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ニノべ・文芸小説感想
七月八日更新ニノべ感想

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 ・七月八日のニノべ更新・六作品。

 あの、はい、鹽竈しわひこです。
 感想第一回目ということで、ええ。こっそり始めようと思って当日を迎えてみれば、なんと驚き六つもあるではないですか。
 ……多いッ…!圧倒的文量…ッ!!
 正直予想外、三つくらいとタカを括っていた。ニノべ単体に絞って正解だったということですね。これで文芸まで欲張ってたら初回で失踪していました。
 頑張ると言った手前、頑張るしかないですね。ま、まあ?仕上げまでに二週間って先に書いといたし?まだまだ時間たっぷりあるし?別に焦ることねーし?
 というわけで今回更新してくださった作品はこちら↓。

 ・『Bro.com!』
 ・『欠けた天使の与能力(ゴッドブレス)』
 ・『形態消失』
 ・『どろまど!』
 ・『ソナタ』
 ・『日替わり小説』

 とりあえずあれですよ、ざっと六つ最初に流し読みしてみたんですよ。
 そしたら下二つがやべぇんですよ。
 うーん…順不同でやっていきますけど、下の二つに関してはある程度までを読んで、そこまでの感想を一旦挙げる形で切り上げになってしまうやもしれません。どんだけ大長編なのこれ、六十話ちょいまであるよ!?
 さてさて、前置きも済みまして。ようやく鹽竈のくっそセンスも語彙も無い感想を始めていきます。いや本当に、ド素人の戯言だと思って見てくだされば幸いです。

     


   「Bro.com!」   作者:キツヌコ先生

   【作品内容】
 第一回作品感想ということで全てが初見の自分。的外れな内容だったら許してください。

『 昨年に母を病気で亡くした主人公・絹子は、公務員試験合格を祝う宴の中で、父親の再婚の事実を知る。
 再婚相手の女性には子供がおり、その息子とは絹子と通う学校を同じくする友人・操鷺信太であった。
 その真実を前にして、絹子は親友であると信じていた相手への深い裏切りの念を想起する。』

 プロローグ段階ではこんなところでしょうか。


   【物語詳細】

   『プロローグ』
 内容に関しては前述の作品内容の通り。一から順繰りに読みながら書いている為、今後のことを一切わからないまま現時点での内容と指摘事項を挙げていく形になります。
 中身はちょっとドロッとした昼ドラみたいな気配を感じました。今後どうなるのか、この時点ではほとんどわかりません。気になるぅ。
 ただ、出て来る人物の頻度に対して説明が追い付いていないような印象を受けました。父親や姉妹などの主人公の家族や再婚相手の女性、居酒屋の店長。立ち位置はわかるけど具体的な外見描写などがほとんどないせいで、いまいちイメージしづらい感じがします。髪型や風貌、表情の変化などをちょこっと付け加えてくれるだけでもだいぶ脳内で情景が浮かび上がるかも。
 絹子にとっての操鷺信太の関係性が気になる辺りでプロローグは終了。


   『第一話 同居開始!』

『 父親の再婚相手とその息子との同居生活が始まるにあたり、絹子は欝々とした心境を友人の梨川來音へ吐露する。絹子は信太との絶縁を決定的なものとした『あの時』のことについて未だに思うところがあった。
 同居の日を迎え父親と姉妹達は操鷺親子を歓迎する空気の中、やはり絹子は信太への様々な感情を押さえ込むことができなかった。
 引っ越しの荷物整理を分担して行っていたその時、信太の一言により、二人の間で起きた『あの時』の記憶が再び激情と共に蘇る。』

 絹子がだいぶ男勝り。口調や言動、内面的にもヒロインというよりかはやはり主人公というポジションにしっくりきそうな女子。これって信太とのダブル主人公なんかな?まだわからん。
 お互いそうだけど、不器用過ぎだろ…。信太も相手が読むかどうか曖昧なブログに書くくらいなら『嫌いじゃないよ』の一言くらい会って言ってやれよ、同級生だろ。
 印象としては、信太も少女漫画のオトコノコ、って感じですかな。


   『第二話 波乱万丈!』

『 互いに抱え込んでいたものを解消し、ようやく一つの家族としてのまとまりを見せ始めた同居生活。しかし新たな問題も起き始めていたことを、自身を強く睨む多田家三姉妹の次女・郷重の視線を前に信太は確信する。
 さらに問題は学校生活でも発生し、苗字の変更や教師の態度、果ては信太の彼女である木田風喜の二人への懐疑にまで及び始めていた。』

 意味不明な言動を口走ってしまうことは現実の生活でも時々ありますが、意味不明な体操を始める人間はおそらくそうはいない。即興でそれを思い付ける絹子は只者ではないと思いました。命名センスも然り。元演劇部故の即応性か…。
 絹子が信太を好きになった経緯を知りたい。今のところそれらしいものが見当たらないし、普通に朝同級生男子を起こしに部屋へ入る絹子の胆力がやばい。お前もちょっと女子感出せや。
 そう考えると、妹大好きな次女やのほほんとする長女らが普通に女の子やってて可愛く思えて来る。
 そして初登場の彼女、風喜。コイツも面倒くさい女な気配がするぞぉ…今後の修羅場を期待してますハイ。


   『第三話 思春期故?』

『 少年少女、一つ屋根の下での同居生活には避けられぬ必然とも言うべきラッキースケベイベントも順調に消化し、新たな騒ぎの種と因縁を着々と育てていきながら、ふと信太は自らの好みの女性像に気付く。そして絹子に罵倒される。
 そんな折、絹子は美人であることで名高い信太の彼女である風喜から、突如としてショッピングモールへの同行を求め誘われる。時同じくして、友人二人から風喜と絹子との関係、その想いについて問い詰められていた。』

