Neetel Inside 文芸新都
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友達の友達
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「友達の友達に聞いた話なんだけどな、隣町の中学校にとんでもないイケメンがいるらしい」
友達の坂田が言ってきた。

「イケメンねぇ…顔がいい奴くらいそんなに珍しくもないだろう」
俺はそう言った。

すると次の日。数人で集まって噂しているもんだから聞いてみると、
「友達に聞いた話なんだが、隣町のイケメン、どうもスポーツ万能らしいんだ。」
「ああ、動けるイケメンか、学年に何人かいるもんだよな」

すると次の日。
俺が弁当のシシトウを食おうか食わないか迷っていると、坂田が寄ってきた。
「どうも、友達に聞いた話によると隣町のイケメン、スポーツ万能なだけではなく、学年一の学力を誇っているらしい。」
「なんと羨ましい。いるよなぁ学年に一人はそうゆう化け物みたいな奴。才色兼備ってヤツ?」

すると次の日クラス内が大盛り上がりでは無いか。どうしたもんかと尋ねてみると
「隣町のイケメンな、実は女の子だったらしい。しかも生徒会長だったんだ。
超絶美人で芸能事務所が取り合っているらしいんだが、まったく興味が無いそうだ。親は大富豪だってさ」
「そりゃあ凄いもんだ。で、誰か見たヤツはいるのか」
俺がそう尋ねると、クラス内が一瞬静かになったが、
「見たこと無いんだけど友達が見たらしい、胸が張り裂けそうなほど美人だったらしいぞ」

すると次の日、
今度は隣のクラスまで混じって会議がされていた。
俺が寄ってみると
「なあなあ、隣町の美女、クラスで飼っていた亀を生き返らせたらしいぞ!」



俺は一瞬言葉を失って、もう一度聞き直した。
「え?なんだって」

「だから、クラスで飼っていた亀が死んじゃったんだけど、彼女が優しく撫でるとむくりと起きたそうだ。」
「寝ていただけじゃ無いのか…」
「そんなことあるもんかい。それで今、彼女は天使なんじゃ無いかって会議をしてるんだ。」
「生き返らせるところを見たのか?」
「友達が見たって言ってた。」

すると次の日、教室で祈りを捧げるクラスメイトたちの姿があった。
「彼女昨日夢に出てきて、言ったらしい、信じれば必ず救われるって。」
「お前が聞いたのか?」


「いや、友達の友達が」

       

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