柳葉町の一角
 翼の少女たちが一時撤退したはずのその場所で、また敵が集結していた。どうやらアリスは柳葉町を諦めていないらしい、達也にはその理由の見当がついていた。おそらく、研究所攻略のためだろう。
 アリヤとアリスが一か所に集まっていることもそう考える原因の一つだった。


 おそらく、研究所にほど近いここで大量に翼の少女を量産し、物量で攻めるつもりなのだろう。
 そうなると、バリアーを発生させている施設は思いのほか簡単に陥落してしまうだろう。達也はどちらかと言えば量より質で勝負している。しかし、その一角を担っていたフレイヤが亡くなってしまった。
 このことはアリス側にも知られている。
 そのため今までのように水面下で行動せずに堂々と正面から来たのだろう。
 一番恐れていたことだった。
 達也は詩音が研究所を出る前、まだ戦力に余力があるうちに叩いておきたかったのだ。



 「見つけた!!」


 詩音の声が響く。後続の魔法少女達も、敵の姿を見つける。
 柳葉町で一番大きいビルとその周辺にある広場、そこに翼の少女たちが集まっていた。どうやらマリア達が来ていることに気がついていたのか、ほとんど全員が戦闘態勢をとっていた。
 朱鷺はちらりとユウキとデルタの方を見ると、目で合図する。


 出発前に作戦は立ててきた。
 二人は小さく頷くと、速度を上げてすぐに地面に降り立つ。ユウキはど真ん中に、デルタはそこから少し離れた場所に
 翼の少女たちはそれを見て一斉に動くと二人に向かって襲い掛かる。


 しかし、その程度でやられる二人ではない。
 ユウキは両手を広げると自分を中心に円状にサイコキネシスを発生させる。するとゴウッという音と共に風が吹き、少女たちを吹き飛ばしていく。羽が舞い、刀が折れる。至近距離で喰らった少女は体が吹き飛んでいた。
 血と内臓と肉片がまき散らされる。
 ユウキはその中でニッと笑うと小さく呟いた。


 「絶好調だぜ!!」



 一方のデルタも全力で事に当たっていた。
 左胸の装甲を開くと、そこにあるレーザーガトリング砲を起動する。全二十の銃口があり、その全てから淡い光が放たれる。ここまでくる間にある程度温めて置いたおかげで、すぐにでも攻撃することができる。
 目の間には何重にもわたる翼の少女達
 彼女たちは戦闘態勢に入ったデルタの姿を見て、すぐにでも攻撃を仕掛けようとするが、一歩遅かった。
 胸に埋まっている銃身が回転しながら前に出る。


 「喰らいナ」


 次の瞬間
 ガガガガガガガガガという銃声が響き、大量のレーザーが束になって翼の少女達を貫いていく。
 抵抗する間もない。
 後ろの方にいる奴らは飛び上がってかわそうとするも、レーザーの速度はかなり早い。まるでドミノ倒しのように次々と翼の少女たちが倒れていく。次々と数が減っていく、その光景は圧倒的だった。
 しかし、デルタの後ろにいる敵はその被害を受けていない。