マリアとユウキは二人並んで道を行く。
 次はどこに行くかな、と呟きながら歩いているユウキの姿を見て、マリアは何となく楽しい気持ちになる。すでに気がついていた。わざわざ自分を元気づけるために、ユウキは自分を連れ出してここまでしてくれている。
 そう考えると、感謝の気持ちと、また別の気持ちが湧き上がってくるのが分かった。
 ちゃんとお礼を言わなくては
 そう心に決めるマリアだった。


 「うーん、ネタ切れ」
 「え? 早くない?」
 「そういうなよ、俺だってあまり出かけたりしないからさ」
 「あー……そっか」


 何となく察した。
 二人はその後、無言のまま道を行く。
 とりあえず行先を決めずにブラブラすることにした。ユウキはその間に、どこかいい場所が見つかるんじゃないかと思っていた。マリアはマリアでただ街中を歩いているだけで、道行く人を見ているだけで十分楽しかった。
 はっきり言うと、そこまで綺麗な町ではない。
 しかしマリアにとっては初めて見る物ばかりで心が躍った。
 見渡しつつ、こっそり首を回すとユウキの横顔を見る。


 「……うーん」
 「……………」
 「お? 何だ、マリア」
 「――ッ!! 気にしないで!!」
 「ん、分かった」
 「…………」


 何となく変な空気が流れる。
 が、気にしているのはマリアだけだった。