VS研究所 その①


 達也は所長室でジッとモニターを見ていた。
 そこには研究所周辺で周回しているカメラ付きドローンから外の光景が送られていた。いくつもの画面を平行して見ながら、達也はやがて来るであろう懐かしい少女の姿を探し求める。
 この二日間、彼はずっとそればかりしていた。
 ウイスキーを胃に流し込みほろ酔い気分を楽しみながら

 その時、
 一瞬黒い影が映ったかと思うと、ドローンからの映像が途切れた。
 達也はその映像だけで誰が来たのか察した。
 予想より早い
 だが、想定内
 さっきまでのくつろぎ具合が嘘のよう、達也は椅子にもたれかかっていた体をガバッと起こすと、目の前にあったパソコンその他の端末の電源を入れ、研究所にあるすべての戦闘用設備を即座に起動させる。
 そしてマイクを手に取ると所内全体に放送をかける。
 「全員集合だ」
 それだけだが、彼女たちは来るだろう。
 達也はさっきまでアリスが映っていたモニターをジッと見るとこう呟いた。

 「さぁ来い、俺が相手だ」

 義手を起動させると、掌から空中にキーボードのような映像が投影される。達也は指をそこに伸ばすと、高速で動かし入力を始めた。それと同時に左腕も振るって、パソコンその他の機器を操作し始める。
 目の前のモニターも視線誘導入力システムに切り替わった。
 ただ座って、目や指をせわしなく動かしているだけなのに
 尋常ではない気迫が達也の背中から立ち上っていた。

 そんな中、朱鷺、マリア、ユウキとデルタの四人がやってくる。
 達也はそれを察すると、一心不乱に画面を見つめながら話しかける。


 「遅かったな」
 「達也、どうした?」
 「アリスが来た」
 「「「「え?」」」」