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ニノべ・文芸小説感想
九月二十四日更新ニノべ感想

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 ・九月二十四日のニノべ更新・四作品

 随分涼しくなってまいりましたね、鹽竈です。読みはしわひこです。一発変換できません。
 第三回から結構間が空いてしまいましたが、今回はなるだけそうならないようにしていきたいと思います。
 あとこの感想、結局何回くらいやろうかなーと考えていたのですが、ふとニノべは今年で八周年だということを知り第八回までにしようかなと思いました。それまでにどれだけの作品を読むことが出来るのか…。
 というわけで二十四日更新作品は以下です。

 ・『魔法少女アリス The Killing』
 ・『ソナタ』
 ・『沈黙☆被虐ちゃん』
 ・『日替わり小説』

 おお、今までで一番少ない。
 とりあえずソナタは二章まで読み終えたいですね。宮城毒素先生のは読み切りだし、アリスは途中段階まではもう読んでいるし、日替わりは一週間分って決めたし…。
 もしかしたら今回は案外早く終わるかも!
 ……という盛大な遅筆フラグをぶちかましておきます。これで少しくらい遅れてもフラグ回収という名目で言い訳が立ちますかね!
 極力迅速に、それでいて雑にならないように感想を書き終え更新したいと思いますので、第四回もよろしくお願いします。

     


   「魔法少女アリス The Killing」   作者:どんべえは関西派

   【作品内容】
 更新頻度と展開的にもうすぐ終わると思っていた今作品。完結を見届けましたので感想を書きたいと思います。
 内容に関しては前回の感想より先、第二戦の続きから最終話までを。量が中々のものなので、今回につきましても【物語詳細】は省かせて頂きます。ってかもうこれいらないかな。
 しかしこの短期間にこの量は凄い。書き溜めしてあったにしても。


   【人物】
 相変わらずというか、出て来る魔法少女は陰気で病んでる子達ばかり。それぞれが背負う天使の名に応じた負の方向性というか属性を持っているけれど、揃ってヤバい連中という点では共通しています。一番まともに見えたのは遥香ちゃんですかね。会ったこともない弟好き過ぎて想像妊娠する程度には病んでますけど…。
 スパラグモスはそれぞれ力を与えた魔法少女の死亡と同時に一緒に消えてるんですかね?契約段階での登場のみでそれ以降一度も出ていませんが何をしていたんでしょう。クライシスみたいに傍で助言とかしてあげれば敵の魔法少女もあれよりいい勝負できたかもしれないのに。
 クライシスとスパラグモスもそこそこ深い関係性だったのに一切の会話どころか邂逅すら無かったのは少し残念ですね。人外同士で因縁のある会話とかしてほしかった。
 マリアは死んだと見せかけた生存フラグだろと信じて疑わなかったですね。崖から川へ落ちたキャラは大抵生きてる的な感じで。まさか本当にあのまま死んでしまうとは。
 主人公にとっての重要なポジションにありながら、役割としては死亡によりアリスがショックを受けるだけだったので、立ち位置からして少しパンチが弱めだったかなと思いました。仲良く遊んでいた時の記憶とか過去話とかがあると死んだ時の喪失感なり衝撃なりを読者側もより共有できたかもしれません。
 物語中で肉親以外唯一アリスの心を僅かながらも揺り動かした達也君。ただの人間の癖に頑張ったな!片腕失くしたけど!
 ただ、天才少年という設定があまり活かされる展開なり話なりが無かったのが勿体なかったですかね。クライシスのコア関連からアリスと出会う都合上か、あるいは歳の頃をアリスに近付ける為にか。
 あとがきを見た上では当初教師の予定だったらしいですし、恋愛要素を絡ませるつもりもあまり無かったようで。そう考えると中学生の少年を狂気の魔法少女に接近させる為には必要な要素ではあったのかもしれませんね。
 アリスはあまり救われた終わり方ではなかったですが、本人も言っていた通り自身の行った悪逆の数々を思えば妥当な末路だったと言えるのでしょうか。クライシスも助けてあげるんならその辺りも思い出せないように細工してあげなよ…。


