そこまで言うと同時に義手に異変が起きる。
 パシュッという軽い音が鳴り、腕の中心辺りで二つに分かれる。すると小型の魔力コアが内臓されたシリンダーが姿を現す。それは淡い光を放ち、達也の顔を怪しげに照らし出している。それと同時にアリスはあることに気が付いた。
 地下から魔力が噴き出している。
 その瞬間
 何が起きるか悟った。


 『ふざけるなぁァァァァァァ!!!』


 アリスの絶叫を無視する達也


 「だからな、最後に一つだけわがままを言わせてもらおう。


 こんなことを言うのは趣味じゃないうえ、どうせ君はこの後も戦い続けるだろう。だがな、あえて言わせてもらおう」


 『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』


 親指の付け根を開き、そこにあるスイッチに指をあてがう。
 そして最後に一言


 「アリス、一緒に死んでもらおうか」



 カチッという軽い音が鳴る。
 すると
 ゴウッという激しい音が鳴り響く。
 アリスは地面をジッと見ると、その奥にあるものを確認する。すでに視界のほとんどが魔力に塗りつぶされほとんど何も見ることができない。だが、うっすらとだが地下で暴走を起こす魔力コアの存在をいくつか感知することができた。
 その瞬間
 アリスは確信を抱いた
 この地下にある魔力生成装置を暴走させて、この周囲一帯を巻き込んで自縛するつもりなのだ。
 この程度で死にはしない。
 死にはしないが、目の前にいる男は殺せない。
 それは決して許されない。
 そう思った瞬間、アリスの視界は完全に潰れた。


 『ふざけるなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


 目が見えなくては話にならないので、しょうがなしにアリスは本物の眼球を再構築すると、顔を上げてシールド越しに達也のことを見ようとする。爆発までそこまで時間の余裕はない。
 急がなければ
 前をしっかりと見る。
 すると


 必然的に達也とばっちりと目が合った。

 その時
 アリスは全ての動作をピタリと止めた。


 『え?』