 絹子そんなに胸あったんか……。ちなみに鹽竈は背低くて胸が小さい子が好きです誰も訊いてないですねすいません。
 同級生女子の下着姿を目の当たりにしてすぐティッシュに手が伸びちゃう信太はとても学生らしい性欲の持ち主ですね。自己嫌悪に陥る必要は無いぞ!
 逆に絹子が彼に対してサバサバし過ぎてる感が否めない。お前ほんとに信太好きなの?って疑わしくなっちゃう。もう弟として確立してしまったのか。
 信太の友人二人は、それぞれチャラ男と真面目系ってキャラかな。バランス取れてる。今のとこ比護がやかましい。このまま賑やかし役で行くのかな。こういうキャラは、普段ふざけてるくせにたまに真面目くさった顔で良いこと言ったりするから油断ならん。
 木田風喜は現時点で彼氏思いの可愛い女子だけど、正直嫌な予感しかしない。絶対病んでるでしょこの子。いやーこの先が怖い。


   『第四話 修羅場也!』

『 所属しているバスケ部の集まりの為に朝早くから家を出る信太。弁当を忘れたことで仕方なしに絹子があとを追うも、そこで目撃したのは体育館裏で顔を隠した複数の男子生徒に囲われ今まさに暴行を受けかけていた信太の窮地だった。
 かろうじてリンチの間際で教師を呼んだ絹子の機転によって危機を脱したものの、二人にはその顔も知れない男子達の正体に心当たりがあった。
 状況を理解する間もなく次いで絹子の耳に入ったのは、なんと自分と信太が付き合っているという、根も葉もない噂話のこと。
 同様に噂のことを知った信太も噂の出所を求め友人らと推理に推理を重ねるも、出たのはそれこそ何の根拠もない可能性の一つ。
 そして、その可能性が正しかったのを、二人はすぐに思い知らされる』

 小川がイケメンの片鱗見せてきたな、口調からして結構な御仁だと予想してはいましたが。
 あと美香ちゃん可愛い。なんなの、絹子があまりに男勝りな性格してるせいで可愛い女の子が寄ってきてるんですかい?こんなん小川しか得しない状況じゃないか。
 もう風喜に関してはヤるだけヤってから別れればいいよ、エロいんだから(ゲス顔)
 しかしまあ、疑わしかったのはわかるが顔面痣だらけになるまでボコされた比護ェ…流石に同情しなくもないですかね…。
 ってか信太が無能すぎないかなぁ。もうちょっとなんか考え絞れば良い案出せただろ!絹子に出番取られっぱなしじゃねぇか!
 彼女が怖くて家にまで押し入られ、果てに一線超えるところだったとかどうなってんの。このままだと包丁で刺されるのも時間の問題な気がしてきましたね…。


   『第五話 解答要求!』

『 好きでもない女とも別れられず、同居している女への想いも不明瞭なまま。自分自身への嫌悪を覚えてならない信太は、何気なく放った一言に酷く激昂した母からの張り手を受け茫然自失と化していた。
 たまたま場に居合わせ、状況をなんとか収めてくれた絹子へ、信太は感謝と共に風喜と別れることを告げる。
 その夜、絹子は転校してしまってから音信不通となっていた演劇部部長との久方ぶりの会話に興じていた。そして彼女との会話の中で、思いもよらぬ疑問が浮上した。
 父親は、本当に再婚をしていたのか?
 まるで考えもしなかった疑いを抱えたまま、絹子はいるはずのない人物の影を認め、ただ静かに驚愕する。
 思い出すのは生前、笑って自らの死期を語った母の姿。
 絹子は父に投げ掛ける。部長が言っていた、事の大元へ至る起源の問いを。』

 なんか怖くなってきました。この話ホラーだったの?
 よくわからなくなってきたけど、どうやら明美さんも内に闇を抱えている様子。やたら達観している絹子がもう姉ポジ確定させてきてる。
 それと、絹子は一体誰を見たのか。なんかヤバそうな相手らしいけど、この時点ではさっぱりわかりません。
 父親が操鷺家との再婚(?)をしたのは、どうやら生前母親が言った遺言が関連している模様。どういう事情があったのでしょうか。次回明かされるのか。


   【人物】
 会話においてその人間の性格や心情を察することは出来ますが、やはり外見の説明が欲しかったりする部分が多くありました。
 第二話にて、学校へ行く準備をする絹子へ向けて何気なく言った信太の『なあ、髪の毛括るの止めたら?』という台詞で、ようやく絹子が髪になんらかの束ね方を施しているのがわかりました。そもそも髪が長いのか短いのか、それすらわからない状態だったので。
 全部見てから人物紹介のイラストを見ましたが、やっぱり脳内でイメージしていた印象と差のあるキャラが何人か。文章のみの表現しか許されない小説では、そういった細かなところ一つ一つが重要になるんじゃないかな、と感じます。
 昼ドラチックな内容らしく、自分勝手だったり不安定だったりするキャラが目立ちますね。今後どうなるのかそわそわしながら見てました。信太はいつ男らしさを発揮してくれるのか、ひとまず絹子超えを期待します。


   【文章】
 一人称視点で進む今作品は、人物の感情が読みやすくていい。相手も何を思ってるどんなヤツなのか、わかりやすい挙動や言動をしてくれてキャラクターの把握もし易い。
 ただ、場面転換する時はなんらかの区切りを挟んでほしかったです。次の文ではもう違うところで何かしていたりするので、一瞬戸惑いました。それと同様に、交互に移り変わる絹子と信太の視点転換もです。
 まあこの辺は単純に読解力の無いこちらに非があるだけなんですがね。ふふっ、死にたくなる。