   【文章】
 毎度の如く大規模に街や人を破壊しながら激戦を繰り広げる凄惨っぷり。ドン引きするくらい人間が容易く死んでいきます。最近の魔法少女こんなんばっかだな!
 戦闘終了後に各魔法少女の経緯を挟むのは、キャラクターの理解を手短に済ませるいい方法だと思いました。おかげで何に絶望して契約を結ぶに至ったのかがわかりましたし。
 文章は前回の感想と同様ですかね…。誤字脱字を挙げましたが、前読んだ量の三倍四倍を読んだ上でこれが続き過ぎているとかなり読みづらいです。デコボコの道を四苦八苦蹴躓きながら進んでいるような気分に陥ります。
 結界内→結果以内  相対する→早退する  敵少女→敵商事
 このような変換間違いや接続詞の欠落が大分多いです。それと『顕現』、『すると』、『馬鹿みたい(馬鹿馬鹿しい)』といった同一の表現が多用されるのもよくよく見ます。
 同じ行為や現象でも、表現する方法は複数あると思います。同じ言葉や単語を連発したりするのは読み手側にとってもあまり優しくありません。いわば語彙力の問題なのですが、これに関しては個人の環境や読書量などによって大きく力量が左右されるものだと思います。どうやらまだ学生さんのようですし、様々な知識や知恵や言葉を学習できる真っ只中のはずなのでその辺りも頑張ってほしいですね!


   【ざっくり感想】
 この作品のメインでもある魔法少女ですが、結局このクライシスとスパラグモスとの闘争の中で何故魔法少女という存在が持ち出されたのかが不明なままです。最初はダークな魔法少女ものの流行りに乗っかっているだけなのかと思っていましたが、クライシスの意味深な発言からして何か意味がある様子でした。
 そしてこの魔法少女もの、まさかの三部構成だということが発覚。近日中に第二章が始まるらしいのです。いくつか残された謎も、今後のお話で明かされることでしょう。時系列や世界観も今作品から続けてのものになるらしいですよ!
 次の魔法少女はアリヤ。有屋か在家?霊長の守護者みたいな名前ですけどどうでしょ。とりあえず今作みたいなドロッとした少女達ではないようなので、清々しいくらいにフリッフリできゃわきゃわした女の子が活躍するお話を期待します!
 能力や世界観とかの設定はしっかりと練られていたので、おそらく三部と完結編とやらまでやれば結構な大作が出来上がるのではないかと思われます。今後も感想日が重なれば速読して早めに更新できるようにしたいですね。

     


   「ソナタ」   作者:三浦

   【作品内容】
 さて第一回感想からずっと更新を合わせてくださっている(?)三浦先生のソナタ、今回は五十話から六十三話までの感想です!無事に大学病院編までを読み終えたということで一息つけそうですね。


   【人物】
 大学病院サイドの人間は一応敵対関係という状況でしたが、そのどれもが気の違った変人だったりプライドばかり高くて実力の追い付かない凡人だったり。しかしそれでも妙に嫌いになれない連中だったのが面白いですね。個人的にはギャグ要因でブラック・アイズこと黒子野郎の孔雀や唯一の良識人であるロリ人妻珊瑚が好きです。
 今回もあまり出番の無かった透は、どうやら殺人クシャミを習得して一歩前進?紫と行った声量強化の修行の成果ですかね。肺活量ぱねぇ…。某漫画の声帯砲を思い出しました。
 結局木朽は敵か味方かわからないままでしたね。男女の境が見当たらない中性的なキャラクター性と同じく、立ち位置のあやふやなヤツです。かなり強キャラ臭しますが…でもこの世界の殺し屋ってあんまりロクなのいないからなぁ。
 石竹霙の親友エリカを死に追いやった原因であり犯人である木朽と霙の邂逅はあるのでしょうか、霙自身は犯人にさほど興味が無いようだったけれど、いざ目の前にしたら仇討ちで幽霊エネルギーぶっぱしてもおかしくなさそう。病的に親友ラブだったし。
 あと主要なのは結局名前のみで未登場だった木村とラセットですか。おそらく次はラセットあたりから波乱が広がって次章に続く感じになるのかな?女の身体に生まれ変わって第二の人生とか羨ましいヤツです。でも焼肉のタレ好物にしてる段階でセカンドライフも老い先短そう。
 透の前進によって歓喜を隠せない光は今後どうしていくのか。なんか最終的に強くなった透と光が盛大な兄妹喧嘩するような気がしてきてなりません。


