かりを覚えてしまいます。流れでするっと読ませてしまった方が頭に入りやすいと思った部分で多くこれが見られたので、繋げてしまった方が良いかもしれませんね。


   【ざっくり感想】
 全プレイヤーが勝つか負けるかまでやるとなるとかなり長いお話になりそうです。まだゲームも始まって間もなく、さほど大きなイベントも起きていない現状ではざっくり感想を書こうにもいかんともしがたいところですが、あまりハッピーなエンドにはなる気がしませんね。まあそれもデスゲームものの常といえばそこまでですが。
 本編とは別にルールの詳細やプレイヤーの名簿を用意してあるのがわかりやすくていいですね、人数も多いし、ちょっと役職の条件とかを思い出したい時に見れたりするのは助かります。ゲーム会場のマップまであるのは流石に驚きました、作り込んできている…!
 作者さんのコメントによれば次からゲームが本格的に動き出すらしいので、いよいよ期待の殺し合いが始まりますかね!…なんかこんな書き方してると自分サイコパスみたいだな。
 ともかく設定も文章も丁寧に作られているので、早いとこ続きお願いします!

     


   「ソナタ」   作者:三浦

   【作品内容】
 目が回る忙しさの中、精一杯読めたのは病院編開始の三十八話から四十九話、中盤くらいまでですかね。いや時間掛かってしまって申し訳ない……。
 この大長編も三回目の感想ということと、今回はマジで笑えないくらい時間が無かったという言い訳を寛容に受け入れて頂けると非常にありがたく、何が言いたいかと言えば項目を【ざっくり感想】にのみ絞って挙げることを許してほしいのです。済まぬ、済まぬ…!


   【ざっくり感想】
 突如として失踪した者達、手掛かりの先にあった病院、そしてそこで密かな噂となっている一つの怪談話。透輝大学病院を舞台に、新橋兄妹とそれを取り巻く人物達の波乱は静かに幕を開けるのだった。
 という感じで、今回はわりとシリアスーな空気でスタート致しました病院編。透や光、さくらに新キャラの真緒などを巻き込むは敵サイドとなる謎の研究グループ。
 これまでが歳の近い学生間での騒動が多かった今作品では、学生vs大人みたいな構図で対立していますね。規模や思惑も、大人達の野望だけあってかそれなりに大きそう。これもうギャグとして成立するレベルではなさそうですね、女児誘拐とかされてるし立派に事件だ事件!番長が黙ってねーぞオラー!なんでこんな肝心な時にいねーんだ北斗ォ!
 これまでもなんとなくギャグやコメディで済ませられてきた超人バトルが、ここに来てそれっぽい理由が判明してきました。ローズ遺伝子でしたか?ということは光や師匠、番長クラスの連中は全員これの影響が大きく出ている人達ってことですかね。ポンコツ殺し屋ズもそうっぽい。
 化物じみた身体能力がこの遺伝子で説明つくのなら、やっぱり光の双子である透もそれなりに強くなれる素質はあるってことですね。頼むぜお兄ちゃん、そろそろ主人公っぽいとこ見せてくれ。
 病院編に入ってからの新キャラは結構多いですね。最初は名前だけ出されて誰がどういうヤツなのかさっぱりわかりませんでしたが、一応それぞれのキャラクターを補足する話が出て来たのでなんとなくはわかりました。
 現状よくわかっていないのは木朽ですかね。この世界そこら中に殺し屋いるんだな……もしかして千歳や古代とも知り合いだったりするんでしょうか。あ、あと浅紫。
 それと石竹霙。所属としては透輝大学サイドの人間ということなんでしょうが、いまいち行動目的が判然としないです。何か切実な願望がありそうではありますが。
 単純な高校生サイドと大学病院サイドということになると、殺し屋の介入する事情はまた別のところにあるということになるんですかね。依頼の先が新橋家とさくらにあったことからすると全くの無関係というわけでもなさそう。
 なんだかんだ(家族的な意味で)両想いな新橋兄妹はとっても仲良しでニヤニヤしちゃいますねぇ。
 あとは、なんかボス的な空気の木村とかいう人物が未だ未登場なのが若干気掛かり。こんなロクでもない研究してるとこのボスなんだからきっとヤバいヤツに違いない!
 読んでいく分にはさほど問題無いのですが、どうも誤字が目につきますかね。勢いで打ち込んでいるのかもしれないですが、逐一文章は見直した方がいいですよ!『捕まる』が『掴まる』になってたるすると物理的に鷲掴みにされたのかと勘違いしてしまいかねないので。他の誤字も似たようなものでしたので、変換時に少し気を付けた方が良いかと。
 ちょっち短めになってしまい再三の謝罪を。仕事の合間に読んで書いてるのも中々大変なんですねーと痛感している今日この頃です…。

     


   「日替わり小説」   作者:天馬博士

   【作品内容】
 毎回締めに回って来るこの作品に関してですが、コメント等でも色々と意見を頂きありがとうございました!
 全体的に読み散らかしてフワッフワな感想を書くくらいであれば、どこぞに範囲を絞って読んだ内容を書いた方がいいかなという結論に達しました。
 というわけで、指定した感想日の週に更新された一週間分の日替わり小説七つを主として、鹽竈的感想を書き連ねることと致しましたので、そういう感じでよろしくお願いします!