   【ざっくり感想】
 最初に言うと、自分こと鹽竈は純愛系が大好きです。そして昼ドラは苦手です。女のヒステリーとか怖いもの。
 そういう意味では、この昼ドラ空間を形成している原因に近い信太も正直苦手になります。言いたいことくらいはっきり言えよ、となるので。社会に出れば無理なことも多いですが、好き放題ぶちまけられるのも学生なればこその特権ではないでしょうか。
 しかしこの作品、家庭事情も絡んでドロドロ展開に拍車が掛かっています。どこまでどれくらい沈み込んでいくのか、こうなると不安どころか期待すら覚えます。バッドエンドになるのかなぁ。
 作中で未だ明かされていないことが多く、ここからようやく再婚紛いの真相が暴かれたり様々な人物の本性なり本心なりが出て来るのだろうと予感します。
 最新話でいきなりホラーテイストになってきたので身震い。夏場に読む内容としては意図せず涼を得ることとなりました。次辺りがまた重そうなので覚悟して待ちます。

     


   「欠けた天使の与能力(ゴッドブレス)」   作者:滝杉こげお

   【作品内容】
 タイトル通り、何かが欠けた天使のお話、らしい?こちらも完全初見で一話ごとにポツポツ感想書きながら進めている為、何もわからず。
 一話を読んだ段階では、主人公は神を目指す候補の一人。そして努力家であり自身の努力を虚無と捉える偏屈な天使。なんでそんな性格なのかは、まあ物語詳細で書きます。
 …考えてみたら全部完全初見なのに、作品内容なんて詳しく書けるわけがない。この項目もしかしていらなくない?


   【物語詳細】

   『第一話 欠けた天使は夢を見る』

『 天使とは神が神たらんとして捨て去った感情の一部を核として存在する者。そして核となった感情を、その天使は持たない。
 「達成感」を核として育った天使アーエルは、次代の神の座にもっとも近い少年だった。それだけの努力と成果を積み重ねてきたからだ。
 しかし彼はそれを善しとはしていなかった。どれだけ死にもの狂いで努力し続けても、どれだけの実績を上げてきても、「達成感」を持たない彼の心は動かない。
 そんな苦痛の日々も、ようやく終わりを迎える。
 次代の神を選定する、翌日の生誕祭。もっとも有力視されてきた彼が完全なる存在となるのだ。』

 達成感は感情に含まれるのか。まあ、感ずる情という意味ではそうなるんですね。
 基本負の感情を核とする天使の中では運が悪かったという他ないアーエル。でも怒りや悲しみの無い天使も、それはそれで不憫かな。
 神となる為の内申点を上げる為なのか外面を優等生で固めるアーエルは、自らの恵まれた環境も境遇も幸福には感じていない。達成感の欠陥をともかくとしても、裕福な生活送れてるんだから幸せくらい感じてもいいんじゃない?
 持つ者には持たざる者の気持ちは知れないってことですかね。自分も持つ者の気分なんて知りませんし。


   『第二話 何かの足音』

『 自らの本質を押し隠し、ただひたすらに神へ至る為の努力を押し通してきたアーエルは、生誕祭及び継承式のある当日の朝、弟オーエルから意味深な一言を送られる。オーエルの持つある能力のことから、アーエルはその言葉の真意を図りかねていた。
 神になるのは間違いなく自分だ。そう信じて疑わないアーエルの心の片隅には、ほんの僅かな不安があった。もし、もし万が一にでも神になれなかったとしたら、その時自分はどうしたらいいのか。欠陥品でしかないこの自分が何も手に出来なかったら。
 それを杞憂と笑い飛ばすこともできず、ついにアーエルを含む神候補三名は今代神の座す部屋へと足を踏み入れた。』

 天使にもサイズの大小があるんですね。皆人間サイズではないと。
 オーエルだけなんでそんな能力を有しているのか、アーエルやウーエルには本当に何の能力もないのか、気になるとこです。
 あとアーエルにはもう一人のボクとかいるの?もしかしてこっそり千年パズル完成させちゃった?
 これがただの妄想によるものなのか、果たして本当になんらかの人格が潜んでいるのか。わかりませんが大変だなお兄ちゃん。心労で胃に穴空きそう。
 存分にフラグを立てて、神様のところへ向かうまでで二話終了。


   『第三話 崩れた天使の向かう先』

『 神の間にて、ついに神自身の口から次の神が示される。しかも此度の神は二人。唯一絶対の存在である神が一度に二名選ばれることの異例さに戸惑いを見せるアーエルの前で、神はその者らの名を呼ぶ。
 それは、アーエルを絶望に底に叩きつけるに充分な宣告であった。』

 二名を選んだ意図はなんなのだろうか、未熟だから二人で一人前の神扱いとか?
 あまりのショックで壊れた様子のアーエルが今後何をするのか恐ろしい。神様と兄弟を殺しに行くのか…?
 天使は皆アーエルの言い分からすれば欠陥品になるんだけど、なんてアーエルだけこんな病的に追い詰められてるんでしょう。神の候補であるからか、それこそ達成感無きことが原因なのか。でもそれを言うとウ―エルとオーエルがあまりにも平然とし過ぎてる気も。
 ウシエル良い人すぎ。こういう有能執事的な人は大体いいとこ持ってきますよね。


   『第四話 最後の日常』

『 悲壮と怨嗟に固められた決意を胸にして、アーエルは普段通りの日常を送る。これが最後の
平穏だと噛み締めながら。
 つつがなく一日の授業を終えて、ついにその時はやってきた。
 アーエルは向かう。神の社へ、全てを終わらせる為に』