   【文章】
 相変わらずユーモア溢れるというか、読んでて笑える文章をお作りになられる。敵なのに憎めないキャラ作りや、その関係の輪をわかりやすく表す会話や行動も読み手にとって読みやすくとても良いと思いました!
 地の文においてキャラの主観が移り変わる場面等が、時折少し分かりづらいなと思う部分がいくつか。間を空けてあるとすぐわかるんですが、例えば一つの状況内で対立する敵味方それぞれの胸中が同時に語られる場面とかだと、たまにどっちの女が喋ってんだこれ!?となる時があったので、その辺りもう少しわかりやすくしてくれると嬉しいな。なんて鹽竈的には思ったり。
 

   【ざっくり感想】
 いくつかの遺恨を残して終了した病院編。そしてお次はブラックモアズ編。
 たしかあの生き返った暗殺者の名前がラセット・ブラックモア。『ズ』ってことは、今度はラセットをリーダーとしてかつての仲間とかが集まった組織が主立って動くということでしょうか。
 次もどうやら世界の闇というか世間の裏の側で蠢く連中との騒ぎになりそうです。となると、これまで出て来た殺し屋達にも出番があるということ?おいチャンスだぞ千歳頑張れ!ナイフ投げろ!!
 浅紫や木朽、紫爺さんとかもスポット当たるんですかね?いよいよ学生の手に負えるような話じゃなくなってきたような気もしますが、まあ特殊な遺伝子持ちなら殺し屋相手でもどうにかなるみたいですし、大丈夫か。
 病院編で登場した大学サイドの人間達は今後出るんでしょうか。クローンとか黒子とかロリババアとか、色々と単発で終わらせるにはもったいない要素や属性持ちが多数いたような気がしますが、っていうか個人的には新橋勢力に加わって欲しいなとか思ってますが!
 エリカの魂を取り込んだ小雪やラセットを追って単独行動に出た霙のこれからも気になるところですし。
 どんどん事態が広く展開されていくソナタ、なんだかんだでもう六十話以上読んでいることになりますね!わりと読んでみるとあっという間。感想書いたりしてるからそう感じるだけかもですけど、面白いですよ!量に気圧されないで未読の方も是非読んでほしい作品ですっ。

     


   「沈黙☆被虐ちゃん」   作者:宮城毒素

   【作品内容】
 はい、宮城毒素先生安定の病みっ娘シリーズですね!この人の作品で精神正常な女の子一人も見た事ないんですけど!?
 今回は短編集ということらしく、それぞれ主役は違うようです。共通しているのはどこかしら病んでる女の子が必ず登場するというくらいですか。基本はその女子が主人公ですし。
 精神的に歪んでいる子が好きなんでしょうか宮城毒素先生……まあ、手のかかる子ほど可愛いみたいなこと言いますしね。そういう感じかも?


   【人物】
 この人の作品において、もう今更人物云々に関して感想を投じる必要性があるのかどうかわからなくなってきました…。ええと、とりあえずおかしな女の子がいっぱい出ます!
 第一話の自演ちゃんは、まあ小学校中学校では時折見ますよね的な注目集めたい痛い子の上位互換というかメガ進化系というか…。ここまで頭回るんならもうちょい利口に生きなさいよとツッコミたいところです。結構キレ者でした。
 第二話は妄想過多な少女。ここまで妄想が膨らむともう病気…いや全員病的なんですけど。しかもこの子に関してはなんかマジモンの疫病神のようなものを背負っている様子。付き纏われる桜庭くんには同情しかできねぇ…。
 被虐ちゃんがメイン張ってる三話は正直一番心に来ました。辛い、これツライ。文句ないほどのハッピーエンドを好む鹽竈的にはゴリゴリ精神が抉られました。もうやめて!宮城先生!少女に何か恨みでもあるんですか!?最後の(はっぴぃ完)っていうの見て頭上に『!?』ってマークが不良漫画みたいに浮かび上がりました。
 最後の話はちょっと意味深で今一つわかりませんでした…相変わらず理解力が足りなくて嫌になる。死にたがりの女の子、というわけでもなさそう?これまでの女の子の中では比較的マイルドな安定した子のようでしたが、やっぱり感性がどこかしらズレてそう。最後電車に轢かれて死ぬんじゃないかと思ってヒヤッとしましたがどうやらそういうこともなかったみたい。良かった良かった。


