「み~んな み~んな殺してやるじょ!!^^」

第一の強化ガラスを破壊した山田が第一階層に登りつく。
しかし、さすがに池沼仕様の闘技場ということか、ガラス壁の突破は想定済み。
観客席まで行くには残りガラスは数十枚。

「ジョォォオオッ!!」

数十秒の間に6枚のガラスが突破された。
これは大会運営の想定を上回る速度である。


丸尾「ギエエエエエエ!!! ずばり、これは非常事態でしょう!!」
友蔵「ち、池沼の反乱じゃあ!! こ、殺されるぅ!!!」

会場出口目がけて逃げに逃げる観客。
ガラスの砕ける爆音の中で押し合う人の波

ひろし「ま、まる子ぉ! お姉ちゃんはどうした!!」
まる子「知らないよぅ! さっきどっかに流れてっちゃったよ!!」
ひろし「畜生、とにかく俺たちだけでも逃げるぞ!! オイ!」

まる子を肩車したひろしが倒れているガキ共を踏みながら逃げる。
山根「ガァッ、ァァァッ!!」
とし子「いだぁぁあああッ!!」

荒れる観客席。
しかし最前列のファーストシート付近の観客は皆冷ややかな表情。

花輪「まったくうるさくなってきたねぇ、秀爺。これじゃあゆっくりお茶を楽しむこともできないよ」
秀爺「ええ、まったくでございます」
右手を額に当てて、頭痛い系のポーズをする花輪君。

みぎわ「う”ぁ、う”ぁなわくぅん!! どうじで早く逃げないの!! どんどん山田が来てるのよ!!」

妖怪みぎわの言う通り、着実に下の階層から山田は登ってきている。
だが、花輪君は顔色一つ変えない。

秀爺「ご安心ください。会場と観客席の間の各層には対池沼兵器が設置されております。
加えて、この大会のガードマンは皆 軍属の半池沼でございます。
いくら山田様といえど、自由にはできはしません」

下層を見ればいつの間にか、体長2m程のプレデター風の兵士に取り囲まれている山田。
機関銃で滅多打ちにされて動きを止められている。

山田「キィィィイイッ!!!」

巨木のような腕をクロスして防戦一方。
しかし、じわじわと前進し逆に兵士を壁際に追い詰めていく。

山田「あでででで!? あで~!! オイラ、なんだか段々気持ちよくなっできたねぇ!!!」
上瞼の裏側まで反り上がった右目をピクピクと震わせながら呟いた。
服はボロボロになったが、全身かすり傷で血がにじむ程度。

山田「ヴァアアアアアアア!!!!」
いつものようにタックルを仕掛ける。
兵士を三人を巻き込んで壁に激突。
当然即死。
だがその瞬間、壁際に仕掛けられていた地雷が起動。
周囲に居た兵士諸共 山田が吹き飛ぶ。
そのまま真っ逆さまに最下層に落ちていく。


目を不気味に見開いたみぎわさんは呆然と試合フィールドを見つめ続ける。
花輪「どうだいベイベー、秀爺の言った通りだろう」
みぎわ「そ、そうね 花輪君・・・ でも、山田死んでないみたいだしまた登ってきそうよ・・・」

試合フィールドで兵士の死体に八つ当たりしている山田は元気そのもの。
観客席には負傷して逃げ遅れた凡人と 花輪君のように始めから逃げようとしなかった常連客しか残っていない。

秀爺「そろそろでございます」
花輪「フフフフフ」
右目と左目がほぼ対称に見開いた状態で笑う花輪君。

その時――
合金製の会場全体に鈍い振動が走った。
0.5秒刻みで規則的に壁と床を伝ってくる振動。
徐々に大きくなる響きの震源に山田も観客もすぐに気づいた。

――赤コーナーのゲートが開いているッ!!!

山田が不思議そうにゲートの先を見つめる。
薄暗い廊下にいる巨体の影。
同じ高さの視線を持つ両者の目が向かい合った。


(次回 1ep分はしんのすけの回想、それ以降試合)