魔法少女 The Side story
史上最悪の絶望少女戦―訪問 その①
「今日もいい朝ね」
フレイヤはそう呟くと、布団の上で大きく伸びをする。
ここは柳葉町にあるアパートの一室
彼女はこの一年間ここに滞在していた。
ここ一帯は再開発地域に指定されており、何かが建設される予定だった。ところが建設会社の方で何か問題が起きたらしく、計画は頓挫した。その結果どうなったかというと,
住人が立ち退き誰もいなくなってしまった。
このアパートを中心として、数十mはだれも住んでいないのだ。
だが、どういう訳かライフラインだけはしっかりと残っており、生活するには何も問題はなかった。
野宿することも多かった彼女としては、アパートでの生活は非常に贅沢なものだった。
洗面所で歯を磨き、顔を洗ったリビングに戻る。そこで、あることに気が付いた。
「おなか減ったわ」
フレイヤはそう呟くと冷蔵庫の扉を開ける。
朝ご飯を食べなくても死ぬことはないのだが、生活リズムを崩すことはあまりしたくなかった。食パン一枚、牛乳一杯でもいいから口にしなくてはと思う。
ところがまともな食材が一つも見当たらなかった。
「あら? おかしいわね」
そういえばと思い出す。
昨日の晩に皆で食材を買いに行ったのだが、そこで絶望少女を発見してしまい、戦闘を行ったのだ。
そのせいでスーパーに行きそびれ、そのまま帰って寝てしまったのだ。
「困ったね」
このままでは食べることができない。
そう思ったフレイヤは、どうするべきか少し悩んでしまう。
だがすぐに解決案を見つけた。