   【文章】
 これに関してはもうほぼ完成されているんじゃないかなと思います。短編にしても纏め方は綺麗だし、短い話をきちんと短く仕上げるっていうのは物書きとしては高難度なんじゃないですかねって感じますが、それを平然とやってのける宮城毒素先生に痺れて憧れます。
 ただやはりラノベ的な読みやすさ、というものからは少し遠いのかな?と。頭空っぽにして読める軽めな小説と比べると、どうしてもやや硬めの印象を受けます。それはこの陰鬱とした内容の多い作品そのものの影響もあるのかもしれませんが。
 なんでしょう、これは個人的な感じ方なので他の人がどう感じているのかはわかりません。猫耳美少女が出て来る萌え萌えなラノベを買ったと思ったら内容が『吾輩は猫である』だったかのような落差。まさしくニノべから文芸を読んでいるような気分。自分で言ってて意味わかんなくなってきましたすみません!
 文章自体はとても良いと思っております。誤字も脱字も全然ないし、日本語として妙な部分も読んでみた上では無かったです。純粋にレベルが高いですこのお方。凄い。


   【ざっくり感想】
 宮城毒素先生の作品はなんだか一貫して幸福な終わりが許されていないイメージがあります。実際、病んだ少年少女達にとっては幸せな終わりなのかもしれません。ですがそれを客観的に見る我ら読者側からすると心が痛い!
 まあ、完全無欠のハッピーエンドを異様なまでに毛嫌いする人だっています。この辺りに関しては個人の感性によって気に入るかどうかというのが分かれるのではないかと。鹽竈は読んでてなんだか動悸が激しくなりました。
 更新する速度もあって数も多い宮城毒素先生の底が知れません。よくそんなネタが出て来るなぁと。次に感想を書くことがあっても、また違う作品である可能性が高そうですね!
 思えばこの方も第一回から合わせて頂いております、ありがたい限り。お次も更新楽しみにしておりますので!

     


「日替わり小説」 作者:天馬博士

【作品内容】
はい、恒例最後の日替わり小説です。前回に引き続きまして、内容は更新日の週七つ分ということで行きます!


【ざっくり感想】

『~日曜日(九月十八日)~』
うっかり間違えて例大祭実行委員の紙に印を押してしまった娘。そのまま次の家に回してしまう母親も冷たいですね。わかっていたなら町内会に説明するなり出来たでしょうに…。

『~月曜日(九月十九日)~』
雨女の話。相変わらず、こういった捻り話は理解が足らなくてよくわからないです…。飴と雨で何か掛かっていたってことなんですかね?

『~火曜日(九月二十日)~』
山の話。
いやいや開けてるとかいう問題じゃないだろ死人出るぞ。どういう作りでそんなことになるんでしょうか、鹿威しみたいに上流で貯めて一気に流してるってことですかね。なんにしても怖すぎる。

『~水曜日(九月二十一日)~』
もぐら叩きの話。
叩いているのはもぐらだと思ったら実は亡者だった?という不気味なオチ。なんか世にも奇妙な物語チックな話でした。
じゃあ地下で話しかけてきた店員さんも生きてる人間ではなかったのでは…?

『~木曜日(九月二十二日)~』
ネジくん可愛いなオイ。
日替わり小説は時折とんでもない話を織り混ぜてきてくれます、今回のは喋るネジの話。
なんでネジが喋るのかって?それは読んでみてのお楽しみです。読んでもわかりませんが。

『~金曜日(九月二十三日)~』
やだ、ラッパーって怖い……。そういうお話。
お前そんなんで五年も無敗を続けて楽しいのかよと言いたくなりました。突発的な展開の急変に困惑と同時に笑いが漏れる話でしたね。

『~土曜日(九月二十四日)~』
数年ほど世間では神隠しの扱いになっていたという花火でしょうか。短編というよりは長編の序章やら序盤のような展開でした。ここからさらに話が膨らんでいくような感じ。
短編として終わらせるオチらしきものが無かったのが少し残念です。

     

はい、第四回感想終了です!今度は思いの外早めに終わらせられたかなって思います。
しかしスマホでの長文は面倒ですね、普通にパソコンで打つより三倍くらい時間を要しました。ぐぬぬ。
何はともあれ無事に四回目も完遂というわけでして、鹽竈的にはあと四回、つまり第八回辺りでこの感想も完結させようかなという具合です。折り返しですね。
さてさてお次はどんな作品を読むことが出来るのか、肌寒い季節に突入しまして第五回は十月十七日にします!
我々社会人(いや学生さんも含む)にとっては自覚したくない、仕事の為に重い腰を上げる週始めです!書いてて嫌になってきた!
そんな忌々しい月曜日ですが、数々の作品更新お待ちしております!

       

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