「マリア」
 「詩音さん……」
 「お前はもう一人前だ」
 「そんなことは……」
 「いいか、お前は一人で立派にやれる。それに、迷いも吹っ切れたみたいだな」
 「…………」
 「いいか、月並みな言葉だが、私がかけられるのはこれだけだ」
 「…………」
 「頑張れよ」
 「詩音さん……」


 何となく、ウルッときてしまうマリア
 詩音はその姿を見て、豪快に笑うとこう言った。


 「ハハハハハハ!! 今生の別れってわけじゃねぇんだ。また会おうぜ」
 「う……で、でも」
 「じゃ、行ってくるわ」


 そう言い残してエレベーターの乗りこむ詩音次の瞬間には扉が閉まり、彼女の姿が消える。非常に呆気ないものだった。マリアはそれを見送ってすぐ、頬を一滴の涙がこぼれるのが分かった。
 詩音は今生の別れではない、と言った
 しかし、マリアには分かった。


 詩音は生きて戻ってくるつもりがない。


 その事実が
 非常重くマリアの両肩にのしかかると同時に、これから彼女無しで戦わなくてはいけないという事実が恐ろしく感じた。


 皆、消えていく。


 マリアは
 すぐにでも泣き出したかったが達也がいるので我慢した。



 達也はやはり、いつも通りだった。