 サスペンスじみてきました。神様殺す気みたいだけど、ガタイの差がハンパないのでは?普通に殴り掛かっても返り討ちにされそうですけど…。
 自分が頑張って死にもの狂いで続けてきたことが水泡に帰すと、こんなことになるんですね。怖い。達成感無くても努力が無駄に終わったことには憤る辺り、充分人格的には完成できてるようにも思えますが、あくまでもアーエルの中で自分の存在は欠陥品のようです。


   『第五話 与能力(ゴッドブレス)』

『 自分を神に選ばなかった今代神へとアーエルは復讐へ向かう。その為に必要な神の能力を手にする為に、まずすべきは神との交渉。
 ところが一筋縄にはいかないと考えていた能力の譲渡はアーエルの巧みな話術によってなんと実現されてしまう。
 神の手によって直々に能力を与えられたアーエルはそのまま意識を深く沈み込んでいく。なんの言葉も残せぬまま、その身は下界へ落ちていった。』

 神様はアーエルの思惑を見抜いているのかどうか。全能の力でもその辺り完全にはわからないっぽいですけど、もし本当にわからなくて善意で能力あげたんだとしたらかなりのお人好しだと思います。ところで神様は感情を捨てて天使を作ったらしいけど、あの神様普通に感情出まくってますよね?捨てた感情も全能で取り戻したのかな。
 次から話は天界から下界へ?もう少し天界のこと描写したり掘り下げたりしてほしかった感もあるけど、まあ多分下界行ってからがメインなんだろうし仕方ないですか。


   『第六話 見えない真意と見えない未来』

『 能力を受け取り、受肉して下界へ降り立ったアーエルは、その力を持って神への復讐を再度誓う。しかしこの時、自身に宿ったはずの能力が使用できないことに気付いた。
 その頃天界では、アーエルへの能力譲渡に憤るウ―エルが神へ直談判していた。そんなウ―エルを宥め、神は自分の一部を分け与えた能天使と呼ばれる特殊な天使を呼び出す。その者は天界でアーエルの担任を受け持っていた教師カシエルだった。
 カシエルは神命を受け、下界のアーエルのもとへ向かう。』

 ちょっとこの段階で気になった点がいくつか。
 まずウ―エルのアーエルへの呼び方変わってません。兄ぃじゃなくて兄貴って呼んでなかったかお前。
 あとなんでオーエルは神になって『自負』を取り戻してるのにウ―エルはまだ『平穏』を失ったままなんだろう。同じ立場のはずなのにウ―エルは未だ闘争を求める平穏無き戦闘民族状態だ。
 そして能天使のカシエル。能天使は神から離れることが出来ないはずでは?でも普通に下界行けるっぽい。このあと明かされるのかな。
 やっぱり神は知ってたんですね、アーエルの本心。これから下界で心を洗ってきてもらおうって魂胆なのか、それともまた違う目的があったりするのか…。


   『第七話 模索』

『 下界に降りたアーエルを襲った最初の苦難は、空腹。
 強い飢餓感にアーエルはその行いが人間の世界でも罪にあたるとわかっていながらも八百屋の品物を無断で食べて捕まってしまう。
 散々絞られた後に解放されたアーエルは、ふとポケットの中に入っていた物に気付く。それは天界でのクラスメイト、ハミエルという女の子がくれたお手製クッキーだった。
 空腹に促されるままにそれを貪り喰らうアーエルは、その最中に溢れ出てきた涙の原因をわからずにいた。』

 いまいち天界と下界の感覚がわからないですね。天界にも道路があったようだけど、ということは自転車なり自動車なりあったのでは?と思ってしまった。アーエルの言い方からしてそれらは無かったっぽいけど。
 家の形とか生活基盤とかは一体どこの国のものなのか。スープだのを朝食にしているって辺りから日本とかではなさそう。西洋の圏内から天界は形作られているのかな?
 神様も着の身着のままで下界に放り込むなよ可哀想だろ…。


   『第八話 打算×純真』

『 極度の疲労と空腹によって気絶したアーエルは、知らない天井を見上げ意識を取り戻す。
 やたら厚遇されていた状況を作り出していたのは、倒れていたアーエルを家に連れ込み介抱をした人間、木野栄田。彼は純粋な善意からアーエルを助け、それどころかこの家に泊まって体を休めることを提案する。
 母親共々押しに押されてその提案を受けたアーエル。自身の正体を明かしていたその時、手の発光から能力の発現を確信する。
 神がアーエルへ譲渡した能力は他者へ能力を与える力、「与能力(ゴッドブレス)」。
 自分が能力を使えるわけではないことに落胆し、それでもこの能力で神への復讐を遂げようとするアーエルは当面の「与能力」の実験体として栄田を契約者に決めたのだった。』

 このご時世に疑いたくなるほどの善意の持ち主、木野栄田の登場。正直ここまで優しい人間はかえって怪しい。なんか思惑ありそう。
 第八話にてようやくタイトルの能力出現。能力を与える能力とはまたなんとも使いどころの難しい力。よっぽどの信頼関係が無いと与えた瞬間謀反を起こされそうですね。
 しかし天界とか神とか能力とか、なんとも植木の法則を思い出しますね。あれは面白かった。
 この作品は今後どう進んでいくのでしょう。バトル物になったりする?


