戦いが一段落し、翼の少女の攻勢が少し止まった。
 その隙にマリア達は持って来ていた量産型コアで魔力を回復し、次の攻撃に備えていた。残念なことに、ユウキとデルタは少し離れた場所にいたので一人っきりだったがしょうがない。
 一人寂しくコアをいじくっていると、クライシスがそれを察して話しかけてきた。


 「どうだい? 調子は」
 「よく見える?」
 「見えるね、絶好調じゃないか」
 「ありがと」
 「いやいや、礼には及ばないよ」
 「…………ハハハハハハ、やっぱあなたは面白いね」
 「お褒めに預かり光栄だよ」


 そう言って猫みたいな手で頭を掻くクライシス
 実際、そんなことしなくてもいいはずなのだが、照れているアピールなのだろうか
 正直な話、マリアはクライシスがどういう奴なのか測りかねていた。
 なんだかつかみどころがない、腹の底がうかがい知れないというか、真意が読み取れない。気の良い友人のように振る舞っているが、クライシスがマリアのことをどう思っているかまで分からない。
 それでも、達也といるよりはよっぽど気が楽だった。
 マリアは少し笑顔を浮かべながらクライシスに話しかける。


 「そういえば、あなたってどんな存在なの?」
 「うん? 君のサポートをする、それだけさ」
 「そうなの……」


 マリアはそういう意味で尋ねたのではなかった。
 しかし、これ以上質問してもしょうがないような気がしたので、やめることにした。
 黙りこくったマリアの姿を見て、クライシスは優しげな声でこう言った。


 「でもね、一つだけはっきりと言えることがある」
 「それって?」
 「僕と君が手を組んだら、この世界を滅ぼすことも可能だろうね」
 「……何を言っているの? 冗談でも面白くないよ」
 「冗談じゃ何だけどな……まぁ、いいか。敵が来たよ、マリア」
 「第二波ね」


 そう言ってマリアは顔を向ける。
 すると、一人の魔法少女を先頭に何十人という翼の少女が飛んでいる姿が目に飛び込んできた。それを見て、凄く嫌な気持ちになるがもう慣れた。目をつぶり、その思いを思いっきり吹っ切った。
 迷わない
 絶対に
 殺す。