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セルフインタビュー企画
焼き芋ガンダム斎藤(9/7)

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【吉田ハザード】こんにちは、本日インタヴュアーを担当させていただく吉田ハザードと申します。

【焼き芋ガンダム斎藤】こんにちは(察し)。お手柔らかにお願いします。

【吉田ハザード】二ヶ月ほど更新されていないようですが、どうして今回この企画への参加を?

【焼き芋ガンダム斎藤】最近ちょっと忙しいもので…でもこういうお祭り企画にはできるだけ参加したいし、熱いうちに参加者が増えれば他の参加者の方も増えるんじゃないかと思いまして。
 それに竹トンボ先生が名前を出して下さいましたから。お膳立てがあっては参加しないワケにはいきませんよ。

【吉田ハザード】先生の代表作は「1000円ヒーロー」ということでよろしいですか?

【焼き芋ガンダム斎藤】そうですね…「水神機兵アトランティア」なんてのも描いてますが、今は1000円ヒーローにかかりっきりですね。

【吉田ハザード】1000円ヒーローを描こうと思ったきっかけは?

【焼き芋ガンダム斎藤】『0話』で少し触れてるんですが、元々変身に金がかかるヒーローというアイディアは高校生時分から温めていたんです。
 ある日職場の後輩から「斎藤さん、牙狼好きなのにパチンコ打たないんですか?」って話題を振られて、後輩の話が「レートに差があって、低レートならあんまりお金はかからない」という話に推移したんですよ。
 そこからピンと、閃いちゃったんですよね。

【吉田ハザード】「レート」が設定のカギになったと?

【焼き芋ガンダム斎藤】そうです。そこから「レートごとに強さの差があるヒーロー」とか、「1秒間にレートごとの金額を消費する」とか、泉のように構想が広がった。
 レート1000なら1分間に6万円もかかることになる、対してレート1ならたったの60円、強さの差とか、色んな設定が沸いてきて、後輩の話なんかそっから耳に入ってきませんでした。
 ある程度構想が固まったところで思ったんですよね。「この話を描きたい」と。今までにないほど強く。それで申し訳ないことに、「アトランティア」は一旦置いておくことになってしまいました。

【吉田ハザード】そんな経緯があったワケですね。言質取りましたよ、アトランティアはまだ投げられてないってこと。





【吉田ハザード】漫画を描く際に心がけていることはありますか?

【焼き芋ガンダム斎藤】省エネ作画ですからあまり偉そうに言えませんが、表情に気をつけています。キャラのセリフに表情でちょっとスパイスを加えられるような。ここだけは唯一リテイクすることがありますね。

【吉田ハザード】話を作る上ではリテイクはないのですか?

【焼き芋ガンダム斎藤】描き出すまでに頭の中ではメチャクチャ練りますね。僕プロットもネームも描かないので。

【吉田ハザード】プロットすら書かない?

【焼き芋ガンダム斎藤】ですね。プロット書くとそれが正解になっちゃうので、一個設定なりを変えるとしたらプロットを1から読み直して、そこに関わる全てを変えなくちゃならない。
 頭の中なら一瞬だし、どこでも考えられますから。

【吉田ハザード】忘れたりしません?

【焼き芋ガンダム斎藤】重要な設定なり面白さの根幹に関わることって、いくつものキャラや要素に絡んで紐付けされていくんで意外と忘れないんですよね。
 あと、作者が忘れてしまうようなことなんて読者には響かないと思っています。

【吉田ハザード】瞬発的に描いているようで、意外と考えて描いてるんですね。

【焼き芋ガンダム斎藤】1000円ヒーローはこれでもかってくらい計算して描いてますよ。少なくとも、25話までは。

【吉田ハザード】丁度『パラサイトバンパイア編』の終わりまでですね。どういった具合に計算を?

【焼き芋ガンダム斎藤】各編ごとに「説明すべきこと」をバラして、ストーリーの主軸に絡めて描いてみたんです。今まで僕ができていると思って実はできていなかったことです。
 今までは読みきり脳だったので、序盤でどれだけ説明できるかの勝負だと思っていたんですが、1000円ヒーローは設定にハッタリが効いてると思ったので、序盤に多くを説明しなくても成立すると思いました。
 1、2話で最低限の設定を開示して、3、4話で主人公がどう苦労しているのか。エッジマン編でレート10の民間ヒーローを出して千と比較して、プール怪人編で政府ヒーローと仲間になったエッジマンを描写。
 パラサイトバンパイア編では、前編での政府ヒーローの立場に立ったときに民間ヒーローはどうするのか、ということを主軸に構成しました。

【吉田ハザード】こう聞くと、それなりに頑張って描いているんですね。

【焼き芋ガンダム斎藤】結構上手くいったような気はしています。設定は読者が知りたいと思ったことじゃないと頭に入らないと思うので、説明ゴマやセリフがあんまり浮かないのは描いていて心臓に優しかった。





【吉田ハザード】キャラ作りで気をつけていることはありますか?

【焼き芋ガンダム斎藤】僕の漫画のキャラはほぼ全員、必要に応じて生まれているんですよね。レート10で主人公につっかかってくるキャラが必要だとなって刃が生まれたり。
 でも描いてるうちにその必要以上の性格や信念が積み重なって、どのキャラもお気に入りになってしまう。

【吉田ハザード】一番好きなキャラは誰ですか?

【焼き芋ガンダム斎藤】僕は物語の終わりまで知っているので、ダントツで千が好きです。裏方に回るのが多くてあんまり目立たなかったりするけど、彼は主人公たる理由があります。

【吉田ハザード】コメントやツイッターを見ると、刃、ヴァイタミン、レディフロストあたりが好かれているように思えます。

【焼き芋ガンダム斎藤】ヴァイタミンは僕の予想を超えた存在ですね。居るだけでなんとなく面白い。
 刃とフロストは成長前と成長後を濃く描いたキャラなので、この二人は存在に説得力がありますね。こういうキャラを増やしたいです。

【吉田ハザード】「存在の説得力」とは?

【焼き芋ガンダム斎藤】漫画って、「こんな奴いない」っていうようなキャラに、演出次第でリアリティを与えられると思うんですよ。そこが二次元の一番の強みだとも思っています。
 だからキャラに、本当にこの世界で生きているような表情や行動をさせたいなと努力してます。





【吉田ハザード】好きな漫画は?

【焼き芋ガンダム斎藤】最近読んだのに限ると、ヘルシング、ケンガンアシュラ、嘘喰いです。

【吉田ハザード】好きな新都社漫画を1つだけ挙げるとしたら?

【焼き芋ガンダム斎藤】死ぬほど難しいですが、断腸の思いで『真・アイスペクター』です。読んでいて悔しいくらい面白いですね。ぶっ殺す。

【吉田ハザード】セルフインタヴュー企画に参加してほしい作家は?

【焼き芋ガンダム斎藤】キリがないので三名だけ。やっしん先生、せいこう先生、右山ユニ先生。ユニ先生はやってくれそうだし面白いので入れてみました。





【吉田ハザード】最後に一言お願いします。

【焼き芋ガンダム斎藤】これまでも恥じることなくアツい展開を描いてきて、そこに共感してくれるコメントもたくさん頂いたので、変に曲げたり薄めたりせずにアツく漫画を描いていきたいと思います!
 読んでいただいてありがとうございました!

       

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