   『第九話 付与能力』

『 契約を交わし、四つある内から栄田が選んだ能力は自身の身体能力を倍にする力。
 能力の詳しい部分を調べる為に公園へ来た二人は、そこでボールを木の枝に引っ掛けてしまい困っている子供達を見つける。根っからの善人である栄田はそれを見逃せず、能力を使って取ってあげた。
 子供達に憧憬の眼差しで見つめられ持て囃される栄田。能力の露見を恐れたアーエルはその場からの離脱を実行しようとするが、子供の何気ない一言に怒り露わに手を出し掛ける。それを、身体能力の上がった栄田が止めるのだった。』

 達成感無き天使の沸点低すぎて笑う。復讐に駆られて焦るのもわかるけど、もうちょい理性を働かせた方がいいと思います。仮にも天界ではうまくやれてたんだから。
 神はアーエルの更生を望んで下界追放と能力譲渡を行った模様。確かに下界で生き抜く為にも復讐を果たす為にも、与えた能力的にも誰かを頼らねばならないのは間違いない。その中で、嘘で塗り固めて来た自分を見つめ直せということでしょうか。
 とりあえず子供のあしらい方くらいは覚えましょうね。


   『第十話 怠慢無き天使』

『 子供から引き離されたあと、アーエルは自らの大人げない行動を反省する。それから、栄田の提案で能力を変更して別の力を試してみることを決める。
 しかしせっかくの能力も使うことなくただひたすらに人助けを続ける栄田に、アーエルは純粋な疑問をぶつけた。
 一方、天界ではある一人の天使が動き始めていた。自らの役割を一分一秒きっちり無駄なく果たす怠慢無き天使・カシエルである。
 カシエルの下界降下を影から見据えている者もまた一人。新たな神となったアーエルの弟であるオーエルが、得たばかりの力を振るって兄の為に何事かを起こす。』

 オーエルの兄への想いはちょっと度が過ぎてないですか?ちょっと病んでない?唯一兄弟でマトモな子だと思ってたのに違ったかな…。
 能力変更の際、時刻は正午を回っていると言っていたけど、その使い方について話し始めた時にはもう六時を回っているとなっていたのが気になります。まさか与能力が完了するまで数時間も掛かったわけではないでしょうし、描写がすっ飛んでいるような気がしました。
 カシエルは何しに来るんでしょうかね。天界からでもアーエルの様子くらいなら視れるだろうし、わざわざ干渉しに行くにしてもまだ早過ぎるような。アーエル下界に降りてからまだ一日二日そこらでしたよね?
 この英雄に憧れる少年のような純粋無垢な木野栄田の善行思想は一体どこから端を発するものなのか。次回でそれが明かされるようです。


   『第十一話 エイダの過去~底辺ヒーロー1~』

『 栄田の過去、それは学校でも孤独で他生徒との接点といえばパシリに走らされる程度の関係しかない、無味乾燥な生活。
 家に帰っても独り、何をするでもなくテレビを見て横になるだけのクリスマス・イヴ。連日世間を騒がせているものの、栄田にはさして興味も湧かない絞殺魔のニュースを聞き流しながら、陰鬱とした気分の中でつけたばかりのテレビの電源を切るのだった。』

 快活な少年が実は友達皆無の悲しい学校生活を送っていたという真実。おそらくここから何らかの転機を迎えて栄田は変わるのでしょう。
 この絞殺魔の存在が少し怖い。絶対今後関わってくるよコイツ、鹽竈のフラグセンサーがビンビン反応してるもん!
 十一話は少し短めで、次回更新は鈍意製作中というユニークな一文と共に未定。近い内に更新されるといいですが。


   【人物】
 今の段階では、大半の人物の腹の内がわからなくて若干落ち着かない。アーエルは流石に主人公なだけあって心情描写も多く大体の内面と考えはわかりましたが、神・オーエル・カシエル辺りはなんかまだ隠してる部分がありそうでなんとももどかしい。
 逆にウーエルとかは単純にエリートな兄貴に勝ちたいとか戦いたいとかいう戦闘民族思考でわかりやすい。こういうヤツの方が好きです自分は。
 ただ、物語詳細の中でも書いた通り、何故ウーエルは欠けていた『平穏』を取り戻していないのかが気になる。オーエルは『自負』を取り戻して自信に満ち溢れていたから、逆にウ―エルはもう少し落ち着いていてもおかしくないはずでは?と終始思っていました。
 ハミエルちゃんに出番もっとあげてぇ!この子一応ヒロインのポジションじゃないんですか!?今んとこクッキーでアーエルが命拾いしたくらいしか活躍無いよ!
 下界で出会った契約者は木野栄田。そしてその母親は人物紹介によると木野熱子らしいです。じゃあ亡くなったらしい父親の名前は木野発破(きのはっぱ)とかですかね!こんなこと考えててもおそらくお父さんの出番は無いでしょうが。


   【文章】
 情景や人物などの表現も最低限こなしてあって脳内でイメージしやすい文章でした。特に主人公アーエルのドロッとした心情などはこれでもかと詰め込んであったので、ああこんなに神になることに焦がれていたんだなと、だからこその復讐にも頷けました。
 ただ前の話や文章との食い違いや矛盾を見かける部分もあったので(正午だったはずなのに六時を回っていたり、いきなり場面が飛んだように感じたりした等)、その辺りは何かもう少し文章を足すなりして読者に補完させてくれると嬉しいです。


   【ざっくり感想】
 今後の展開がどう転んでいくのか読めません。王道で行けば栄田との生活の中で負の感情を洗い直して改心とかかな。逆に王道を外れるのならこのまま復讐で天界壊滅になりそうです。どんな展開になってもおかしくないのがワクワクしますよね。最近はバッドエンドなお話っていうのも珍しくありませんし。
 天界全てにおいて構成というか構造をもう少し詳しく知りたかったのはありますかね。下界の影響を強く受けているらしいけど、住んでいるのが羽で空を飛べる天使達である以上はぶっちゃけ道路とか必要ないわけですし。そういうのがどうしても気になっちゃうヤツなんです鹽竈っていう愚者は。
 下界の友人や神や兄弟や教師、アーエルを中心にそれらの関係がこれからどう動き変化していくのかが見物ですね。復讐を誓う堕ちた天使の顛末や如何に。

     