   【ざっくり感想】

 『~日曜日(八月七日)~』
 甘酸っぺぇ…。
 いいですねーこういう青春がしたかったですよ僕ぁ。
 意図的に意識から外そうとしていたからこそ、潜在的に想い人のイメージを描いてしまったということでしょうかね。ていうかこれ先輩はどう思ってるんでしょうかね、両想いなのか、あるいは後輩君の片想いを知っててからかっているのか。後者であるなら甘酸っぱさの酸味がちょい強めになってしまいますがね…。

 『~月曜日(八月八日)~』
 いいですよね、流し素麺。食べるという一点においては無駄だらけ手間だらけですが、とても風流です。
 大勢の人間が流れて来る素麺を求めて殺到する様はまさしく地獄絵図でしょう。風情を楽しみたいのであれば無粋ですが、そうやって楽しみ競いながら食すのもまた一興。素麺の塊を取る取らないで一喜一憂できる彼らは一体なんなんだろう…(笑)。

 『~火曜日(八月九日)~』
 ヘッドハンティング(物理)。
 引き抜き(首)。
 この社員頭おかしい……ッ。
 一休さん的なお話かと思っていたら最後の下二行で絶句でした。社畜やり過ぎてサイコパスに変じたかな。ちょっとゾッとする小話でした。

 『~水曜日(八月十日)~』
 田舎のカラオケは学校の生徒しか使わないんですかね?自分もそこそこ田舎の生まれ育ちですがその辺よくわからないです、ラブホ代わりに使ってたりするってのはありますけどね。でも田舎民はパチスロ嗜んでる率高いのは確かかも。
 こういうささやかな悪戯、やる度に胸の奥がくすぐったくなるようなワクワクした気持ちになったのを思い出します。もう今は絶対味わえないんだろうな…。

 『~木曜日(八月十一日)~』
 えっ、どういうこと…?
 母ちゃんがすぐそこにいるのはわかりましたが、理解力低いせいで最後のところがよくわかりませんでした。背中におぶってたとかそういう…?

 『~金曜日(八月十二日)~』
 何かを一生懸命に祈ったり願ったりすると、実際に奇跡が起きたりするかもしれないってのは案外馬鹿に出来ない話かもしれませんね。もうテレビの前で必勝祈願しながら見てればいいじゃないですか。ついでに全員で座禅組んで。集中は出来無さそうだけど。

 『~土曜日(八月十三日)~』
 いますよね、こういう普段オドオドしているのに時折分かりづらい冗談を口にして悦に入る子。クラスに一人くらいはいるもんじゃなかろうか…。
 正直店長の身になってみると殴りたくなる気持ちも分かります。特に中学生辺りは年頃で大人を舐めている部分が強いですからね。軽口叩いて大人と渡り合えてる俺かっけーみたいな。

     


 …はい、第三回感想終わりましたー。
 まさかこんなに間が空いてしまうとは……すみませんでした。
 今年はありえないくらい仕事が詰め込まれてきている気がする…何が起きているんだ。
 まぁどうにかこうにか、こうして終わることは出来ました。えーと、八月十一日からだから…一ヵ月とちょっと掛かったわけですか。土下座しかないなこれ。
 さらに今月末からまた一ヵ月ほど仕事の関係上余所の土地へ赴かなくてはならなくなりまして。ええ感想は続けるんですけれども、多分スマホからの打ち込みになりますかね!
 ちょっと更新が遅れてしまうかもしれませんので、見てくださっている方々には申し訳ない限りではありますが、ご了承願いたい、です!
 それとコメントも溜まってきたので一緒にコメ返も更新しますね。こちらでも書いてはおきますが、もしもこの感想を見て不快な思いをした人がいたりした場合は、すぐさま閉じてしまってください。更新を挙げること自体はこれまで通り続けていくつもりですので、ご容赦を。
 さらに感想を欲しくない、あるいはクソみたいな感想で気分を害したという作者さんがいましたら、コメント等で遠慮なくお申し付けください。即刻その作者さんの作品への感想を自重し、以前に更新分の感想を書いていた場合はそちらも消去する所存でございます。
 さぁさぁお次は二十四日!そうです明日です!ストックある人はどんどんどうぞ!
 

       

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