四ヵ月後。
八月に書いた小説は、文章が拙い、誤字脱字が多い、テンポが悪い、現実味がない、何が面白いのかわからないなど、散々な評価をもらった。ただ、睦月だけは、
「まあまあじゃない? あんたにしては」
と、褒めて(?)くれたのが唯一の救いか。
「そろそろ冬休みね」
睦月が言った。
「そうだな」
十二月。冬の寒さに身を震わせながら、二人で俺の家へと向かって歩いていた。
「そろそろ来るんじゃない? あの子たち」
「――もし連中に来る気があるならそろそろだな」
マンションの階段を上る。
「あら?」
家の扉の前。――そこにいた三人の小さなメイドが俺に飛び掛かってきた。
「おかえりーっ! 桐緒!」
「やっぱり桐緒の傍が落ち着くわ」
「……馬の骨から夫に昇格」
「――ははっ。何だよ夫って……」
睦月の殺気が俺に刺さる。
その時、どうしても綻んでしまう自分の口に気付いて、思った。
騒がしい冬が始まりそうだ。
完
これでこの三姉妹のお話は終わりです。読んでくださった方、コメントをくださった方ありがとうございました。
コメントに関してはコメント返信を改めて掲載します。
次回作も読んで頂ければ嬉しいです。
それでは、さようなら~。