   「形態消失」   作者:ユウヅル

   【ざっくり感想】
 ええはい、作品内容・物語詳細・人物・文章。書けませんでした!でも謝りません!だってこれ、多分小説に分類されないヤツだもん!!
 終始Twitterの呟きを眺めている気分でした。というより、この話の中でも何度か出てきていた単語だし、もしかしたら本当に呟き気分で投稿更新しているだけなのかもしれません。
 主役もわからないし、状況も、背景も関係性もほとんどわかりません。というより情報量自体があまりにも少なく考察すら困難。
 あんまりこんなこと書きたくありませんけど、一応『小説感想』としてここで作品について触れて感想を書き連ねているわけでして、小説と認められないものの感想は書けないのです。
 十分あれば読み終えられる程度の内容ですが、読んでみて思ったことはあります。
 おそらくですが、文章力はそこそこあります。この中にあるのは粗雑な文章ですが、時折見せる表現の仕方辺りからして、本気で作品を作ろうと思えばちゃんとしたのが作れる人だと感じました。気のせいかもしれませんけど。
 というわけで、短いですがこの『形態消失』というものについての感想は終了とさせて頂きます。もし次に更新日合わせてもらっても、これ以上書けることなさそうですが…。

     


   「どろまど!」   作者:宮城毒素

   【作品内容】
 刃物を研ぐという変わった趣味を持つ高校二年生の少女のお話。何故彼女が刃物を砥ぐのか、持つのか。それは一体何の為か。相も変わらず完全初見でいきます。
 トップ絵の少女が主人公の娘ですかね、可愛い。


   【物語詳細】

   『とある少女のどろまど』

『 少女は七歳の誕生日に高価なナイフを母親から貰った。
 以来、彼女は刃物に没頭していった。刃物を買い、砥石を買い、暇さえあれば砥ぐことに昼夜を遣い潰す日々。それは周囲の者達から見れば異様でしかなかった。しかし少女は砥ぐことをやめない。曰く、ただの趣味だから。
 そんな彼女は、きたる四月一日…すなわち世に言うエイプリルフールを前にして思うところがあった。
 一年で唯一嘘を吐いていい日に現れる殺人鬼、少女の母親を殺した撲殺タイムと呼ばれる猟奇的な狂人への復讐。
 自分の刃は、それを振るう身は、あるいはこの日に現れる母親の仇を斬り殺す為に砥ぎ磨かれ続けていたのではないか?そんな自身への答えを求め、少女は仇殺しの刃を念入りに選定し始める。』

 母親はどうしてこの子に刃物を渡したのでしょうか?何か狙いがあったのか。そして刃物にドハマりした少女もなんだかおかしい。男の子ならそういうものにカッコよさやロマン的なものを感じるのもわかりますが、女の子ですよね?普通は嫌いそうだけど…。
 この世界はどこか普通じゃない気配があります。エイプリルフールの一日で一年の犯罪件数の半分を占めるとかどうなってんの。怖い、外出れない。
 そして一日に数百人殺しても未だ捕まっていない撲殺タイムなる殺人鬼も化物過ぎる。これ一介の女子高生で太刀打ち出来る相手じゃないよね?
 即座に復讐を思いつく少女にも、どこかした狂気じみたものを感じつつ、一話は終了。


   『とあるマスターのどろまど』

『 男は幸運にも宝くじを当てた。
 大金に群がって来る様々な亡者共を押し退けて、彼は勤めていた会社を辞めるとささやかな願望を現実のものとした。喫茶店の経営である。
 無口ではあるが愛想にはさほど問題のない彼の喫茶店は細々と続けられ、常連も少しずつ出来始めていた。
 しかし理想とする喫茶店との差異に僅か頭を悩ませる彼の店に、とある客がやってきた。
 いやそれは客などではなく、狼のお面を被った上半身裸という異様な出で立ちの大男…血に汚れた金属バットを肩に担ぐ殺人鬼―――撲殺タイムだった。』

 たった一日で全国各地を暴れ回るなんてどんな怪物だよ…と思っていたら、やっぱりそれは一人の犯罪者が行ったものではなく、エイプリルフールという日の奇怪な狂風に当てられた者達の引き起こす騒動…いわば現象の一つだったと。
 人は死を目前にすると生殖の本能が働いて勃起したり濡れたりするらしいですけど、これもそういうことなんですかねマスター?自分の死に感じたりする変態じゃないですよね大丈夫ですよね?
 前回の少女の話から一転、まるで違うお話になったわけですが、もしかしてこれそれぞれ違う主人公にスポットが当たる群像劇みたいな展開になっていくんですかね。となると次のお話も少女やマスターとは違う誰かになる…ということ?


   『とある彼女のどろまど』

『 一人の少女は一人の少年に恋をした。善は急げで告白をしたらば即座に了承を貰い、彼女らはカップルとして成立した。だが、彼女の精神は一目惚れした少年に傾き過ぎていた。
 度の過ぎた行動に少年は別れを切り出し、あまりのショックに少女は立姿で気絶する。
 傷心の少女は町を彷徨い、その途中でバイクに乗った男に声を掛けられる。あっさりと引っ掛かった少女はバイクに跨り遠くの廃工場まで連れて行かれ、そこで異常なまでの悪臭に顔を顰めた。
 その悪臭の根源は、絶命から発される死臭。少女がそれに気付くのは、引き返すことなど到底叶わない段階まで進んでしまってからだった。』

 この世界にはどっかしらネジが一本二本飛んでる人しかいないの?今回のお話の主人公、琴子ちゃんは明らかにヤンデレの素質があります。
 バイクの男は例の『撲殺タイム』に関与している者の一人なのでしょうか?どうも人々が犯罪を起こすことに抵抗の薄い世界のような気がして、しかもそれを当然のように受け入れられたような状況が展開されていることに薄ら寒さを感じています。知っている風景なのにどこか違和感を覚えてしまうような、そんな感じ。
 少しずつ人間関係の繋がりが見えてきたところで、三話も終わり。多分次も違う人がメインで話が展開されるのか、それともある程度主要な人物を出したところでまた少女に戻るのか。


