もう一度、武器を構なおし、戦闘態勢をとる二人
 一触即発
 どちらかがおかしな動きをしたら、すぐにでも血で血を洗う戦いになりそうな空気
 そんな中、詩音はニッと笑うとアリヤに向かって話しかけた。


 「こうして会うのも久しぶりだな」
 「…………」
 「なんだよ、喋れなくなったのか? ええ?」
 「……そんなことない」


 一拍おいて口から紡がれる透き通るような声
 久しぶりに聞くその声に何とも言えない気分になる詩音。泣きたいような、嬉しいような
 心の底からこみ上げてくるものをグッと堪え、詩音は話を続ける。


 「アリヤ、一ついいか?」
 「…………何?」
 「お前がアリス側についた理由、それって私のせいなんだろ?」
 「…………」


 何も言わないアリヤ
 それでもかまわない。それが答えだ。
 詩音は真っ直ぐアリヤに向かって行く。
 今度はコソコソしたりしない。正面からぶつかる。
 詩音が両手の氷の剣を振るい、アリヤがそれらを正確にさばいていく。その度に氷の破片が舞い、キラキラと輝く。たまにお互いの攻撃がかすり、傷がついたりするが、基本的に致命傷は与えられずにいた。
 その間も詩音は喋り続ける。


 「私が悪かったんだろうな、たぶん!!」
 「…………」
 「アリヤ、お前は一人でいたがっていた。私はそれが分かっていながら、一緒にいた。そうだろう?」
 「…………」
 「それが、お前には苦痛だったんだろう、なっ!!」
 「……――ッ!!」


 力任せに放った一撃
 それは思いのほか重かった。
 受けきったものの、ほんの少しだけバランスを崩してしまう。
 その隙をついて詩音は動くとくるりと一回転して、回し蹴りを繰り出す。それは見事アリヤの平らな胸に命中し、「……うぐっ」と苦しそうな声を上げさせた。だが、大したダメージにはならない。
 アリヤは少し後退ったものの、両足を踏ん張って堪える。
 そして詩音が追撃してくるより先に攻撃を仕掛けることにすると、雑に左腕を振るい、刀で切り裂こうとする。その刀身はギリギリのところで詩音に届き、その額に一本の鋭い傷を入れる。
 お互い大した傷ではない。
 だが、詩音はある手ごたえを感じていた。