「ただいま、でいいのかな?」
 「いいと思うぞ、じゃ、部屋に戻るか」
 「そうだね」


 二人はテレポーテーションで直接部屋の中まで戻ってきていた。
 マリアは自分の机の上に、買ってきた本が詰まっているビニール袋を置くと椅子に座って一息ついた。ユウキはベッドの上に転がると、大きくあくびをする、久しぶりの遠出に少し気疲れした。
 戦っている方が何も考えなくて楽でいい。
 誰かのために気を遣うことはあまり好きではない。


 「ハァ……」
 「ん? ユウキ、どうしたの?」
 「いや、何でもない」
 「気にするな」
 「あ、一ついい?」
 「なんだよ、手短にな」


 顔をヒョイッと覗かせてマリアの方を見る。
 すると、目がばっちりと合う。
 マリアは少しモジモジしながら小さな声でこう言った。


 「今日は……ありがとね」
 「…………」
 「……黙りこくって……何よ」
 「いや、なんか意外で」
 「えぇ!! 何それっ!!」
 「いや、気にするな」


 なんだか喧嘩になりそうな雰囲気だったので、すぐベッドの中へと戻っていった。
 ぼんやりと天井を眺めながら一人わめくマリアの声を聞き流しながら、何となく今日一日の疲れが抜けていくのを感じた。