   【人物】
 今のところ、きちんと名前が出ているのは犬飼健志と琴子、狭間灯火くらいかな?あとは刃物好き少女、マスター、『撲殺タイム』の異常者共。その他モブ。
 この名前の有無は関係あるのか。主要メンバーでも名前が明確になっているのといないのがいるのが少し気になる。なんらかの分別が付けられているのですかな。
 ちょっと不気味なほどに偏りのある人達ばかりです。マスターが一番まともかな。
 それぞれが色々な方面から動き出して、おそらく最終的には『撲殺タイム』へと合流するんだとは思いますが、大体が負の感情しか持ち合わせていないのが恐ろしいところ。ネジ飛んだ連中が集まって惨劇にならないことを願います。


   【文章】
 短い文の中でもその人となりがよくわかった。キャラクター性をいち早く理解できるとその後の発言や行動にも違和感なく頷けたりするので、こういうのを長ったらしくしないでさくっと説明できてしまう文才は羨ましい。
 特徴の強いキャラが多く、そこに秘められた感情もよく押し出されている。判断や行動が常人離れして早すぎるのは、やはり彼ら彼女らの異質さ故なのでしょうか。普通思い立ったその日に復讐をしようとは思わないはず…ですし。
 やはりどうにも目についてしまうのは登場人物の常識の無さというか、結構な人数を殺してきた女の子を喫茶店に連れて来て働かせようとする犬飼少年もなんだかおかしいし、そもそもまだ学生なのに社会復帰も何もなくない?


   【ざっくり感想】
 読んでて気になったのは、時系列のこと。多分登場人物皆同じ時間での話じゃないですよね?
 マスターの話では犬飼少年は高校に上がったばかりで一年生のはずだけど、琴子の話では二年生の先輩となっている。この開いた一年はどういうことなんでしょうか。そしてこうなると高校二年生だった刃物好き少女も犬飼少年と同い年かどうかも怪しくなってきます。っていうかこの学生達は同じ学校なのかな?
 たったの一日で一年に起きる犯罪の半分を消化してしまう凄まじい世界。こんなの誰も外出歩けないじゃないですかーやだー!
 でも真面目な話、こんな異常な集団心理に侵される人達もどっかおかしい気がしてならない。もう『撲殺タイム』っていう心因性の病気か何かじゃない?ってレベル。
 今後は因縁のある人達で『撲殺タイム』の根絶にでも挑むんでしょうか。でもキリがなさそう。うーん、主要登場人物がこれだけで済むとは限りませんし、まだなんとも言えないですね。先がいまいち読めない。人物達が合流するの楽しみですね。するよね?(威圧)。

     


   「ソナタ」   作者:三浦

   【作品内容】
 事なかれ主義の透と、ストレス発散に喧嘩を選ぶお転婆な光、双子の新橋兄妹。この二人にはある秘密があった。
 気弱な兄に代わりことあるごとに荒事へ立ち向かい(あるいは自ら突っ込み)、その悪評を一身に浴び続ける苦労人の透。それは小学生の頃から始まり、そして高校に上がった今になっても変わらず続いていた。
 …めちゃくちゃ長い今作品、同時に家にも帰れぬ激務となった私情も折り重なりまして、少々当初の期限より伸びる形になりそうでしたが、ひとまずキリよく十五話まで読みました。今後の話数も考えて、この作品は【物語詳細】の項目を外してやっていこうと思います。そうじゃないと鹽竈が死んでしまいます。


   【人物】
 一癖も二癖もある登場人物がどんどん出て来て息つく間も無い感じですね、サブからモブまでしっかりクセを与えてある部分がとても良いと思いました。マジヤベーの人とか台詞だけでわかっちゃうから読んでる側もぶっちゃけ楽です。
 新橋兄妹の掛け合いも面白い。殴られるのわかってるのに煽るような口を叩いてしまう兄の口振りも笑いを誘う。
 殺し屋とか霊能力者とか、どういう世界なんだと言わざるを得ない。千歳なんかは最初強そうな敵キャラで登場する癖に一戦交えてからはポンコツ化する典型的なキャラだと思いました。嫌いじゃない。
 こんな風にキャラが増えてドタバタしてくる話は好きなので、このままの流れで行ってくれるのであれば鹽竈的には嬉しいですね。


   【文章】
 特に大きな問題は無いかと思われます。でも文頭は一字空けた方がいいかな、読み手にとってはそれがいいかと感じました。
 第三者視点の中にそれぞれキャラの観点から感情や状況が伝えられてくるのはいいんですが、時折読みづらくなってしまっている所も見受けられました。キャラの言葉はいっそカッコで括った方がいいかもしれません。
 言い回しが独特で楽しい。デブった光の身体描写とかにいちいち悪意が混ぜられた説明になっているのとかクスッとしました。ボンレスハム。
 あとは…例えがよくわからない場面が多かったかな。無理せず無難な例えでいいと思うのですが、変に捻ったモノの例えをするとピンと来なくなって読むペースが著しく低下してしまう恐れが生じます。
 それから一つの文章に同じ人名が数度出たりすると不自然な文になってしまうので、その辺りも気を付けた方がいいかと。お腹が腹痛みたいに意味被りのある文もいくつか見受けられたので、やはり一度投稿する前に自身で再度見直して、あるいは口に出して読んでみると違和感や不自然と感じ取りやすいかもしれませんね。


