「ハァ……ハァ……」
 「…………クッ……」


 小休止が入る。
 二人とも疲れ切っていた。
 あまり肉弾戦などしたことが無いので、慣れていないのだ。
 だが詩音は荒い息を吐きながらも、口を開くと言った。


 「アリヤぁ……お前はさ………一人がよかったんだろう?」
 「……………」
 「それを無理矢理さ、……一緒にいたから……苦痛に感じてたんだろう」
 「……………」
 「なぁ……アリヤ!!」


 フラフラになりながらも一歩前に出ると、力を振り絞って殴ろうとする。
 それに合わせてアリヤも動くと、鏡合わせのように拳を振りかざす。


 「おらぁ!!!」
 「…………!!」 


 二人の腕が空中で交差して
 お互いの顔面に命中する。
 クロスカウンターというにはちょっと違う。
 どっちも全力を殴ったせいか、二人とも少し宙に浮き、数m後ろに下がってしまう。これで少し距離が開いた。詩音とアリヤは足を踏ん張って姿勢を整えると、肩で息をしながら相対する。
 その後、詩音はこう言った。


 「アリヤ……」
 「……何?」
 「私は、お前が好きだ」
 「…………」
 「だから全力で殺す。全身全霊をかけて、全部ぶつけてやるよ」
 「…………」


 詩音の告白
 それを聞いてもアリヤは何も感じなかった。
 そんな事初めから知っていたからか、もしくは興味がないのか、どちらかは定かではないが