「あークソッ!! 敵が多い!!」


 ユウキは悪態をつきながらテレキネシスを乱射すると、次から次へと敵たちを吹き飛ばしていく。だが今回は内部から爆発の起きるほど強力な一撃ではなく、数m吹き飛ばす程度のを繰りだす。
 さっきの爆破が可能なほどのテレキネシスは集中力と、力を多量に利用する。さっきのように多少の余裕があるときはいいが、それ以外ではあまり多用はできない。
 もっと効率のいい戦い方はあるものの、マリアを守りながらでは厳しい。


 「チッ!! くそくらえ!!」


 いったいの絶望少女が地面を蹴って飛び出すと、ユウキを飛び越えてその後ろにいるマリアを襲おうとする。抵抗を繰り返すユウキよりも、なにもしようとしないマリアを先に殺した方が楽だと判断したらしい。
 だがそれを許すわけにはいかなかった。


 「サイコキネシスでも喰らえ!!」
 左腕を上げると狙いをつける。
 すると空中で絶望少女の動きがぴたりと止まる、次にギュッと手のひらを握る。するとサイコキネシスに押しつぶされて絶望少女の体が吹き飛ぶ、黒い嘉新だが吹き飛んでどこぞに消えていく。コアが一つ足元に落ちるも、そんなものに気を配る余裕はない。
 ひとまずマリアを救うことができたが、敵はまだいる。
 視線を移すとまだいる敵の方を見る。
 するとさっきの隙に一人の翼の少女が目の間にまでくると刀を突き出してきていた。


 「うぉ!!」
 身をよじってギリギリのところでそれを避けると、テレキネシスで吹き飛ばす。
 白い羽をまき散らしながら、他の敵を巻き込んで数m先まで飛んで行く。
 だが、次の少女が刀を振りかぶって襲って来る。


 「クソッ!! 埒が明かねぇ!!」


 一旦距離を取ることにすると、ユウキは両腕をクロスさせ、強力なテレキネシスを壁を張るように発生させる。するとその勢いに押されて、群がっていた大量の敵がかなり向こうまで飛ばされる。
 思惑通りに行った。


 「ハァ……ハァ……やったぜ!!」
 「大丈夫?」
 「あぁ!? うるせー!! 黙ってろ!!」
 「なっ!! 心配してやってるのに!!」
 「だーかーらー!! うるさい!!」


 少し余裕ができたのでサイコキネシスで近くのビルの鉄筋を引き抜くと、それで敵を貫き殺そうと思う。だが、力がうまいこと発揮できない。集中力が乱れてきているのだ。
 よくない傾向だった。


 「早く来てくれよ……デルタ!!」


 そう呟くユウキ
 するとまるでその声が聞こえてかのように、デルタが宙から降りてくる。
 ガンッという鈍い音がして、着地したあたりの地面が大きく抉れる。


 「呼んダ?」
 「お、おう、呼んだ」
 「……あいつラ?」
 「そうだ。殲滅してくれるか?」
 「任せテ」


 デルタはそう言いつつ、ちらりとマリアの方を見る。その視線にも全く感情は込められておらず、まるで氷を背中に押し付けられたかのような感覚に襲われる、何を言えばいいのかも分からない。