   【ざっくり感想】
 まだ全体の半分…の半分も読めていませんが、この段階でも正直面白いと思っています。キャラの掛け合いが個人的には一番好きですね。鉛戦で四季が放った「脱糞して何かが変わったとでもいうの!?」は噴き出してしまいました。こんなん笑うわ。
 でも、世界観がいま一つよくわからなかったです。殺し屋はともかくとして、学校内でナイフぶっ飛ばしてるのに生徒が平然としてるのがちょっと違和感。強キャラの身体スペックが人並み外れて化物じみているのも怖い。ギャグと捉えればそれまでだけど、グラウンドや体育館で決闘やってる時の描写は普通に日常系を越えていました。
 その時に出て来る人物の個性をしっかり出した上で次に繋げるタイミングはとても上手で、とんとん拍子に小気味良く次の話へ進めるのは良かったです。その前に出た人を蔑ろにしないでちゃんと出してくれるのもグッドかなーって。
 まだ序盤ですが、もし余裕があれば今後の更新で読み進めた部分を上げたりするかもしれません。結構面白くて、多分このまま暇を見つけて読了目指すと思います。でも今回は十五話時点で許してね、思った以上に忙しくってね。

     


   「日替わり小説」   作者:天馬博士

   【作品内容】
 うーん、これに関しては本当に難しい。区切り所もわからないし、どこまでというよりかは、これそのものを対象に感想を書くしかない。
 しかし凄い。これ毎日やってるんですよね。短編とはいえ毎日更新しているのは尋常じゃないと思います。天馬博士先生は長編とかやられないんですか?これだけ書けるのであればきちんとした物語も作れるように思いますが…。

   【ざっくり感想】
 とても難しい。できれば一つ一つ挙げて感想を書いていきたいんですが、量があまりにも多すぎてそうもいかず。
 タイトルの通り、その日ごとに様々な方向やジャンルで短編を更新していく猛者の所業。時に自己啓発本のような内容であったり、時にミステリーであったりホラーであったりラブコメであったりとまさしく多種多様です。
 一体このお方はどういう思惑でこれを行っているんでしょうか。通常、自分だけの物語や世界を連続性を持って展開していきたいと思うのが創作者の総意というか願望であると勝手に思っていたりするのですが、この人にはそれがまったく無いようです。恐ろしいようで羨ましいようで、いま一つ掴めない部分のある謎多き作者さんと作品です。
 そして肝心の作品、その内容なのですが…、
 台詞ばかりで地の文が無い、肝心の部分を言及していない、示している人物の像が曖昧でわからない、情景描写が雑でイメージ出来ない、発言が意味不明、キャラがブレまくり、展開の仕方がめちゃくちゃ。
 ……等の文句が、一切出せません!いや出したいわけでもないんですけど!
 というより、おそらく意図的にそうしているであろう内容を狙っている感が強いのです。流石にこれだけの大量短編、同じ書き方だけでは飽きを誘ってしまうのは必定。あえて崩し、あえて雑にしたりすることでミステリーやホラーであればその異様さが際立つのでしょう。
 中には台詞のみで構成されている短編もありますし、これに対して『地の文が一切無く、まるで中学生が書いた妄想の垂れ流しのようです(キリッ)』なんて感想を溢そうものなら鹽竈には小説感想を書く資格など一欠片もなかったのだと自ら肯定するようなものです。
 種々様々、千差万別、十人十色を単独で行っているとんでもない人ですこの作者。こんなの百人が一斉に書いた小話を一気に読了して一纏めの感想で評価を下せを言っているようなもの、正直手に余ります…。
 ただ共通して言えることは、一つの短編の中に文を詰め込むことが多く見られるこの日替わり小説は、やはり本来の小説として文の頭を空けた方がいいのと、もう少し改行をした方がいいという点ですかね。文でブロックが出来てしまっていて、時折読みづらく感じました。
 文才は、自分には図りかねます。どこまでを意図して書いているのかが不明な段階で、この作品に秘められた天馬博士の本質が見抜けなくなってしまっているからです。
 毎日更新という偉業自体でこの方の凄絶さは筆舌に尽くし難いものがあるのはご理解頂きたい。だってこの人今年の一月からずっとやってるんですよ?どうなってんのほんとに。
 くっ、ロクな感想を書けなかった自分が悔しい…。でもまあ、これだけ多くの短編があるので、きっと誰が読んでもお気に入りの一品が見つかることは間違いないです。個人的にはワンコの会話だけの話とか好きですね。犬好きなもので。

     

 えーっと、…あれですね。七月八日更新の小説感想を、当初自分は二週間で仕上げると言いましたね。そして今日が何日か?そう、七月二十四日。
 ……すんません、二週間超えました!!
 しかも最後の二つはたいしたことも書けずに終えてしまった。心残りと悔しさが心の八割くらいを占めています。本当はソナタも一話ごとに詳細書きたかったし日替わりもなんかもっといい感じに宣伝してみたかったんです。でも無理でした、これが鹽竈しわひこという凡人の限界ということでしょうか。まことに申し訳ない。
 でも暖かいコメントに心支えられ、ひとまずは第一回小説感想を終えるに至りました。ご愛読ありがとうございました!!鹽竈の次回作にご期待ください!
 まあこのまま次やるんですけどね。制限時間を守れなくて読んでくださっている人達に罵詈雑言ぶつけられても、まあ多分やると思うんですけどね。よかったらこのまま見てくださいね、生暖かく。
 というわけで次、金曜日にしましょう。七月二十九日!今回と同じくネタバレもちょっと含みながらなるだけ詳細に感想やっていくので、どうぞよしなに。
 あ、もし感想が嫌だなーって作者さんがいましたら、コメントとかでお知らせくださいませ。

       

表紙

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Neetsha